オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat, Inc.の日本法人であるレッドハット株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:岡 玄樹、以下 レッドハット)は本日、株式会社スクウェア・エニックス(所在地:東京都新宿区、代表取締役社長 :松田 洋祐、以下 スクウェア・エニックス)が、同社の運営する『ドラゴンクエストX オンライン』サーバーシステムの標準OSとしてRed Hat Enterprise Linux(以下 RHEL)を採用したことを発表しました。
スクウェア・エニックス・グループは、世界のエンタテインメント・コンテンツ/サービスの集積地である日本、アメリカ、ヨーロッパ等に事業拠点を置き、デジタルエンタテインメント、アミューズメント、出版、ライツ・プロパティ等の4つの領域で事業を展開しています。スクウェア・エニックス、タイトーなどの国際的ブランドの下、グループの強みである自社IP(Intellectual Property:知的財産)を活かし、多様な嗜好をとらえた高品質のエンタテインメント・コンテンツ/サービスを提供しています。
ゲームプラットフォームは、顧客体験や自社の収益に直結する極めてクリティカルなシステムです。スクウェア・エニックスの『ドラゴンクエストX オンライン』インフラチームは、大規模なインフラの管理運用保守の効率化に日々尽力しており、かねてよりコミュニティサポートのLinuxをはじめとしたオープンソースソフトウェアを活用してきました。しかし、MMO(Massively Multiplayer Online)ゲームはお客様の遊びの幅を広げるため度重なるアップデートが必須であり、それに伴うインフラの複雑化や運用負荷の増大が大きな課題となっていました。
オープンソースソフトウェアに関するより深い知識をもって、ユーザー体験を損なう様々な問題により迅速に対応することが求められたインフラチームは、こうした課題に対応するため2016年よりレッドハットのコンサルティングサービスの活用を開始しました。オープンソースソフトウェアのスペシャリストであるレッドハットコンサルタントから、新たな活用方法や運用改善に向けたアドバイスとスキルトランスファーを受けた結果、オープンソースソフトウェアの価値を再認識しチームのスキル向上を実現することができました。
レッドハットコンサルティングを通じてオープンソースソフトウェアの世界観と文化を実感した『ドラゴンクエストX オンライン』インフラチームは、レッドハットとともにこれまで以上にオープンソーステクノロジーをフル活用する方針へと舵を切りました。『ドラゴンクエストX オンライン』のサーバー更改を契機に、コミュニティ版Linuxからレッドハットの数十年にわたるLinuxの専門知識に裏打ちされたRHELへの移行を決定、採用に至りました。本採用によりレッドハットのエンタープライズグレードのプロダクトサポートを受けられるようになったことで、レッドハットのサブスクリプションの価値をフルに活用できるようになり、問題発生時の調査が大幅に迅速化、効率化しました。稼動工数が削減され、人材育成や顧客体験向上に向けた取り組みに一層リソースを振り分けることができるようになりました。
今後、『ドラゴンクエストX オンライン』インフラチームは、RHEL をベースとした新たな取り組みの開始を予定しています。レッドハットのコンサルタントと同社の開発チームが協業し、コンテナを活用したよりモダンで柔軟なアプリケーションビルドやテストフローの確立を図る意向です。同社は、拡大するLinux製品をより適切に管理するため、インフラ管理製品 Red Hat Satellite を採用し、セキュリティ脆弱性問題に対する迅速な対応を実現することを目指しています。Red Hat Satellite は、インフラストラクチャ全体をひとつのコンソールから管理できるので、大規模なシステムの管理とパッチをよりタイムリーに行うのに役立ちます。『ドラゴンクエストX オンライン』インフラチームは、今後も継続的にオープンソースソフトウェアスキルの向上に努めるとともに、RHELの利用領域を拡大してより効率的な運用に取り組んでいきます。
サポートコメント
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス 執行役員/CIO 佐藤 英昭 様
「大規模オンラインゲーム基盤構築においては、OSSを自力で活用し尽くすスタンスで取り組んできており、これまで無償で利用してきたLinuxOSへの投資価値は実感しにくい側面がありました。
一方で、OSSをより深く利用するにつれ、当社エンジニアだけでは解決が難しい壁に直面する機会が増えてきました。
その打開策として「Red Hat Enterprise Linuxの採用」「Linux開発コミュニティへ大きな影響力を持つRed Hatのコンサルタントとの協業」に至った経緯があります。
膨大なナレッジとLinuxカーネル開発者を多数有するRed HatのOSS課題解決力は非常に価値が高いと感じており、継続的にメンバーのスキルアップを図っていきたいと思います。」
株式会社スクウェア・エニックス 『ドラゴンクエストX オンライン』 テクニカルディレクター 西岡 信賢 様
「OSバージョンアップが必要となる中サービスを運営しつつ移行を進めるにあたり旧OSと新OSで同時に同じバイナリで動作をさせるためにコンテナの技術を活用するのが良さそうということになりました。しかし開発チームでは知見がほぼない状況でこまっておりましたが、Red Hatのコンサルタントが我々に基礎から理解できるようなトレーニングを提供してくれました。インフラチームと開発チームが共に共通の技術を理解しながら、よりよいアプリケーションの開発に集中できるように支援してくれています。」
Red Hat, Viju Chakarapany, VP and Head of Commercial Sales - Asia-Pacific and Japan
「日本を代表するMMOの一つ『ドラゴンクエストX オンライン』のサーバーシステムの標準OSにRed Hat Enterprise Linuxが採用されたことを大変光栄に思います。また、世界有数のエンタープライズLinuxプラットフォームとレッドハットのコンサルティング・サービス、パートナーとの組み合わせによって、未来を見据え安定したOS基盤を維持しながら、『ドラゴンクエストX オンライン』のイノベーションのさらなる加速を実現しました。」
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