Red Hat、Red Hat Enterprise Linuxの最新リリースを提供開始

Red Hat Enterprise Linux 9.2と8.8は、ハイブリッドクラウドにおけるLinuxの自動化を促進。ITスキルギャップの解消、運用の一貫性の向上、クラウド規模でのイノベーションの拡張を支援

東京 -

[ノースカロライナ州ローリー 2023年5月10日(現地時間)発表] アメリカ報道発表資料抄訳

オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat, Inc.は本日、Red Hat Enterprise Linux 9.2の一般提供開始と、Red Hat Enterprise Linux 8.8の近日提供開始を発表しました。これらの新リリースは、データセンターからパブリッククラウド、エッジのデプロイメントまで、ハイブリッドクラウドにおける複雑なLinuxプラットフォームタスクを簡素化・合理化し、ITチームが人員やスキル不足を克服して重要なインフラストラクチャ分野の効率を向上させるためのRed Hatの取り組みをさらに強化するものです。

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世界をリードするエンタープライズLinuxプラットフォームの最新版は、ITチームがハイブリッドクラウド全体に手を広げられるように自動化を強化すると同時に、コンテナ、新しいハードウェア・アーキテクチャを問わず、イノベーションを受け入れやすくしています。

ガナー・ヘレクソン

Red Hat Red Hat Enterprise Linux担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー

IDCのレポート「Worldwide Server Operating System Environments Forecast, 2022-2026: The Public Cloud Shifts the OSE Market into Overdrive(サーバーOS環境(OSE)の世界市場の予測(2022年~2026年):パブリッククラウドがOSE市場を活性化)1」によると、ハイブリッドクラウド(物理、仮想、クラウドのデプロイメント)においてLinuxオペレーティングシステム環境は2021年の78%から2026年には82%に成長するとされています。Red Hatにとって、このことは、包括的なLinuxインフラストラクチャのスキルと機能の必要性がなくなるだけでなく、これらの環境が複雑化するにつれて、ますます重要になることを示しています。

あらゆる場所でLinuxの自動化

Red Hat Enterprise Linux 9.2と8.8は、一般的な管理タスクを自動化することで、規模に応じた一貫性と効率性をもたらすのに役立つRed Hat Enterprise Linux固有のAnsibleコンテンツであるシステムロールの機能を引き続き拡張します。これは、Microsoft SQL Serverから仮想プライベートネットワーク(VPN)まで、多くの一般的なLinuxロールを、初歩的なLinuxの知識で簡単に構成、認証、デプロイできることを意味します。また、システムロールは、自動化された機能により、これらの機能の再構成が容易になるため、アップグレードの際の混乱が少なくなり、将来に向けたデプロイメントが可能になります。

最新のリリースでは、Linuxプラットフォーム上でコンテナを開発、管理、実行するためのRed HatのツールであるPodman用のRed Hat Enterprise Linuxシステムロールが追加され、これらのロールが拡張されています。通常、Podmanインスタンスの作成にはコマンドラインの知識が必要ですが、このシステムロールにより、管理者は特定の環境に適合する構成を自動化することができます。これには、Red Hat Enterprise Linuxホストにあらかじめ統合されたリリース可能なコンテナ・ワークロードをデプロイする機能も含まれており、Linux管理者がコンテナ・インフラストラクチャを維持するスキルを拡張できるようにします。

Red Hat Enterprise Linuxシステムロールの追加アップデートには、Microsoft SQL ServerとMicrosoft Active Directoryに関する拡張機能が含まれます。これには、SQL Server/Active Directory認証の自動化、Always-On可用性グループのサポート、SQL Server 2022のサポートが含まれます。

ハイブリッドクラウドにおける運用の一貫性

Red Hat Enterprise Linuxは、イメージビルダーを通じて、ハイブリッドクラウド運用を単一の「ゴールド」オペレーティングシステム標準に基づくものとするIT組織を支援します。イメージビルダーは、システムセキュリティとコンプライアンスのための包括的なITコントロールとポリシーの遵守を維持しながら、パブリッククラウドからエッジまで、様々な環境に最適化された、標準オペレーティングシステムイメージの作成を簡素化します。Red Hat Enterprise Linux 9.2と8.8の新機能として、作成したイメージに組織固有のセキュリティポリシーを含めることができます。例えば、所定のOpenSCAPセキュリティプロファイルで定義されたセキュリティポリシーや、より安全にエッジデバイスをプロビジョニングするためのポリシーなどです。

