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自動車業界の世界的パイオニア、コンテナと DevOps でサービスをモダナイズ

最終更新日:

フォード・モーター・カンパニーは、さまざまな個人顧客や法人顧客を対象としているディーラーや部品販売業者を含め、自社の顧客に対して、手頃な価格のモビリティ・ソリューションの提供を目指しています。同社は、迅速なデリバリーとシンプルなメンテナンスを実現するために、レガシー・ステートフル・アプリケーションをモダナイズしてハードウェアの使用を最適化する、コンテナベースのアプリケーション・プラットフォームの構築を検討していました。Red Hat OpenShift をベースとし、Red Hat と Sysdig のテクノロジーがサポートするこのプラットフォームにより、フォードは開発者の生産性向上、セキュリティとコンプライアンスへの取り組みの強化、ハードウェア使用の最適化と運用コストの改善を実現しました。現在、フォードは、ビッグデータから機械学習、人工知能に至るまで、イノベーションをもたらす新たな方法の探求に集中できるようになりました。

イメージコンテナ


メリット

  • 標準化された開発環境とセルフサービスのプロビジョニングにより、生産性を向上
  • Red Hat のエンタープライズ・テクノロジーと Sysdig が提供する継続的なモニタリングにより、セキュリティを強化
  • OpenShift をベアメタル上で実行し、ハードウェアのコストを大幅に削減

自動車のイノベーションには、レガシー・アプリケーションを強化するための先進的なプラットフォームが必要

フォード・モーター・カンパニーは、信頼性の高い、技術的に進歩した自動車の製造における世界的なリーダーです。同社のミッションは、さまざまな個人顧客や法人顧客を対象としているディーラーや部品販売業者を含め、自社の顧客に対して、手頃な価格のモビリティソリューションを提供することです。

「フォードは有名なブランドです。フォード・オーバルを知らない人はいません」と、フォード・モーター・カンパニーの CaaS (Container-as-a-Service) 製品サービスオーナー、Jason Presnell 氏は語ります。「モビリティ・カンパニーとしての当社のミッションは、人々の移動に役立つ新しい方法を見出すことだけでなく、自動車の発進やロックの解除を可能にするモバイルアプリのような、移動を支援するために必要な情報やツールを提供することです。これらの機能をグローバルな規模でサポートし、提供する必要があります」

フォードの各事業部門は、衝突解析や自動運転のための機械学習から、プロトタイプの作成とテストのための HPC (高性能計算) まで、最新の技術革新を活用する製品やサービスの構築に重点を置いた、堅牢で活発な開発コミュニティをホストしています。しかし、数十万人の従業員同士と、数千もの内部アプリケーションやサイトにわたるこの取り組みには、従来の IT 環境と開発アプローチでは対応できない複雑さが生じました。ハイパーバイザーと仮想マシンを使っても、この環境を維持するための非効率的なリソースの使用と高額な人件費には苦慮していました。

「ステートフル・アプリケーションのデリバリーを迅速化する必要がありました」と、フォード・モーター・カンパニーのクラウドプラットフォーム部門テクニカルスペシャリスト、Satish Puranam 氏は語ります。「Pivotal Cloud Foundry は、可搬性を実現するために構築された新しいステートレス・アプリケーションでは問題なく機能しましたが、フォードは、ステートフルでデータ量の多いレガシー・アプリケーションを数多く持つ、創業 100 年の企業です。在庫システム、ディーラー向けのアプリケーション、データの永続性を必要とする CI/CD  (継続的インテグレーションおよびデリバリー) などに対して適切なインフラストラクチャを構築するには、6 カ月程度かかります」

フォードは、データセンター内で Kubernetes コンテナテクノロジー、アプリケーション・プログラミング・インタフェース (API)、および自動化を使用して、レガシーのステートフル・アプリケーションにパブリッククラウドのメリット、すなわち、迅速なデリバリー、容易なメンテナンス、自動化されたスケーラビリティを取り入れようとしました。また、ハードウェア環境とソフトウェア環境をコンテナ・オーケストレーションで統合すれば、フォードのリソースをより効率的に使用できるようになると考えました。

「コンテナは、非常にポータブルなアプリケーション提供方法です。すべての依存関係とライブラリを組み込むことができるので、誰にでも実行可能で、いかなる環境でも同じパフォーマンスを得られます」と Presnell 氏は語ります。「しかし、当社はコンテナ・プラットフォームを維持することよりも、当社が提供できる価値の方を重視したかったのです。アプリケーションのデリバリーだけでなく、その環境を維持するためのサービス機能も提供するコンテナ・オーケストレーションが必要でした」

