[マサチューセッツ州ボストン -RED HAT SUMMIT- 2025年5月20日(現地時間)発表] アメリカ報道発表資料抄訳
オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat Inc.(以下、Red Hat)およびAMD (NASDAQ: AMD)は本日、AI機能の促進と仮想化基盤を最適化のため、戦略的協力関係を強化すると発表しました。この関係強化により、Red HatとAMDは、最適化された効率的なAIモデルの導入から、従来の仮想マシン(VM)のコスト効率向上のための最新化まで選択肢を拡大します。
Red Hatの業界をリードするオープンソースプラットフォームと、世界トップクラスのAMD Instinct GPUおよびAMD EPYC CPUを統合することで、AI、仮想化、ハイブリッドクラウドのイノベーションを加速するために求められるパフォーマンスと効率性を提供できるようになります
AIの導入によって、ワークロードの需要と多様性が高まり続けています。そのため、組織はこの高まる要件を満たす機能とリソースを備える必要があります。ところが平均的なデータセンターは主に従来のITシステムに特化しており、AIのような集中的なワークロードをサポートできる余裕がほとんどありません。そこでRed HatとAMDが協力し、Red Hatの業界を牽引するオープンソース・ソリューションの力をAMD高性能コンピューティングアーキテクチャの包括的なポートフォリオに統合することで、ニーズに応えます。
AMD とRed Hat:より効果的な生成AIの推進
Red HatとAMDは Red Hat AI の力をAMD x86ベースプロセッサとGPUアーキテクチャのAMDポートフォリオに組み合わせることで、AI対応のワークロードに向けて最適化され、コスト効率が高く、本番環境に対応した業務環境をサポートします。
AMD Instinct GPU は現在、Red Hat OpenShift AI上で完全に有効化され、ハイブリッドクラウド全体にわたるAI導入に必要な高性能の処理能力を、過度なリソース要件なしで提供が可能です。さらに、Red Hat とAMDは、AMD Instinct MI300X GPU と Red Hat Enterprise Linux AIを、Microsoft Azure ND MI300X v5 上でテストを実施しました。その結果、単一VM上の複数の GPUに展開された小規模言語モデル(SLM)と大規模言語モデル(LLM)をスケーリングするAI推論の実証に成功しました。これにより、複数のVMに展開する必要性が減少し、パフォーマンスコストも削減します。
今後さらにパフォーマンスを加速して各機能を調整するために、Red HatとAMDは、vLLM(仮想化大規模言語モデル)コミュニティ のアップストリームで協働を進め、より効率的なAI推論の促進に努めます。Red HatとAMDは次の成果を提供します。
- AMD GPUのパフォーマンス向上:AMDカーネルライブラリをアップストリーム化しTritonカーネルや FP8といったコンポーネントを最適化することで、Red Hatと AMDは推論パフォーマンスを高密度モデルと量子化モデルの双方で向上させ、AMD Instinct MI300X アクセラレータ上でのvLLM実行の速度と効率性を高めます。
- マルチGPUサポートの強化: 集合的通信を改善し、マルチGPUワークロードを最適化することで、スケーラブルでエネルギー効率の良いAI導入が可能になります。これは複数GPUにわたる分散コンピューティングを必要とするワークロードで特に利点が多く、ボトルネックを減らし、全体的なスループットを向上できます。
- vLLMエコシステムのエンゲージメントを拡大: Red Hat、AMDそしてIBMなどの業界リーダーとの相互協力により、アップストリームの開発を加速させます。また、vLLMプロジェクトと AMD GPU最適化の両方が継続的に改善されるため、AI推論とトレーニングにAMDハードウェアを利用する vLLMユーザーにさらなるメリットをもたらします。
vLLM コミュニティ内におけるコラボレーションによって、AMD Instinct GPUsは Red Hat AI Inference Serverをサポートします。Red Hat AI Inference Serverは、Red Hatの企業グレードの vLLMディストリビューションであり、すぐに利用できて強力で信頼性の高い、スケーラブルなAI推論サーバーです。Red Hatは、vLLMのトップ商用コントリビューターとして 、組織が選択したAMD Instinct GPUなどのハードウェアにvLLMを導入する際の互換性確保に尽力しています。AMD Instinct GPUでvLLM を実行することで、組織は検証済み、テスト済みのGPU ハードウェア上にあらゆるオープンソースAIを導入して、優れた最適化とパフォーマンスを実現できます。
