オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするレッドハット株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長、三浦 美穂、以下 レッドハット)は本日、Red Hat APAC Innovation Awards 2025の日本における受賞企業を発表しました。今年は、オープンソース技術を先進的に活用し、イノベーションの加速、業務変革の実現、そして持続的なビジネス成果の創出に貢献した企業として、JRAシステムサービス株式会社、株式会社日立製作所、楽天銀行株式会社が表彰されました。
2025年現在、AI導入は実証実験の段階を超え、企業はより明確なビジネス成果の創出へと注力し始めています。Red HatおよびIntelの支援によりIDC(International Data Corporation)が実施した調査によると、2030年までにAIは世界で19.9兆米ドルの経済価値を生み出し、世界のGDPの3.5%を占めると予測されています。こうした成長は、AIを業務プロセスに深く統合し、効率化や新たな収益機会の創出に取り組む企業によって牽引されると見込まれています。
今後の競争優位性を左右するのは、AIの本格導入とあわせて、オープンソースをどのように活用し、AIの潜在力を最大化するかにあります。オープンソースの柔軟性と拡張性を活かすことで、企業はアジリティとスケーラビリティを確保しつつ、継続的かつ持続可能な価値創出を実現できます。また、ローカルの文脈やビジネス要件に最適化された小規模なオープンソースAIモデルの台頭により、現在の技術と将来の可能性をつなぐ新たな道が開かれています。これにより、人間の専門性をさらに強化しながら、変革を加速することが可能になります。
今年のテーマ「Unlock what’s next(次の可能性を解き放て)」を体現する Red Hat APAC Innovation Awards 2025は、こうしたトレンドを具体的な成果へとつなげているお客様を称えるものです。本アワードでは、Red Hatのオープンソース技術を創造的に活用し、イノベーションの創出、競争力の強化、ステークホルダーへの継続的な価値創出を実現しているアジア太平洋地域の30の企業・団体が表彰されます。
これらの受賞企業は、オープンソースが企業にもたらす可能性の再定義、高度化・複雑化する環境への柔軟な対応、進化する市場環境における新たなビジネス機会の獲得において、いかに重要な役割を果たしているかを示しています。変化の激しいビジネス環境において、未来の競争力を確立するうえでの先進的な取り組みが評価されています。
アワードは以下の5つのカテゴリーで構成されています:
デジタル・トランスフォーメーション、ハイブリッドクラウド・インフラストラクチャ、クラウドネイティブ開発、自動化、そして今年新たに加わった AI and Emerging Tech です。
受賞カテゴリー: クラウドネイティブ開発
受賞企業: JRAシステムサービス株式会社
JRAシステムサービス株式会社(以下 JRASS)は、日本中央競馬会(JRA)のシステム子会社として、中央競馬に関連する多様なシステムの開発、運用および保守を担っています。JRASSは、JRA公式ウェブサイトのアプリケーションプラットフォームに「Red Hat OpenShift Platform」(以下 OpenShift)を採用しました。
JRA公式ウェブサイトへのアクセスは、中央競馬が開催される土日に集中し、平日と比べて大きく変動します。アクセスの偏りは、インフラリソースに大きな負荷を与えるためその最適化は長年の課題でしたが、OpenShiftのオートスケーリング機能により、需要に応じてリソースを柔軟かつ効率的に最適化できるようになり、安定したサービスの提供が可能になりました。また、OpenShiftによるコンテナ化を通じてセキュリティの強化やアプリケーションのデリバリースピードの向上も実現しました。
豊富な機能を備え、洗練されたGUIを低コストで提供できるOpenShiftと、レッドハットのエンタープライズレベルの豊富な知見を活かしたコンサルティング支援により、柔軟で効率的なアーキテクチャを構築しました。JRASSはOpenShiftを基盤としたシステム運用を通じて、将来のビジネス環境の変化に迅速かつ的確に対応し、中央競馬ファンに向け今後も安定した情報提供に取り組んでいきます。
受賞カテゴリー: AI & Emerging Tech、デジタル・トランスフォーメーション
受賞企業: 株式会社日立製作所
株式会社日立製作所(日立)は、全社的なデジタル・トランスフォーメーションを加速するため、2024年10月に「Red Hat OpenShift AI 」(以下 OpenShift AI)を活用して社内AIプラットフォームを構築しました。この全社的な統制のとれたAIプラットフォームにより情報技術(IT)と運用技術(OT)の両領域にまたがる、日立で進行中の250を超えるプロジェクトの基盤として機能するようになりました。
