Ansible Moduleについてのよくある誤解とレッドハットのサポート範囲

# はじめに

レッドハットがAnsible社を買収してから3年以上経ちました。昨年度(FY18、2017年)の9月には、Ansible Engineという形で、旧来Ansible Coreと呼ばれておりオープンソース版しか利用できなかったものが、エンタープライズサポートを付随して提供開始し、より一層企業内で安心してご利用いただけるようにサービスを強化しています。

Ansible Engineは、ソフトウェアパッケージそのもののサポートだけでなく、一部のModuleについて、サブスクリプション契約のなかでサポートを提供しております。いくつか製品の入れ替わりでModule(モジュール)の分類とサポートされるされないといったことがわかりにくく、最近問い合わせが増えていましたので、今回AnsibleのModuleの分類とサポートについて説明します。

なお、この記事は2019年2月末時点のものであり、通知なく製品体系などが変更される可能性があります。予めご了承ください。

# Ansible Moduleの分類について

図1
モジュールの大分類

まず、Ansibleで言われるModuleについて簡単に概要を把握しておきましょう。AnsibleのModuleと言っても、様々な種類を示しています。大きなくくりで表現すると、インターネット上で公開されているModuleと、非公開のModuleがあります。非公開のModuleは管理対象となるプラットフォームを提供しているベンダーが独自かつ個別にお客様に提供しているModuleのことです。日本国内で私が知る限り、アラクサラネットワークスさんが独自にお客様及びパートナー企業にModuleを提供されています[参考]。

インターネット上で公開されているModuleについても、ansible.com (つまり、Ansible Project)で管理されているModuleとGitHubなどの別の方法で管理されているModuleがあります。GitHubで管理されているものは、特定の企業のプロジェクト配下で管理されていれば、その企業からサポートを得られる可能性もありますが、個人的に作成したものを善意で共有している可能性もあるので、エンタープライズで利用する際には特定のベンダーに問い合わせるなど注意したほうが良いでしょう。

ansible.com (Ansible Project)で管理されているModuleは、基本的には、Ansible Engine(旧Core)自体に取り込まれているModuleです。Moduleを参照する際には、Module Indexを見ていただくと多少変な分類分けになっていることもありますが、Cloud Module、Network Module、Windows Moduleなどだいたいの用途別に分かれています。このModule Indexは、Ansibleで自動化ができるか?を調べる際に便利です(もちろん、「Ansible XXX Module」とXXXに対象にしたいプラットフォーム名を入れて検索すると結構ちゃんと結果が出てきますが)。

# Ansible Moduleよくある誤解

ここでよく勘違い・誤解が起きるのが、このModule IndexにあるNetwork Moduleがレッドハットが提供している、Ansible Automation (Networking)サブスクリプションでサポートされるのかという点です。そこで、参照していただきたいのがレッドハットがサポートするModuleをリストしている、Module Maintenance & Supportというページです。図2で表した通り、Module IndexにあるNetwork modulesとModule Maintenance & Support のNetworkはリストが一致しません。そのため、レッドハットからサポートが受けられるか否かを確認する場合には、Module Maintenance & Support を参照していただく必要があります。

図2
ansible.comで管理されているモジュール

さて、ようやくレッドハットのサポートの話に落ちてきたところで、Module Maintenance & Supportに記載されている分類について説明をしたいと思います。

図3
サポートされるモジュールについての注意点

図3にある通り、レッドハットがサポートを提供するModule郡のカテゴリとして、Core Maintained、Network Maintainedがあります。これらは対象の製品を購入することによって、レッドハットが責任を持ってサポート(不具合があった場合には修正)するModuleになります。Certified Moduleは2018年10月2日に発表をした(発表へのリンク)ものです。この発表により、いわゆる認定プログラムが実現し、レッドハットが提供したテストセットを通したModule(ただしそもそもAnsible Engineに含まれている必要がある)に認定印を付けるとともに、レッドハットが一時的に受付を行うことができるようになりました。Certified Moduleに問題があるとサポートの過程で判明した場合には、TSANetという仕組みを使って各プラットフォームを提供するベンダーと協力して修正に励みます。Community Moduleに関しては、レッドハットはサポートをお受けすることはできません。

# さいごに

## Ansibleをこれから学ぶ方

Ansibleをこれから学ぶ方は、Ansibleユーザー会に参加してみましょう。レッドハットはAnsibleユーザー会に会場及びもくもく会で利用しているハンズオン環境を提供しています。(参加はこちらから)

また、書籍なども豊富にありますし、ウェブブラウザベースでハンズオンを進めていくことができる、katakodaでもAnsibleの初心者向けコンテンツ(なんと日本語!)があります。こちらも利用してみると良いでしょう。

## Ansibleを企業内に本格的に入れようと検討中の方

Ansibleを個人的には触ったことがあるけれど、企業として導入することを検討されている方は、是非Ansible Towerを活用してセルフサービスでなんでもできる状態にしましょう。Ansible Towerの評価に関しては、ansible-jp@redhat.com までご連絡ください。また、それ以外にもコンサルティングサービスなど、お客様が短期かつ確実に自動化の導入を実現する支援もございますので、担当営業もしくは営業問い合わせ窓口(sales-jp@redhat.com)までご連絡ください。

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※本記事は2019年2月末時点であり、通知なく製品体系などを変更する可能性があります。予めご了承ください。

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