2019. 6.20開催 @ベルサール汐留

Red Hat DX & Open Hybrid Cloud Day Tokyo 2019
イベントレポート

オープンハイブリッドクラウドをテーマにしたイベント「Red Hat DX & Open Hybrid Cloud Day Tokyo 2019」が、6月20日ベルサール汐留で開催された(主催:レッドハット株式会社/グローバル協賛:インテル株式会社)。イベントのメインテーマは、新たに発表された「Red Hat Enterprise Linux8」と「Red Hat OpenShift 4」。440名を超える参加者を迎えたイベントでは、これら2つのプラットフォームが新たに創出する価値をはじめ、「オープン ハイブリッド クラウド」にまつわる数々のセッションが繰り広げられた。

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session 1

基調講演:ハイブリッド&マルチクラウド戦略

Stefanie Chiras
Stefanie Chiras
Vice president and general manager,
Red Hat Enterprise Linux Business Unit, Red Hat

基調講演の最初に登壇したStefanie Chirasは、ハイブリッドクラウドに対するRed Hatのビジョンと戦略、そしてRed Hatともに実現するその優位性について言及した。現在のビジネスにおける課題は、イノベーションと最適化のバランスをとりながら、いかに早くビジネスバリューを創出するかにある。そのためには、クラウドへの移行は不可避だ。そしてクラウドへのシフトにより、アプリケーションのあり方も変わってくる。

「オンプレミス、オフプレミス、そしてクラウドのすべてを活用しながら究極の柔軟性を手に入れることが、オープンハイブリッド戦略の根幹だ」とStefanieは強調した。

ハイブリッドクラウドにおいて重要なポイントは、「オープンソース」「信頼できるエコシステム」「スケール」の3つだ。そしてこれら3点を網羅するのがRed Hatのオープンソースプラットフォームである。Stefanieは、「Red Hatの幅広いポートフォリオとエコシステムが、この業界において唯一かつ真のオープンハイブリッドクラウドを提供する」と語った。

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session 2

あなたのアイデアを実現する
プラットフォームによるビジネス革新

Martin Klaus
Martin Klaus
Senior Director, Product Marketing, Red Hat

「新たなテクノロジーやオープンソースコミュニティなどがイノベーションを起こし、ビジネスの成果を生み出しているからだ」とMartinは言う。世界中のあらゆる業種業態において、オープンソースカルチャーからイノベーションが起きており、そうしたイノベーションはビジネス価値の源泉となっている。そしていち早くイノベーションの成果を享受しているデジタル先進企業ほど、早い段階でコンテナプラットフォームに投資しているのである。これにより、オペレーションをより効率的にしつつセキュリティも確保しているのだ。

Martinは、自動車、金融、物流など、各業界におけるOpenShiftプラットフォームを活用したイノベーションの事例を紹介した。「これらの他にも世界で1,000以上もの企業が、OpenShift上でクラウドネイティブのアプリを開発し、大きな価値を彼らの顧客に提供して競争優位を獲得している」(Martin)

価値の想像はアプリケーションの迅速なデリバリー能力にかかっており、コンテナプラットフォームがそれを実現する。そして「Red Hat OpenShift 4」では、コンテナセキュリティ、Day2マネジメント、アプリケーションライフサイクル管理など、様々な点が改善・強化されており、Kubernetesのデリバリーをどこへでも提供できるより競争力のあるコンテナプラットフォームとなっている。Martinは「大きなアイデアの実現には信頼できるプラットフォームが必要だ」と強調した。

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session 3

Red Hat Enterprise Linux 8

Brendan Paget
Brendan Paget
Director of Portfolio Management in the APAC Office of Technology, Red Hat

「デジタル変革はRed Hat Enterprise Linux上で行われている。つまりLinuxがデジタル変革を実現しているのだ」とBrendanは力説した。新しい技術の多くはLinux向けに開発されており、そして開発者はLinuxを使って新たなテクノロジーを開発し、企業は新しいサービスを展開している。「すべてがオープンソースから生み出されている。そしてオープンソースコミュニティや顧客、パートナー、ベンダーの中心にRed Hatが立つことで、様々なイノベーションを創出しているのだ」(Brendan)

そのRed Hatが打ち出した最新のオープンソースプラットフォーム「Red Hat Enterprise Linux 8」には、数多くの新たな機能が搭載される。なかでも特に重要な以下の6つの新テクノロジーをBrendanは紹介した。

1 インテリジェントOS
2 デプロイ時間や簡易性の向上
3 コンテナに関する新テクノロジー
4 エンタープライズアプリケーション対応
5 セキュリティ
6 オープンソース統合

「あらゆるプラットフォームの中でも、レッドハットこそが適切な選択肢であるということがおわかりいただけたのではないか」とBrendanは力説して基調講演の幕を閉じた。