OpenShift AI は、AI/MLモデルの開発・運用・デプロイをハイブリッドクラウド環境で効率的に行うためのエンタープライズ向けAIプラットフォームです。今回の採用により、コールセンター業務の効率向上、重要システムの開発の加速、全社的なコラボレーションの強化といった成果を出しています。レッドハットのエンタープライズグレードのサポート、実証済みの信頼性、エキスパートによるガイダンスの提供により、日立は自信をもってAI主導のデジタル・トランスフォーメーションを推進できるようになりました。
現在このプラットフォームは社内業務に利用されていますが、日立はこの成功を、エコシステム全体におけるAIの飛躍的な成長の基盤と位置付けており、ビジネス開発においてRed Hat OpenShift AIを社外で活用する可能性を模索しています。
受賞カテゴリー: デジタル・トランスフォーメーション
受賞企業: 楽天銀行株式会社
楽天銀行株式会社(以下、楽天銀行)は、日本最大級のデジタルバンクであり、楽天グループの一員として多彩な金融サービスを提供しています。
楽天銀行ではIT戦略の重要な柱として複数の取り組みを推進しています。
楽天銀行はこの取り組みの中で、将来のテクノロジーアーキテクチャ検討、プラットフォームエンジニアリングおよびアジャイル開発の導入において、Red Hat Consultingの支援によりプロジェクトの推進力を強化しました。
Red Hatの専門性の高いサポートが寄与し、楽天銀行ではより柔軟で効率的な技術基盤の構築と継続的な改善検討が可能となり、サービスの品質向上にもつながりました。
サポートコメント
Red Hat アジア太平洋地域担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー マ リエット・アンドリーセ
「アジア太平洋地域における変化のスピードは今後も加速が見込まれており、特にAIがビジネス変革の原動力として定着しつつあります。こうした環境下においても、お客様はオープンソース技術を巧みに活用し、イノベーションを実現しながら、着実な成果を上げています。
Red Hat APAC Innovation Awards 2025 は、そうした取り組みを讃える場であり、お客様が “Unlock what’s next” を体現し、創造性、レジリエンス、そしてビジネスへのインパクトをもって未来を切り拓いている姿を広く発信する機会となります」
株式会社JRAシステムサービス システム 開発部 上席調査役 小城 新二 様
「安全・安心・安定稼働が強く求められるミッションクリティカルなシステムである JRA公式ウェブサイト において、Red Hat OpenShift が採用されたこと大変嬉しく思います。OpenShift は、単なるKubernetesの代替ではなく、エンタープライズに求められる機能を包括的に備えたプラットフォームソリューションです。
直感的な操作が可能な OpenShift Console により、クラスタやアプリケーション、リソースの状態を一元的に管理できるだけでなく、運用効率の大幅な向上を実現します。さらに、セキュリティやガバナンスを強化しつつ、開発チームの俊敏性とスピード感を押し上げることで、ユーザーに対してより信頼性の高いサービスを提供できると確信しています」
株式会社日立製作所 AI CoE Generative AIセンター本部長 兼 Chief AI Transformation Officer 吉田 順 様
「日立は、全社的な生成AI基盤でのRed Hat OpenShift AIの活用を含めて社内での本格的な生成AI・AIエージェントの活用を進めており、内部利用で獲得したナレッジを元にお客様の業務での生成AI・AIエージェントの活用の支援を開始しております。
オープンな先進技術の本格利用を開始するにあたり、Red Hatとのコラボレーションは成功の鍵となりました」
楽天銀行株式会社 常務執行役員 データインテリジェンス本部担当役員 兼 システム本部担当役員 兼 システム本部長 早川 一 様
「楽天銀行は『安心・安全で最も便利な銀行』を目指し、テクノロジーを活用した価値提供に日々取り組んできました。社会全体のデジタルシフトや金融市場の変化を背景に、サービスの高度化と強靭な事業基盤づくりが求められています。Red Hatの優れた専門知識と技術力によるエンジニアリングサポートは、当行の取り組みを支える大きな力になっています。楽天銀行ではこれらの取り組みにより、柔軟で効率的なシステム開発と運用を行い、サービス品質の向上を実現しています。今後もお客様や社会の信頼に応えるべく、Red Hatをはじめとするパートナーの皆様と共に、より良い銀行サービスの実現と持続的な成長に向け挑戦し続けます」
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