私が対話するリーダーのほとんどは、AI をめぐる「ハイプ・サイクル」の段階をすでに十分に通過しています。もはや AI が重要かどうかという段階ではありません。問題は、セキュリティを重視し、サポート可能で、チーム間で反復可能な方法によって、いかにして実験から本番環境へと移行するかです。

Red Hat の AI エンジニアリング組織内のエンジニアリング部門である AI Platform Core Components (AIPCC) の戦略および運用を主導する私の立場から見れば、このシフトこそがすべてを変えるものです。対話の焦点は、ツールの決定から運用モデルの決定へと移ります。強力な AI プラットフォームは、チームが AI 対応機能をスケジュール通りに提供し、確実に運用し、ガバナンス、企業リスク、および長期的なコスト管理と連携する方法で実行するための基盤となります。

Red Hat AI Enterprise最近のリリースにより、その基盤はより明確なものとなりました。これは、モデルのライフサイクル、推論、運用管理を統合し、お客様が実際に目指している「ハイブリッド環境全体で責任を持って AI を拡張する」という取り組みを反映しています。

お客様が Red Hat AI を選ぶ 4 つのビジネス上の理由

1.ビジネスで必要とされる場所にデプロイできる自由

ほとんどの組織は、単一の環境だけで AI を構築しているわけではありません。組織は、オンプレミスの要件、パブリッククラウドの柔軟性、そしてエッジのユースケース間のバランスを取っています。データの場所、レイテンシー、コンプライアンスの制約は、現実の問題です。これらの制約が、日々のアーキテクチャの決定を左右します。

Red Hat OpenShift AI と広範な Red Hat AI ポートフォリオは、そのような柔軟性を実現するように設計されています。これが重要なのは、AI が運用システムやカスタマーエクスペリエンスのワークフローと密接に結びつくようになっているためです。これらが画一的なデプロイモデルに適合することはほとんどありません。

2.単一の道筋に縛られないオープンなイノベーション

お客様との対話における一貫したテーマの 1 つは、AI エコシステムの進化に合わせるための適応性が必要であるということです。モデルは変化し、ツールは移行し、アクセラレーターは向上します。長期的な視点を持つ組織は、業界のトレンドが変わるたびにスタックを再構築することを望んでいません。

ターキッシュ エアラインズこのページは、英語でご利用いただけます (日本語 ではご利用いただけません)は最近、Red Hat を選んだ主な理由として「オープンソースとの整合性」と「柔軟性」を挙げました。これは観念的なものではなく、実利的な判断です。市場がこれほど急速に動いている状況では、アーキテクチャの柔軟性はリスク管理に直結します。

3.セキュリティ重視、主権、および運用の制御

カスタマーエクスペリエンスとデータの観点から、多くの場合これが決定要因となります。AI は、データアクセス、推論、スケーリングに関して新たなリスクパターンをもたらします。多くの企業は、とくにデータ主権や規制要件が関わる場合、自社で制御するインフラストラクチャ上にワークロードを維持する必要があります。

アルゼンチンの国営通信会社 (ARSAT) は、その好例です。彼らは「データ主権」を中核的な要件として強調し、OpenShift AI を基盤として構築することで、ニーズの特定から 45 日で本番稼働へと移行しました。そのスピードは、自社のガバナンスモデルをサポートするプラットフォームと運用上の規律を組み合わせた結果です。

4.チーム間での運用の一貫性

運用の一貫性は過小評価されがちな要素です。AI の成功は単なるモデルの精度にとどまりません。成功には、反復可能なワークフロー、一貫性のある環境、予測可能なリリース、および単一のデータサイエンス・チームを超えて拡張できるサポート構造が含まれます。

Red Hat AI Enterprise は、ライフサイクル管理、推論機能、運用ツールを統合されたエンタープライズ製品にまとめることで、この成功に導くフレームワークを形式化します。運用の観点から見ると、これによりデータサイエンティスト、プラットフォームエンジニア、アプリケーションチーム間の摩擦が軽減され、孤立した実験の場ではなく、共有のガードレールが構築されます。

実際のビジネスユースケースでの活用例

McKinseyGartner などの企業による調査では、業界全体で一貫したパターンが示されています。企業による AI の取り組みには、主要な成果に重点を置く傾向が見られます。

  • 運用効率と最適化
  • ワークフローの生産性
  • カスタマーエクスペリエンス、サービス、およびサポート
  • 製品開発の生産性

実際には、ビジネスリーダーにとって、モデルの規模の大小よりも、その周囲のシステムが本番環境で確実に動作するかどうかのほうがはるかに重要です。最も重要なのは、管理可能で、実際の運用ワークフローに簡単に統合できる AI 機能を使用できるかどうかです。

