2002 年に初めて受けた Red Hat Certified Engineer (RHCE) のファストトラック研修では、Red Hat Linux 7.2 を使用しましたが、この研修で苦手だった /etc/sysconfig/network-scripts
のネットワーク設定ファイルを活用できるようになりました。その後、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 6 で NetworkManager (通称「NM」) が導入されました。RHEL 9 のリリースノート を読んでいて、この変更が目に留まりました。
By default, NetworkManager now uses the key file format to store new connection profiles. Note that the ifcfg format is still supported.
詳細
RHEL 9 では、/etc/sysconfig/network-scripts
(ifcfg
ファイルとも呼ばれる) がネットワーク設定ファイルの主要な保存場所ではなくなりました。引き続き ifcfg スタイルは利用可能ですが、新しいネットワークプロファイルを保存するデフォルトの場所は NetworkManager ではありません。こちらをご覧ください。
[root@rhel9a ~]# NetworkManager --print-config # NetworkManager configuration: /etc/NetworkManager/NetworkManager.conf [main] # plugins=keyfile,ifcfg-rh [...] [root@rhel9a ~]#
これは、「keyfile」や「ifcfg-rh」のようなさまざまな保存場所を指しています。この場合、最初にキーファイルを検索し、次に ifcfg-rh ファイルを検索します。キーファイルの詳細は、NetworkManager ドキュメント (英語版) および RHEL 9 ドキュメント を参照してください。NetworkManager はさまざまな場所でキーファイルを検索しますが、この記事では /etc/NetworkManager/system-connections
のファイルに焦点を当てています。
デフォルト設定では、引き続き /etc/sysconfig/network-scripts
で ifcfg-rh ファイルを使用できますが、以下の点に注意してください。
-
デフォルトの設定では、NetworkManager はキーファイルを優先します。たとえば、キーファイルと ifcfg-file の両方に同じ UUID のインタフェース設定がある場合、NetworkManager はそのインタフェースのキーファイル設定を使用します。
-
nmcli、nmtui、gnome-control-center、anaconda、cockpit、cockpit、nmstate、または network-manager-applet などの NetworkManager API を使用するツールで新規のネットワークインタフェース設定を作成する場合、それらはキーファイルとしてデプロイされます。
ifcfg ファイル形式とキーファイル形式の構文は同じではありませんが、ほとんどの場合はインタフェース設定に関する同様のデータを表しています。以下は両方の形式の比較です。
インタフェース設定の変更方法
引き続き ifcfg-rh ファイルを使用するか (非推奨)、キーファイルを使用するかにかかわらず、以下のいずれかの方法でインタフェース設定 (IP など) を変更できます。
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ツールベース:nm-connection-editor や「nmcli」コマンドラインツールなどのグラフィカルツールを使用できます。これらのツールの利点は、ファイルを直接変更するのではなくコマンドの構文を確認できる点です。
man nmcli
にはその好例がいくつかあり、以下はそのひとつです。
nmcli con mod enp2s0 ipv4.addr “10.0.0.4/24” nmcli con down enp2s0 nmcli con up enp2s0
-
ファイルベース:テキストエディターを使用して、
/etc/NetworkManager/system-connections
にあるキーファイル、または/etc/sysconfig/network-connections
にある ifcfg-rh ファイルを編集し、変更を NetworkManager に通知することもできます。以下はその例です。
vi /etc/NetworkManager/system-connections/<name>.nmconnection nmcli connection load \ /etc/NetworkManager/system-connections/<name>.nmconnection nmcli connection up filename \ /etc/NetworkManager/system-connections/<name>.nmconnection
「nmcli connection load [..]」コマンドは、特定の NetworkManager プロファイルを 1 つだけリロードします。または、「nmcli connection reload」を使用して全ファイルをリロードするか、「nmcli general reload」を使用して設定全般をリロードできます。これは、NetworkManager へのシグナルハングアップ (SIGHUP) のように動作します。
ifcfg-rh の現状
これまでは、さまざまな Linux ディストリビューションが多くの場所にインタフェース設定を提供しており、たとえば Debian およびその派生製品は /etc/network/interfaces
を使用し、CentOS および関連ディストリビューションは /etc/sysconfig/network-scripts
を使用していました。しかし、NetworkManager を導入するディストリビューションが増えるにつれ、/etc/NetworkManager/system-connections
のキーファイルが Linux 上における正規のネットワーク接続場所になりました。
この変更は Fedora 33 で採用され、RHEL 9 にも導入されました。RHEL の新しいメジャーバージョン (RHEL 9 など) では、このような重大な変更、つまり既存のスクリプトやワークフローを壊す可能性のある変更を実装できます。現時点の RHEL 計画では、マイナーリリースを 10 年間提供する予定であるため、この変更点について十分理解した上でコードへの組み込みを開始することをお勧めします。
さらに質問がある場合は、こちらのナレッジベースの記事 をご確認ください。この記事は、新しい質問の発生に応じて更新されます。
執筆者紹介
Christian Horn is a Senior Technical Account Manager at Red Hat. After working with customers and partners since 2011 at Red Hat Germany, he moved to Japan, focusing on mission critical environments. Virtualization, debugging, performance monitoring and tuning are among the returning topics of his daily work. He also enjoys diving into new technical topics, and sharing the findings via documentation, presentations or articles.
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