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ITオートメーションの浸透と、注目すべき4つのトレンド

ケビン・ケーシー

エキスパートの目から見た、ITオートメーションがビジネス戦略におよぼす影響

近ごろ私たちは、現時点まででITオートメーションを加速させてきた基本的な要素を検証しました。オートメーションではゴールラインを用意する必要がありません。その環境が成熟していても、技術的、ビジネス的、そして人的な視点から観ても、オートメーションは継続的に進化しているものです。ですから「現時点までで」というのは、まさに理にかなった表現でもあります。

この考え方を念頭に、ITの現場でオートメーションがますます浸透していく中で、特にITオートメーションとビジネス戦略の間におけるリーダーシップにフォーカスし、彼らが目を向けておくべきだと考えている現在のトレンドについて様々なエキスパートに質問を行いました。以下に、オートメーションを進化させていく為の大きな4つのトレンド、そして、それらがITチームやビジネス運営におよぼすであろう影響をまとめてみました。

1. ビジネス・ツールとしてのオートメーション

ITの現場で多く支持を集めるにつれ、特にソフトウェア開発ライフサイクルの波長に合わせながら、オートメーションは明確にビジネス戦略と関連付けられるように変化してきています。別の言いかたをすれば、特定のプロセスや基盤コンポーネントを単に自動化出来るからではなく、特定のビジネスゴールを達成する為のツールと考え、企業はオートメーションにアプローチしているのです。

AnexinetのDirector Of Cloud SolutionsであるNed Bellavanceは「オートメーションそのものはゴールではなく、テクノロジーを活かす為のアプローチなのです」と言っています

例えば、新たなサービスの実装に必要な時間を削減することは、特定のプロセスを自動化する事のスタートポイントや当初の理由になるでしょう。そして更に、ビジネスの優先順位付けを支援出来ることや、より価値の高いタスクへのIT人材の振り分けが出来ることのメリットを生み出せることに関心が移っていくのです。 Bellavanceは「完全な開発環境の実装に以前は2ヶ月を要していて、それを2時間で終らせることが出来るなら、セキュリティや機能の拡張、もしくはコスト管理にフォーカスする時間が生まれているはずです」と言います。

組織の中でますます重要になっている事柄を明確にしましょう。そして、その継続的なプロセスについても同じようにしましょう。特定のプロセスを自動化することで、組織は結果から学び、そして将来のプランに役立てることが出来るのです。

TricentisのCMOであるWayne Ariolaは「オートメーションの為のオートメーションでは何の意味も持ちません。企業に役立つクリティカルなフィードバックを提供してくれるオートメーションが鍵なのです」と言います。

デジタル・トランスフォーメーション・プランや大きな視野で見たビジネスの優先順位付けを、オートメーションがいかにドライブしていけるのかを示す絶好の機会に、ITリーダーは身を置いているのです。

Bellavanceは「ビジネスはIT部門をコスト・センターではなく、価値を生み出していく部門にしたいのです。これを可能にするのがオートメーションなのです」と言っています。

2. オートメーションへより厳選されたアプローチ

BitTitanの製品VPであるMark Kirsteinは、「Intelligent Automation」は最も大きなバズワードの1つだと2017年にコメントしています。現在のオートメーションに対する議論の多くが機械学習、AI、ロボティクスなどテクノロジーに焦点が当てられたものです。通常これらの議論は、現状すでに存在しているものでなく大きな視野で革新的なオートメーションについて語るものです。Kirsteinは、次にITオートメーションを主流に押し上げるトレンドは「Selective Automation」だと予想しています。

「知識や技術的なスキルの欠如、もしくは変化、リスクに対しての恐怖心は、あらゆるものを自動化(Automate Everything)しようとする動きからビジネスを遠ざけてしまいかねません。IT部門がリスクの少ないより小規模なプロジェクトを特定し、まずそこからオートメーションに手をつければ良いのです」とKirsteinは助言します。

クラウドネイティブなソフトウェア・スタートアップはであれば、「あらゆるものを自動化(Automate Everything)する」というマインドセットを本質的に持っているでしょう。しかし通常のビジネス界では、そう簡単に物事は進みません。今はまだ、ディスラプションやトランスフォーメーションが様々な業界で受け入れられ始めたばかりなのです。同じように、ITオートメーションも業界に関係なく重要なってくるはずです。クラウドの導入においていくつかの企業が当初行ったように、小さく始めることは多くの企業にとって重要になるはずです。