AI ソリューションを評価するための意思決定フレームワーク

組織での AI 導入の進捗状況についてビジネスリーダーと話す際、通常、会話の中心となるのは、エンタープライズ環境で AI をデプロイする際の運用の現実に即した実践的な分野についてです。

  • データの所在地と主権:多くの組織には、データのプライバシー、主権、コンプライアンスに関する現実の制約があります。AI ソリューションは、オンプレミスのインフラストラクチャ、ハイブリッド環境、マルチクラウドなど、それらの現実の状況下で機能する必要があります。
  • パイロットから本番稼働までの道のり:デモは簡単です。AI の運用化ははるかに困難です。私は常に、プラットフォームが単なる実験ではなく、実際の本番デプロイをサポートできるという証拠を探しています。
  • エコシステムの進化に伴う柔軟性:AI の状況は急速に変化しています。組織は、スタックを絶えず再構築することなく、新しいモデル、ツール、インフラストラクチャを自由に導入できる環境を必要としています。
  • ガバナンスとスケーラブルな運用:AI の利用がチーム全体に拡大するにつれて、ガバナンス、ライフサイクル管理、企業レベルでのサポートが極めて重要になります。適切なプラットフォームは、イノベーションを可能にしながら、リスク管理を容易にするものです。

まとめ

現在の AI リーダーシップにおいて重要なのは、新たな魅力的な機能を追求することではなく、AI を安全かつ反復できる方法で導入でき、測定可能なビジネスインパクトをもたらすシステムを構築することです。実際に成果を上げている組織は、イノベーションと企業の現実 (セキュリティ、柔軟性、運用の一貫性、拡張への明確な道筋) のバランスを取るプラットフォームに投資しています。

Red Hat AI Enterprise は、まさにそのバランスを支援するように設計されています。目標は単にモデルを実行することではなく、実際のエンタープライズ環境に適した方法で、実験から本番環境へと移行するために必要なインフラストラクチャと運用基盤を組織に提供することです。AI 戦略と運用の観点から見れば、そのバランスこそが、AI が実験のままで終わるか、持続的なビジネス能力となるかを最終的に決定するものとなります。

Red Hat AI Enterprise についての詳細はこちらをご覧ください。

リソース

適応力のある企業:AI への対応力が破壊的革新への対応力となる理由

Red Hat の COO 兼 CSO である Michael Ferris (マイケル・フェリス) が執筆したこの e ブックでは、今日の IT リーダーが直面している AI による変化のペースと技術的な破壊的革新について解説しています。

執筆者紹介

Megan Jones leads the Customer & Partner Experience (CPX) organization at Red Hat. The mission of the team is to drive customer and partner success by collecting, analyzing and operationalizing feedback. She joined Red Hat in 2015 to build an analytics team in the Customer Experience and Engagement organization, and over the course of four years, she grew it to a global team of 24 data analysts, data scientists and engineers located across the US, EMEA and APAC. In 2020, she took over the Voice of Customer organization to lead the strategic vision of creating a world-class, "customer first" company culture, supported by insights and actions, connected across the customer lifecycle. In December 2021, she led the team's expansion to become the Customer & Partner Experience organization, now including Red Hat Partners in their mission.

Prior to Red Hat, Jones led an analytics team at a national communications and advertising agency. Jones lives in Raleigh with her husband and two energetic children, and they spend their weekends having impromptu dance parties in their kitchen, playing outside with their two rescue dogs, coloring and watching Disney movies.

UI_Icon-Red_Hat-Close-A-Black-RGB

チャンネル別に見る

automation icon

自動化

テクノロジー、チームおよび環境に関する IT 自動化の最新情報

AI icon

AI (人工知能)

お客様が AI ワークロードをどこでも自由に実行することを可能にするプラットフォームについてのアップデート

open hybrid cloud icon

オープン・ハイブリッドクラウド

ハイブリッドクラウドで柔軟に未来を築く方法をご確認ください。

security icon

セキュリティ

環境やテクノロジー全体に及ぶリスクを軽減する方法に関する最新情報

edge icon

エッジコンピューティング

エッジでの運用を単純化するプラットフォームのアップデート

Infrastructure icon

インフラストラクチャ

世界有数のエンタープライズ向け Linux プラットフォームの最新情報

application development icon

アプリケーション

アプリケーションの最も困難な課題に対する Red Hat ソリューションの詳細

Virtualization icon

仮想化

オンプレミスまたは複数クラウドでのワークロードに対応するエンタープライズ仮想化の将来についてご覧ください