新しいコンテナベースのアプリケーション・プラットフォームは、エンタープライズおよびコミュニティのオープンソース・テクノロジーを使用

コンテナテクノロジーのテストと PoC (概念実証) を実行後、フォードは、コンテナを本番環境で稼働させ、革新的な試験を支援する、商用サポート付きオープンソース・ソリューションを提供する企業パートナーを探し始めました。

「当社の IT 環境および製品には、数種類のオープンソース・テクノロジーが使用されています。今後さらにオープンソースを使用して、貢献度を高めるようになりたいと考えています。そうすると、コミュニティの他の誰かが当社の成果にさらに改善を加えることにつながるでしょう」と、Presnell 氏は語ります。「しかし、当社には、業界で広く知られ、適切に設計されたエンタープライズ製品を備えたコンテナ・プラットフォームが必要でした」

過去に Kubernetes を使用した経験があったことから、フォードは CoreOS Tectonic を導入しました。その後 Red Hat が CoreOS を買収した際、フォードは、Red Hat OpenShift Container Platform に移行しました。これは、新しい自動化機能とセキュリティ機能で CoreOS 製品の強みをさらに強化するソリューションです。Red Hat Enterprise Linux® をベースに構築された OpenShift Container Platform は、スケーラブルで一元的な Kubernetes によるアプリケーション・プラットフォームを提供し、クラウド・インフラストラクチャ全体でコンテナ・アプリケーションの開発、デプロイ、管理を、より迅速かつ信頼性に優れた方法で行えるよう支援します。

同社はさらに Red Hat Quay を実装することで、同社のコンテナイメージすべてをホストおよび保護する一元的レジストリを作成し、セキュリティ保護された API ベースのアクセスをパートナーやその他のサードパーティへ提供できるようにしました。 

「Red Hat は、エンジニアリングを重視する世界有数の Linux 企業の 1 つであり、最も重要な Linux ディストリビューションの 1 つを生み出した企業です」と、Presnell 氏は語ります。「Red Hat は Kubernetes コミュニティの 2 番目に大きなコントリビューターです。卓越した技術力に加えて、エンタープライズ品質のサービスを提供することを重視しています」

フォードはまた、ハイブリッドクラウド向けのデータおよび人工知能 (AI) プラットフォームである Open Data Hub から、OpenID をベースとする ID 認証サービスの Dex に至るまで、Red Hat がコントリビューターとして開発に参加しているオープンソース・テクノロジーを複数導入しています。

移行にあたり、フォードは Red Hat コンサルティングと緊密に連携し、データベースやメッセージングシステム、在庫システム、API マネージャーなど、100 以上のバックエンドおよびディーラー向けのステートフル・アプリケーションをサポートする環境を作成しました。OpenShift の本稼働を開始した後、フォードはさらに Red Hat 認定の Kubernetes セキュリティ・ソリューションである Sysdig Secure と Sysdig Monitor も導入し、OpenShift の開発および本番環境の可視性と保護を強化しました。

先進的な自動車開発に OpenShift を使用し、顧客へのサービス提供のためにデジタル・テクノロジーを活用したことによって成功を収めたフォードは、2020 Red Hat Innovation Award を受賞しました。

パフォーマンスとセキュリティの向上により、より効率的なサービス提供およびパートナーとの連携を実現

開発者の生産性を大幅に向上

フォードは OpenShift Container Platform を使用し、アプリケーション開発環境とコンプライアンス分析を一元化および標準化することで、一貫したマルチクラウドのエクスペリエンスを提供するとともに、市場投入時間の短縮を実現しました。たとえば、OpenShift の自動化機能により、新しいクラスタのデプロイが迅速化されています。 

さらに、従来のウォーターフォール型アプローチから、反復的な DevOps プロセスと継続的インテグレーションおよびデリバリー (CI/CD) のワークフローへと移行したことで、こうした改善はさらに強化されています。

現在、ステートフルワークロード向けの一部のプロセスでは所要時間が数カ月から数分へと短縮されたほか、セルフサービスのプロビジョニング機能により、開発者は基盤となるインフラストラクチャの準備に労力を割く必要がなくなりました。これらの改善はフォードの IT ホスティングでも効果を発揮し、CaaS サポートの生産性が大幅に向上しています。フォードのマルチテナント型 OpenShift 環境を通じて、ディーラーとプラントオペレーターは新しい機能、修正、更新をより迅速に利用できるようになりました。

