Red Hat OpenShift Container Platform

新規および既存アプリケーションの構築、提供、モダナイズを迅速化

既存アプリケーションの管理やモダナイゼーションを行いながら、新規のクラウドネイティブ・アプリケーションをマイクロサービスとして構築することは困難です。また、運用と規模に関する課題の増加、スキルとプロセスの欠如、新たなセキュリティの考慮事項などのさまざまな要因から、コンテナと Kubernetes に基づく新しいクラウドネイティブ・アプリケーションの設計、テスト、運用に適したツールの選出は複雑な作業です。モノリスを管理しながら既存のアプリケーションをマイクロサービスとしてリファクタリングすると、複雑さが増し、運用上の負担が増加します。

パブリッククラウド、オンプレミス・データセンター、エッジロケーションで大規模なデプロイメントの導入、実行、管理を行うと、一貫性が失われてコストがかかり、イノベーションを加速するために適切に使用するべき運用リソースに負担がかかる可能性があります。障害のあるコンポーネントのチェック、構成ミス、ポリシーとコンプライアンスのチェック、コンテナイメージのスキャンのような単純なタスクも、一元化された一貫性のあるマルチクラスタ・ライフサイクル管理とセキュリティがなければ途方もなく大変なタスクになります。

OpenShift Container Platform の製品概要

Red Hat® OpenShift® Container Platform は、組織がアプリケーションとインフラストラクチャをモダナイズし、デジタル・トランスフォーメーションを加速し、成長を促進することを可能にします。OpenShift Container Platform は、あらゆるアプリケーションと環境に対応するデプロイと消費の選択肢を備えた、単一のエンタープライズ対応 Kubernetes アプリケーション・プラットフォームです。OpenShift Container Platform を使用すると、アプリケーションを迅速に構築し、どこでも安全かつ大規模にデプロイ、実行、管理できます。これにより、ビッグデータを処理する人工知能および機械学習 (AI/ML)、IoT 向けのエッジコンピューティング、5G のデプロイ、アプリケーションのモダナイズの取り組みなど、さまざまなユースケースをサポートしながら、基盤となる Kubernetes インフラストラクチャの一貫した管理と運用をあらゆる環境で実現できます。

OpenShift Container Platform は、ベアメタルサーバー、VMware vSphere、Nutanix AHV、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform など、サポート対象のインフラストラクチャやクラウドにインストールして実行できます。

高度な機能

OpenShift Container Platform には、基盤となる認定済みの Kubernetes 環境でテストされ、その環境と統合された複数の高度な機能が含まれています。

  • Day 1 および Day 2 オペレーションの自動化
    • Operator:アプリケーションのインストール、アップグレード、ライフサイクル管理を自動化し、アプリケーションが正しく動作できるようにし、望ましい設定に従って必要な変更を行います。  
    • Helm:Kubernetes ネイティブのパッケージマネージャーを提供し、開発者はこれを使って自らのアプリケーションをパッケージでき、アプリケーションのパッケージ、デプロイ、および設定方法を定義できます。また、Day 1 のタスクと一部の Day 2 オペレーションも自動化できます。 
  • Red Hat OpenShift Service Mesh:サービス間の管理とセキュリティがより困難になる中で、統一された方法でアプリケーションを管理、接続、監視することを可能にします。
  • Red Hat OpenShift Serverless:アプリケーションがコンピュートリソースを使用し、一部のイベントソースからの要求に応じて、使用状況に基づいたスケールアップやスケールダウンを自動的に行えるようにします。
    Red Hat OpenShift Pipelines:Tekton で Kubernetes ネイティブの継続的インテグレーションおよび継続的開発 (CI/CD) ソリューションを提供し、OpenShift コンソールを通じて最適化されたユーザーエクスペリエンスを提供します。 
  • Red Hat OpenShift GitOps:オープンソースの Argo CD プロジェクトをベースに構築されており、IT チームはクラスタ設定とアプリケーション提供のための GitOps ワークフローを実装し、より効率的でセキュリティに重点を置いたスケーラブルなソフトウェア開発を可能にします。
  • Red Hat OpenShift Virtualization:仮想マシンを OpenShift に導入して既存のアプリケーションをモダナイズしたり、Kubernetes ネイティブのアーキテクチャで、コンテナと共にサーバーレスで実行したりすることができます。
  • エッジコンピューティング:3 ノードクラスタ、リモートワーカーノード、およびシングルノードが含まれており、小規模フットプリントで完全な Kubernetes 機能を提供します。 
  • 多様なワークロードをサポートし、ハイブリッドクラウド環境全体でインテリジェント・アプリケーションのデプロイを加速する共通プラットフォームにより、アプリケーション間に一貫性をもたらします。 
    • サポートされているワークロードは次のとおりです。 
      • データベース
      • データ分析 
      • AI/ML のソフトウェア、プログラミング言語、フレームワーク
      • ロギングおよび監視 
      • Web サーバーおよびアプリケーションサーバー
      • メッセージ・ブローカー・サービス 