また、イメージビルダーは、データセンターの内外でRed Hat Enterprise Linuxブループリントの作成と共有もサポートするようになりました。ブループリントは、特定の標準オペレーティングシステムイメージのフレームワークを提供し、それをイメージビルダーが仕様として消費することができます。このため、切断されたまたはエアギャップされたLinuxシステムであっても、内部のイメージ標準化を推進することができます。また、ITチームはこの機能を利用して、パートナー、エンドユーザー、オープンソース・コミュニティと、独自の課題に対応するLinux構成に関する外部コラボレーションを推進することができます。

イメージビルダー以外にも、Red Hat Enterprise Linuxウェブコンソールは、ハイブリッドクラウドにおけるITセキュリティとコンプライアンスポリシーの実施をさらに促進します。このコンソールにより、管理者は直感的なブラウザ・インタフェースから様々な構成や管理タスクを実行することができます。

このウェブコンソールには、ネットワーク・バウンド・ディスク暗号化(NBDE)を使用してルートファイルシステム上で自動暗号化ディスクロック解除を構成する機能が追加されました。従来はコマンドラインパラメータの専門知識が必要でしたが、この機能により、より幅広いLinuxスキルをお持ちの方にご利用いただけるようになりました。また、管理者はウェブコンソールを使用して、システム全体の暗号化ポリシーの使用頻度の高い組み合わせを選択できるようになり、関連するすべてのシステムを様々なコンプライアンスや組織固有のニーズに合わせて維持できるようになりました。

コンテナ型イノベーションを促進

コンテナ化されたアプリケーションは、ソフトウェア・イノベーションの新たな波の大部分を支えるため、IT組織は、指数関数的に増加する規模でコンテナを管理・維持する必要があります。Red Hat Enterprise Linux 9.2と8.8には、潜在的なコンテナの乱立に秩序をもたらすためのPodmanの機能強化が含まれており、手動と自動ワークフローの一部の両方でコンテナ作成イベントを追跡する機能から始まります。これにより、特に定期的な監査が必要な環境において、システムアクティビティの全容を把握することができます。

また、Podmanはカスタムコンテナ健全性チェックにも対応しており、IT管理者はコンテナが不健全になった場合の修復と緩和を自動化することができます。これにより、リモート環境やエッジ環境にあるコンテナ化されたアプリケーションは、たとえ接続が断続的であっても、一元的な運用との一貫性を維持することができます。

アーキテクチャの選択肢の拡大

Red Hat Enterprise Linuxの最新版では、Armアーキテクチャの64kページサイズのサポートが追加され、Red Hatのお客様にはArmベースの認定ハードウェアがさらに幅広く提供されるようになりました。このハードウェアオプションの拡張セットにより、メモリー集約型のワークロードを実行する場合でも、組織は固有のニーズに最も適した基礎アーキテクチャが選択しやすくなります。

強化されたRed Hat Enterprise Linuxライフサイクル提供

Red Hatは、Red Hat Enterprise Linuxのサポートライフサイクルに関して、お客様のニーズに耳を傾け続けています。IT組織は、サポートされるエンタープライズLinuxに対して2つの新しいライフサイクル管理オプションを利用できるようになりました。

  • Enhanced Extended Update Supportは、Red Hat Enterprise Linux 9以降で利用可能で、各マイナーアップデートの一般提供開始から最長4年間、システムにソフトウェアアップデートを受ける権利があります。

  • Red Hat Enterprise Linux 7 Extended Lifecycle Support(ELS)は、Red Hat Enterprise Linux 7.9で利用可能になり、10年間のRed Hat Enterprise Linux 7のライフサイクルの保守終了後、継続してサポートを提供します。延長ライフサイクル期間は、2024年7月1日から2026年6月30日までです。Red Hatは、この延長サポート提供を利用して、Red Hat Enterprise Linux 8または9への移行を計画することをお客様に推奨しており、これは、既存のサブスクリプションの一部として行うことができます。

今後の予定

既存のRed Hat Enterprise Linuxのサブスクリプション契約を結んでいるお客様は、Red Hat Customer PortalからEnterprise Linux 9.2をダウンロードできます。

サポートコメント

Red Hat Red Hat Enterprise Linux担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー ガナー・ヘレクソン
「ハイブリッドクラウドにおいて、Linuxはますます複雑化する運用の基盤を形成しており、IT組織が新たなスキルやリソースを追加することなく運用を拡張できることは極めて重要です。世界をリードするエンタープライズLinuxプラットフォームの最新版は、ITチームがハイブリッドクラウド全体に手を広げられるように自動化を強化すると同時に、コンテナ、新しいハードウェア・アーキテクチャを問わず、イノベーションを受け入れやすくしています。」

1  IDCの「Worldwide Server Operating System Environments Forecast, 2022-2026: The Public Cloud Shifts the OSE Market into Overdrive」(IDC #US49426022、2022年7月)より

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