「OpenShift を使用すると、データセンター内または主要なクラウドプロバイダーへのアプリケーションやサービスのデプロイに再利用できる共通のフレームワークが得られます」と Presnell 氏は語ります。「今では、より安全で信頼性の高い方法で機能を提供できるようになりました」

エンタープライズ・コンテナとモニタリング・テクノロジーによるセキュリティとコンプライアンスの強化

自動車業界の企業は、PCI データセキュリティスタンダード (PCI DSS) や個人データ保護基準など、さまざまなセキュリティ基準や規制に準拠する必要があります。新しいコンテナ・プラットフォームの構築にあたり、フォードはパートナーや開発者へのアクセスの提供と、脆弱性やアップデートへの確実な対処、および DevSecOps アプローチ の将来の導入に向けた取り組みとのバランスを取ろうとしました。

「コンテナ環境では、アプリケーションとコードを継続的に移動するため、コンテナを作成する時点からセキュリティ機能を自動的に組み込む必要があります」と、Sysdig の製品担当バイスプレジデント、Payal Chakravarty 氏は語ります。「Sysdig は、CI/CD パイプラインでリアルタイムの脆弱性管理を提供します。本番環境での公開前にコードを分析し、問題を特定するためのセキュリティチェックが実施されています」

このアプローチをサポートするため、フォードは Red Hat Quay を使用し、Red Hat のコンテナイメージとレジストリを標準化しました。OpenShift は、フォードのインフラストラクチャ全体にわたり統合された管理インタフェースと、組み込みの Security Enhanced Linux (SELinux) 機能を提供します。

また、さらなるセキュリティ強化支援として、Sysdig Secure と Sysdig Monitor が、データに基づく方法でコンテナ・インフラストラクチャに関するより詳細な知見を提供し、OpenShift 稼働時のコンプライアンス遵守を支援します。「Sysdig は、コンテナのネットワーク・アクティビティについて示し、単一のホストで実行されている複数のコンテナの保護を支援し、継続的な監視とアラートを提供します」と、Puranam 氏は語ります。

ハードウェアのコストが大幅に低下

コンテナベースのアプローチに移行すると、ハードウェアへの初期投資が少なく済みます。また、フォードは今後も引き続きレガシーアプリケーションをモダナイズして移行することで、継続的な節約を目指します。フォードは、ベアメタル上で OpenShift を実行し、既存のハードウェアをより効果的に使用することで、ハードウェア占有スペースの効率を向上しました。

「OpenShift の初期実装には、データセンターから廃棄されて処分待ちとなっていたハードウェアを使用できました。そのハードウェアを元に戻し、今はそこで OpenShift を正常に本稼働しています」と Puranam 氏は語ります。

コストを管理して利益率を高めるためのアプローチを確立することにより、フォードはリソースをより価値の高いプロジェクトに再配分し、新たなビジネスチャンスにすばやく対応できるようになりました。

OpenShift および DevOps 導入の成功が、新たなイノベーションを起こすための基盤となる

フォードでは、OpenShift をベースとするアプリケーションとサービスに対する需要の大幅増加をすでに経験しており、今後数年以内に、オンプレミスのレガシー・デプロイメントの大部分の移行を完了することを目標にしています。 

また、フォードは同社のコンテナ・プラットフォーム環境を使用して、ビッグデータ、モビリティ、機械学習、AI などの分野におけるビジネスチャンスを捉え、高品質でタイムリーなサービスを世界中の顧客に提供し続ける方法も模索しています。

「Kubernetes と OpenShift を導入したことで、私たちは問題に対する考え方を変える必要がありました。なぜなら、新しいビジネスの課題は、従来のアプローチでは解決できないからです。… イノベーション、そして絶え間ない探求と問いかけこそが、私たちが未来へと進んで行くための唯一の道なのです」と、Pranam 氏は語ります。「長い道のりですが、良いスタートが切れたと思います。Red Hat と Sysdig という優れたパートナーを得たことで、今では将来の成功へ向けた準備をできています」

フォード・モーター・カンパニーについて

フォード・モーター・カンパニーは、米国ミシガン州ディアボーンを拠点とするグローバル企業です。同社は、フォードのすべての自動車、トラック、SUV、電動車両、および「リンカーン」ブランドの高級車の設計、製造、販売、修理を行い、電動化、自動運転サービスを含むモビリティ・ソリューション、およびコネクテッドサービス分野におけるリーダーシップを追求しています。また、フォード・モーター・クレジット・カンパニーを通じて金融サービスを提供しています。フォードの従業員数は、全世界で約 190,000 人に上ります。フォード、フォードの製品、およびフォード・モーター・クレジット・カンパニーの詳細は、www.corporate.ford.com をご覧ください。