Red Hat OpenShift の詳細は openshift.com/try をご覧ください。

特長とメリット

特長 メリット
スケーラビリティ OpenShift Container Platform で実行されるアプリケーションは、数百のノードにわたる数千のインスタンスに数秒でスケーリングできます。 
マルチクラスタ管理 クラスタの連結ビューと Kubernetes テクノロジーにより、サイトとパブリッククラウドの両方で一貫した管理レイヤーが提供されます。
永続ストレージのサポート OpenShift Container Platform は、Red Hat OpenShift Data Foundation や当社のエコシステム (DellEMC、Portworx、NetApp など) を含め、ステートフル・アプリケーションとステートレス・アプリケーションの両方を実行するための広範なエンタープライズ・ストレージ・ソリューションをサポートします。
オープンソース標準 OpenShift Container Platform には、各種オープンソース・テクノロジーに加えて、Open Containers Initiative (OCI) や Docker フォーマットのコンテナ、コンテナ・オーケストレーション用の Cloud Native Computing Foundation (CNCF) 認定の Kubernetes などが組み込まれています。 
コンテナの可搬性 業界標準の OCI をベースとするコンテナイメージにより、開発者の作業環境と OpenShift Container Platform の本番環境間での可搬性が確保されます。
3 ノードクラスタ スーパーバイザーノードとワーカーノードの両方で構成されるエッジ・アーキテクチャ向けの、可用性のある小規模フットプリントの Kubernetes プラットフォームのすべての機能にアクセスできます。
リモートワーカーノード コアデータセンターや地域のデータセンターのような大規模サイトで集約されたスーパーバイザーノードが管理できるリモートの場所に、シングルワーカーノードを配置します。これは、環境のスペースに制約があり、電力や冷却機能が限られているリモートエッジではとくに重要になります。 
シングルノード コントロール機能とワーカー機能を組み合わせて、小規模の物理環境で低帯域幅のサイトや接続されていないサイトなどのエッジのユースケースに対応します。 
インストールとアップグレードの自動化 インストールと無線プラットフォームのアップグレードの自動化は、Amazon Web Services、Google Cloud Platform、IBM Cloud、Microsoft Azure のクラウド、および vSphere、Red Hat OpenStackⓇ Platform、Red Hat Virtualization またはベアメタルを使用するオンプレミスでサポートされます。Operator Hub から使用されるサービスは、完全に構成された状態でデプロイでき、一度の操作でアップグレード可能です。
プリインストール済みの OpenShift ハードウェア OEM (相手先ブランド製造) パートナーから直接提供される、OpenShift がプリインストールされたクラスタによるエッジのデプロイを高速化および単純化して、新しいハードウェアを使用するためのリソースと時間を削減し、アプリケーションをデータソースに隣接させます。
自動化 コンテナおよびアプリケーションのビルド、デプロイ、スケーリング、正常性管理などの効率化および自動化を標準で利用できます。
強力なエコシステム 広がり続けるパートナー・エコシステムが、統合機能を幅広く提供します。サードパーティは、付加的なストレージおよびネットワークプロバイダー、統合開発環境 (IDE)、CI、統合、ISV ソリューションなどを提供します。 
セルフサービス・プロビジョニング 運用担当者が環境全体を適切に管理/制御できるので、開発者は慣れ親しんだツールを使用して、オンデマンドですばやく簡単にアプリケーションを作成できます。
多言語サポート 開発者は、同じプラットフォームでさまざまな言語、フレームワークおよびデータベースを使用できます。
統合された CI/CD パイプライン 継続的デリバリー (CI) および自動化されたテスト用の高品質のソフトウェアをデプロイする際の、開発者の手作業が減少します。
ユーザー・インタフェース 開発者は、充実したコマンドラインツールやマルチデバイス対応の Web コンソール、および Eclipse ベースの IDE に直接アクセスできます。
S2I (Source-to-Image) デプロイ OpenShift Container Platform は、ソースコードをコンテナに挿入し、コンテナにソースコードを実行可能な状態にして、実行可能なイメージを生成するためのツールキットとワークフローを提供します。

Red Hat OpenShift ポートフォリオ:コンテナ・ソリューション

Red Hat OpenShift は、アプリケーションの革新において、さまざまな業界や世界のさまざまな組織から信頼されている、業界をリードするエンタープライズ向け Kubernetes プラットフォームです。  

Red Hat OpenShift Kubernetes Engine (旧称 Red Hat OpenShift Container Engine) は、Red Hat Enterprise Linux® CoreOS 上でエンタープライズ向け Kubernetes の基盤となるセキュリティを重視した機能を提供し、ハイブリッドクラウド環境でのコンテナの実行を可能にします。 

Red Hat OpenShift Container Platform では、Serverless、Service Mesh、Pipelines などの運用および開発チーム向けの充実したサービスやツールを提供しています。新しいクラウドネイティブ・アプリケーションの構築や既存アプリケーションのコンテナへの移行を開始するために必要なものがすべて揃っています。 

Red Hat OpenShift Platform Plus は OpenShift Container Platform 上に構築されており、大規模なクラウドネイティブ・アプリケーションの構築を検討している組織向けの高度なマルチクラスタ・セキュリティと拡張管理機能を備えています。

イメージコンテナ

図 1. OpenShift Container Platform の機能と補完的な Red Hat 製品