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session 4

更なるデータ社会の実現に向けて
~ 最新のハードウェアテクノロジーを武器に「2025年の崖」を克服せよ

矢嶋 哲郎 氏
インテル
マーケティング本部 ビジネス・マーケティング・ディレクター
矢嶋 哲郎 氏

ITシステムやIT人材の課題に直面すると言われ、政府も警鐘を鳴らす「2025年の崖」。その克服と将来の成長・競争力強化のために、企業は革新的な技術を積極的に活用しなければならない。世界中のデータの50%以上は過去2年間で生成されているが、活用されているデータはわずか2%しかない。この膨大なデータをどう活用していくかが2025年の壁を乗り越えるための大きなポイントとなる。

こうしたデータ社会のインフラを目指すインテルでは、システムレベルでソフトウェアとの最適化を実現するなど、データ社会に向けた製品ポートフォリオを揃えている。

第2世代のインテルXeonスケーラブルプロセッサーは、ソケットあたりのコア数が8から56、4.5TB以上のソケットあたりのメモリー容量などをカバーする。「20年におよぶデータセンタープロセッサーのイノベーションに基づく成果が反映されている」と矢嶋氏は強調した。さらに高性能を追求して今回ラインナップに加えたのが「XeonPlatinum9200プロセッサー」で、AIやディープラーニングなどで特に真価を発揮する。

矢嶋氏はインテル社自身のIT環境にも踏み込んだ。IT部門のクラウド変革を進める同社では2018年以降はマルチクラウド環境に移行しており、100%のアプリケーション合理化とガバナンスを実現している。

「20年を超えるレッドハットとの協業をもとに、お客様のイノベーションを支えていきたい」と矢嶋氏は力説した。

session 5

DXに最適なアプリケーションプラットフォーム:
OpenShift最新動向と今後の展開

須江 信洋
レッドハット株式会社
テクニカルセールス本部 ミドルウェアソリューションアーキテクト部
シニアソリューションアーキテクト OpenShiftスペシャリスト
須江 信洋

須江のセッションでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)を成し遂げた後にどのような世の中が到来するのか、そしてそれに対してRed HatやOpenShiftプラットフォームはどんな貢献をするのかが語られた。藤井保文氏らの著書「アフターデジタル」によると、DXの先にあるのはすべてがオンラインになった世界である。そんなOnline Merges with Offline(OMO)の世界では、ビジネスモデルも従来のバリューチェーン型から、顧客接点データを多く持ち、UX改善ループを高速に回す競争を繰り広げるバリュージャーニー型へと変わってくる。そんなOMOを実装するには、インフラに変更や障害が発生しても安定して稼働し続けるなど、クラウドに対応した設計哲学が求められてくる。それを具現化するのが「OpenShift4」だ。

「OpenShift4」では、全自動アーキテクチャの採用や、ブラウザ上で使える開発環境「Code Ready Workspace」の実装をはじめとした開発者向けの数々のアップデートなど、エンタープライズKubernetesとして再定義が図られている。

「OpenShift Service Mesh」や「OpenShift Serverless」などリリース予定で、OpenShiftはOMO時代に適合して進化をしていくという。

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session 6

既存IT資産をデジタル融合するテクノロジー
~Legacy Digital Integration R~

本橋 賢二 氏
株式会社NTTデータ
システム技術本部 生産技術部 クラウド技術センタ 部長
本橋 賢二 氏

IT市場を見ると、ここ数年でクラウドなどの新しい技術領域が増加しており、2025年には60%を占めると予測されている。NTTデータでも、この4~5年でパブリッククラウドを活用したビジネスがかなり伸びている。日本のマネージドクラウドサービス(クラウド環境をマネージ(活用)して新しい付加価値を提供する)市場においてNTTデータはリーダーのポジションにある。「一方で日本のIT投資はこの20年間伸び悩んでおり、そこにくさびを打ち込むのが当社の生産技術革新の狙いだ」と本橋氏は言う。コスト削減を実現しつつビジネス成長へとIT投資を振り向けるべく、既存システムに対してデジタルなシステムを融合させながら、TraditionalとDigital双方のITを最適に活用するというのが同社の生産技術革新である。