AMD EPYC™ CPUはエンドツーエンドのAIパフォーマンスも実現するため、GPU対応システムに最適です。これにより、もっとも要求の厳しいAIワークロードにおいても、各GPU サーバーのパフォーマンスと ROIを向上させることができます。
近代的なデータセンターへの移行
既存のデータセンターのフットプリントを最適化することで、組織がより効率的かつ簡単にリソースに再投資できるため、AIイノベーションを実現できます。Red Hat OpenShiftの機能に含まれるRed Hat OpenShift Virtualizationが合理的な方法を提供するため、組織のVMワークロード移行作業を、クラウドネイティブ・アプリケーション・プラットフォームによる簡素性とスピードとともに実行できます。Red Hat OpenShift Virtualizationは、 AMD EPYC プロセッサ に関して検証済みであり、ハイブリッドクラウド上の必要な場所でAMD EPYCプロセッサの優れたパフォーマンスと電力効率を活用しながら、クラウドネイティブを実現する取り組みを維持できます。
AMD EPYC CPU上のRed Hat OpenShift Virtualizationは、Dell PowerEdge、HPE ProLiant、および Lenovo ThinkSystem製品の主要サーバー上でのアプリケーション導入を、企業が最適化できるよう支援します。既存のデータセンターの革新を行う際に、Red Hat OpenShift Virtualizationがオンプレミス、パブリッククラウド、またはハイブリッドクラウド全体にわたり、VMとコンテナ化されたアプリケーションの統合を提供します。これにより高いインフラ統合率を実現し、ハードウェア、ソフトウェアライセンス、エネルギー面での総所有コスト(TCO)を大幅に削減できます。また、ITチームには、現在の重要なワークロードをより効率的に管理できると同時に、リソースとエネルギーを、現在および今後のAIワークロードにも投入できるメリットを提供します。
Red Hat Summit
Red Hat Summit の基調講演に参加して、Red Hat のエグゼクティブ、お客様、パートナーからの最新情報をお聞きください。
- Modernized infrastructure meets enterprise-ready AI(近代化されたインフラストラクチャ―とエンタープライズ対応のAI)— 5月20日(火)、東部夏時間午前8時~10時 (YouTube)
- Hybrid cloud evolves to deliver enterprise innovation (ハイブリッドクラウドの進化が企業のイノベーションを実現)— 5月21日(水)、東部夏時間午前8時~9時30分 (YouTube)
サポートコメント
Red Hatシニア製品統括バイスプレジデント Ashesh Badani(アシェシュ・バダニ)
「AIのメリットを最大限実現するために、組織は需要の拡大という難問に対応しながら、ITフットプリントを最適化できる選択肢と柔軟性を備える必要があります。Red HatとAMDが協力関係をさらに深めることで、高性能CPUアーキテクチャと仮想化プラットフォームに対する既存投資のモダナイズから、次世代ハードウェアアクセレレータとオープンソースAI技術を活用した AI実用化の準備に至るまで、進化を続ける未来に向けてIT環境を整えようとしている組織に、幅広い選択肢を提供します」
AMDエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼最高商務責任者 Philip Guido(フィリップ・グイド)氏
「企業のお客様のワークロードが多様化し、要求が厳しくなるにつれて、拡張可能なソリューションが必要になっています。Red Hatの業界をリードするオープンソースプラットフォームと、世界トップクラスのAMD Instinct GPUおよびAMD EPYC CPUを統合することで、AI、仮想化、ハイブリッドクラウドのイノベーションを加速するために求められるパフォーマンスと効率性を提供できるようになります」
その他のリソース
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