Red Hat、Red Hat Enterprise Linux最新バージョンでハイブリッドクラウド全体の標準オペレーティング環境を簡素化

オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat, Inc.（以下、Red Hat）は本日、業界トップのエンタープライズLinuxプラットフォームの最新バージョンであるRed Hat Enterprise Linux 9.4の一般提供を発表しました。Red Hat Enterprise Linux 9.4は、AI の導入が進む世界に対し、ハイブリッド・クラウド・コンピューティングの複雑さをより適切に管理するための幅広い新機能と強化された機能を提供します。それには、分散システム向けの標準オペレーティング環境 (SOE) の構築における高度な管理や自動化、プロアクティブなサポートなどが含まれています。

Red HatのパートナーであるDynatraceによる最近の調査によると、組織の88％が過去12か月間でテクノロジースタックがさらに複雑になったと回答しており、半数以上が今後もさらに複雑になり続けると回答しています。オペレーティングシステムの複雑さの急増に対応するには、Linuxプラットフォームをよりアクセスしやすく、管理しやすく、ユーザーフレンドリーにすることが重要であると、Red Hatは考えています。

Red Hat Enterprise Linux 9.4と、これからリリースされるRed Hat Enterprise Linux 8.10は、Linuxを導入しやすくするとともに、増大する需要に対応するためにLinuxをより管理しやすく、スケーラブルにするというRed Hatの継続的な取り組みを示すものです。

Red Hat Insightsにプロアクティブなガイダンスを導入

基礎的なITテクノロジーを標準化すれば、チームがさまざまな環境で同じスキル、ワークフロー、ツール、コマンドを使用できるため、効果的に戦力を増強することができます。しかし、SOEの構築や維持は簡単なことではありません。そこで、Red Hat Insights Image Builderのアップデートが役に立ちます。

近日中に利用可能になるInsightsは、Red Hat Enterprise Linuxに基づいてSOEイメージを作成する際の推奨事項と情報をプロアクティブに提供します。また、選択したパッケージを分析して、関連する適切なパッケージも含めることを推奨したり、現在選択されているリポジトリで利用できないパッケージを見つけたりするのに役立ちます。また、Insights Image Builderは、Red Hat Enterprise Linuxバージョンに関連するライフサイクル情報を強調して表示するため、システム管理者と運用チームは今後のライフサイクルのマイルストーンを認識し、アップグレードを準備できるようになります。

さらに、Red Hat Hybrid Cloud Consoleの仮想アシスタントは、ユーザーがRed Hat Enterprise Linuxイメージを作成したり、カスタムコンテンツを有効にしたり、サポートされているクラウドプロバイダーでRed Hat Enterprise Linuxイメージを起動したりする際のガイドを行うこともできます。

自動化によってLinuxへのハードルを引き下げる

運用チームのツールボックスにおいて、自動化がさらに重要な部分を占めるようになっており、Red Hat Enterprise Linux 9.4は、自動化を最新のLinuxプラットフォームの不可欠な部分にするというRed Hatの継続的な取り組みを示すものになっています。9.4では、Red Hat Enterprise Linuxのシステムロールである、一般的な管理タスクの設定と起動に役立つ、デプロイ対応のAnsible Content Collectionsがさらに拡張されています。新しいシステムロール関連の機能には次のものが含まれます。

• rpm-ostreeによるエッジでのシステムロールで、ユーザーは製品対応のコンテナワークロードをデプロイするためのPodmanなど、エッジでのオペレーティング・システム・レベルのタスクを自動化できます。
• fapolicydシステムロールは、大規模なアプリケーション実行の許可または拒否を自動化して、潜在的な侵害のエスカレーションにおける人的ミスの可能性を排除します。
• 管理者が論理ボリュームマネージャー（LVM）ストレージボリュームのポイント・イン・タイム・スナップショットを作成および管理するためのスナップショット・システムロールによって、バックアップおよびリカバリのソリューションを再現可能かつ予測できる方法で大規模に高速化できます。
• カーネルコマンドライン自体の構成をサポートするブートローダーのシステムロールは、大規模な Linux システムの一貫性と管理の向上に役立ちます。

ハードウェアエコシステムを拡大

ハードウェア・アーキテクチャ・レベルから始まるハイブリッドクラウドの基本的な要素として、多様な選択肢があげられます。Red Hatは、幅広いハードウェアエコシステムのオプションの提供に取り組み続けており、Red Hat Enterprise Linux 9.4の一般提供によって、Arm® アーキテクチャの完全なサポートを提供するようになりました。以前のテクノロジープレビューでは、64kページサイズのRed Hat Enterprise Linux 9.4 Arm 64ゲストを実行する、Arm 64ベースサーバープラットフォームホストのサポートが提供されるようになっています。

ご利用について

Red Hat Enterprise Linux 9.4は現在、Red Hatカスタマーポータル経由で既存のRed Hatのお客様に提供されています。Red Hat Enterprise Linux 8.10は、今後数週間以内にカスタマーポータルからも入手できる予定です。

サポートコメント

Red Hat　Red Hat Enterprise Linuxバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー　Gunnar Hellekson（ガナー・ヘレクソン）
「Linuxはもはやカーネルやコマンドラインだけのことではなく、特にテクノロジー企業がハイブリッドクラウド全体に拡大するにつれて、プラットフォームをよりアクセスしやすく、管理しやすく、応答しやすくするためのものとなっています。AIワークロードの可能性を探る場合でも、単に既存のリソースを最適化しようとする場合でも、Red Hat Enterprise Linuxの最新リリースは、既存のスキルとツールを最大限に活用しながら、複雑性を解消し、効率を向上させるのに役立ちます。」

その他のリソース

• Red Hat Enterprise Linux 9.4をダウンロード (サブスクリプションが必要)
• Red Hat Enterprise Linux 9.4のドキュメントを見つける
• Red Hat Enterprise Linux 9.4のリリースノートを読む