Traditionalからのアプローチでは要件定義から設計開発試験までの自動化や標準化によりさらなる生産性向上を図り、Digitalからのアプローチではサービス企画からUI/UXデザインのフェーズによりフォーカスする。そしてデジタル融合のアプローチでは、既存のシステムを、デジタルを用いてどう変えていくかがポイントとなる。「NTTデータでは、既存のIT資産からビジネスアジリティを生み出すシステムにLift & ShiftするLegacy Digital Integration技法をお客様に提供している。既存資産をアセスメントする方法論も既にデジタルアセスメントとして実践しているので、レッドハットともにお客様のデジタルトランスフォーメーションを支援していきたい」(本橋氏)

session 7

エンタープライズのマルチクラウドを実現する
OpenShiftとRHEL8の魅力

北山 晋吾
レッドハット株式会社
テクニカルセールス本部 クラウドソリューションアーキテクト部
OpenShift アーキテクト
北山 晋吾

グローバルの調査によると、エンタープライズ企業の84%がマルチクラウド戦略を採用している。マルチクラウドの動向としては、主要なクラウドはコモディティ化が進んでいるため、AWSやAzureをベースに使い、必要に応じて他のクラウドを活用する企業が増えている。「マルチクラウドの価値は、ビジネスニーズが変わっていくなかで最適なコストでビジネスの価値を提供できることにある」と北山はコメントした。

OpenShiftとRHELは、マルチクラウドの運用プロセスを含めたポータビリティを実現する。Kubernetesはどの環境でも同様の手順でアプリケーションを可動し、RHELはどの環境でも迅速かつ信頼性の高いOSとなっている。

そしてマルチクラウドでは運用自動化が必須となる。そこで運用の知見をコード化し、アプリケーションの運用を自動化するのがOperatorだ。Operatorは、自社の運用に合わせたマネージドサービスをどの環境でも展開でき、クラウドガバナンスも実現する。

「Operatorを使うことで、ポータビリティを備えたマネージドサービスを自分たちの手でつくることができる」と北山は語った。

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session 8

エンタープライズ向けクラウドでのOpenShift活用

日鉄ソリューションズ株式会社
ITインフラソリューション事業本部 クラウドプラットフォーム事業部 absonne推進部長
小野寺 一浩 氏
IoXソリューション事業推進部
荒井 悠 氏
技術本部
システム研究開発センター イノベーティブアプリケーション研究部
鈴木 博喜 氏

これまで日鉄ソリューションズでは10年以上の実績を持つ「absonne」に代表されるエンタープライズ向けのマネージドクラウド事業を中心に手がけてきたが、昨今のデジタルトランスフォーメーションのニーズに応えるためOpenStackやOpenShiftを活用したサービスを推進している。それが、プライベート性の担保とパブリッククラウドの特性を兼ね備えたクラウドプラットフォーム「absonne D3」だ。「攻めのITに対するお客様のニーズに答えるべく、OpenShiftやOpenStackプラットフォームを積極的に活用していく」と小野寺氏。

同社ではIoTソリューションでのOpenShift活用も進めており、その1つが一人作業の安全安心を見守るパッケージシステム「安全見守りくん」だ。「IoXプラットフォームにとってOpenShiftには、OSSベースのオープンな技術が統合されたコンテナ基盤であることや高い耐障害性とスケーラビリティの実現が可能なことなど様々なメリットがある」(荒井氏)

また同社では、自社の時期開発環境のベースもRed Hat OpenShiftを採用している。「Red Hat OpenShiftは当社システムの次のデファクトになりつつある」と鈴木氏は評価した。

session 9

OpenShift世界でのRed Hat Enterprise Linux 8と、継続的な学習のすすめ

森若 和雄
レッドハット株式会社
テクニカルセールス本部 パートナーソリューションアーキテクト部
ソリューションアーキテクト
森若 和雄

2019年5月に「Red Hat Enterprise Linux 8」がリリースされ、次のメジャーリリースは3年後の2022年を予定している。一方でマイナーアップデートも半年置きに実施しており、このタイミングで新しい機能のリリースを予定している。

今回のメジャーリリースでは特に多くの機能拡張がなされている。なかでも重要な新機能の1つがWeb Consoleによるリモート管理で、ホストのセキュリティメカニズムを活用してリモート管理を実施する。またRed Hat Insightは、プロアクティブなアドバイスで発生前に問題を発見し、効率的に修正する。そしてImage Builderは、必要に応じて様々な環境用の仮想マシンイメージを、1つのソースから作成することができる。

Universal Base Imageは、従来のソフトウェア流通の課題を解決する。コンテナイメージは無料で再配布や入手、変更が可能で、RHELまたはOpenShift上で利用する場合はUBIもサポート対象となる。「ソフトウェアをコンテナイメージで配布する場合のベースイメージとして最適だ」と森若はコメントした。

新興ソフトウェアの台頭やDevOpsの普及・深化により継続的な学習が必要となっている。それをサポートするのが開発者向けポータルサイトRed Hat Developerであり、さらにRed Hat Learning Subscriptionでは実績のある50以上ものオンライントレーニングが用意さえており、インストラクターへの質問も可能となっている。

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