導入の初期段階で、企業がオートメーションを特定のビジネス戦略だけに結びつけられるようにするリアル・オートメーション・パイロットなど、これによって得られるメリットは他にもあります。(1.を参照してください)

3. オートメーション技術に対する、より良い形での人材やプロセスの配置

TricentisのAriolaは、オートメーションンの為のオートメーションからは何の結果も得られないと言っています。この視点から、オートメーションの可能性をより人材というものに近づけて考えてみましょう。Ariolaは、Tricentisのオートメーション検証スペースで、既存のチームへ単にオートメーション・ツールを渡していただけでは、そのプロセスは機能しないと言います。この原則は、オートメーションやITオペレーションに広く当てはまります。

「意図している結果を得る為には、人材や関連したビジネス・プロセスが、そのオートメーションを活かし切れるように配置されている必要があります。人材とプロセスのトランスフォーメーションがあってこそ、オートメーション・ツールは求められている結果を出せるのです」とAriolaは言っています。

ある意味、これはDevOpsの基本原則です。従来型のソフトウェア・チームにCI/CD(Continuous Integration and Delivery)ツールを渡し、「使ってください」と言うだけでは良い結果を期待できません。同じように、オートメーションも魔法の杖ではないのです。特にオートメーション戦略でつまずいているIT部門は、人材とプロセスをどのように配置すれば求めている結果を確実に得られるのか、もっと良く注意を払うべきなのです。

4. 継続的な学習とスキルの再習得の必要性

人についての話が続きます。

LexisNexis Risk SolutionsのVP of Technology and Head of HPCC Systemsを務めるFlavio Villanustreは、現在のITにおける変化の速度はある種のパラドックスを生み出していると考えています。ITプロフェッショナルはジェネラリストであり、そしてまた同時に、特定の領域に関しては高度なスペシャリストであることが求められます。DevOpsを例にあげてみましょう。DevOpsの現場において、開発者は単にコードを記述し、それを運用する側へ渡すだけの存在ではなくなりました。彼らは実装や基盤運用に関しても責任を持つ事になったのです。言葉を変えれば、これまで以上に幅広いスキルが求められるようになったのです。

DevOpsの現場そのものもまた同様に、CI/CD、コンテナとオーケストレーションマイクロサービス、そして言うまでもなくオートメーションなど、さらに専門的なスキルを身に着けられるチームメンバーを求めています。これまでもITプロフェッショナルが常に最新のスキルを身に着けていることは当然とされてきました。しかし現在はそれだけではすまされないのです。リーダーシップを取って、チームの声に耳を傾けサポートを怠らないことも求められているのです。

[ DevOpsチームを率いる為にスタッフの声に耳を傾けよう:カルチャー、メトリックス、人材など。]
リソース DevOps: The IT Leader's Guide.

「ITの世界におけるこの急速な変化は、既存のスタッフへの継続的な再トレーニングが必要なスキル・ギャップを生み出しています。継続的な学習でしか、このスキル・ギャップを埋めることはできなのです」とVillanustreは言っています。

良い知らせもあります。この手の継続的な学習についても、オンラインコースに始まり、マイクロやナノ単位での学位取得、さらには一対一でのラーニングや知識の継承など様々なオプションが登場してきています。これら全てが効果的なトレーニング・ツールであり、また費用対効果も優れています。

この他にも、継続的な学習には良い側面があります。1.への回帰にもなりますが、ITオートメーションが進むにつれて、継続的な学習を通して新しいビジネスチャンスを見つけることが出来ることです。

「継続的な知識の習得やトレーニングは、新たなイノベーションの機会を提供してくれるのです。プロフェッショナルは、既存のプロセスやシステムを改善して物事を学んでいきます。そこにはとてもポジティブなインパクトを備えているものがあり、そのいくつかは組織にとって新たな収益源となる可能性もあるのです」とVillanustreは言っています。

Kevin Casey

ケビン・ケーシーは、様々な出版物でテクノロジーとビジネスについて書います。InformationWeek.comの記事"Are You Too Old For IT?"ではAmerican Society of Business Publication EditorsのAzbee Awardを受賞しました。Small Business Influencer Awardsにも地域から選出されたことがあります。
» 詳細(https://enterprisersproject.com/user/kevin-casey)