お客様導入事例

ドイツ政府、キャップジェミニと Red Hat でデジタルサービス開発を加速

概要

キャップジェミニは、ビジネスおよびテクノロジー変革のグローバルパートナーであり、組織がデジタル化と持続可能性の両立をスピーディに実現できるよう支援するとともに、企業と社会に対して具体的な影響をもたらしています。テクノロジーの価値を引き出して顧客がビジネスニーズ全体に対処することを可能にするキャップジェミニの能力は、顧客からの信頼を勝ち得ています。

キャップジェミニの顧客である連邦情報技術センター (ITZBund) は、ドイツ連邦政府の中央情報技術サービスプロバイダーです。その使命は、行政のデジタル化を形成および推進し、IT の計画、開発、運用の単一の管理元として機能することです。 

ITZBund は、ソフトウェア開発者が現在のツールを使用してよりアジャイルな手法で作業できるようにしたいと考えていました。キャップジェミニは Red Hat OpenShift Dev Spaces を使用し、ITZBund がインターネットから隔離されたエアギャップ環境での厳格なセキュリティ要件に従いながら、主要プロセスを加速できるよう支援しました。

キャップジェミニ
  • 業界
    IT サービスとコンサルティング
  • 地域
    全世界
  • 本社
    フランス パリ 
  • 規模
    従業員 360,000 名以上

課題

主要な政府サービスのデジタル化

ドイツ政府は運用をモダナイズして国民や企業がサービスをデジタルで利用できるようにすることを目指しているため、テクノロジー・インフラストラクチャに対する需要は絶えず増大しています。

ITZBund は、電子政府 (e-government) 環境への移行において重要な役割を担っています。これには、電子技術を利用した、国民、企業、その他の政府機関に対する政府サービスの提供が含まれます。

「デジタル化と管理の自動化は大きな課題です。これらの課題に取り組むためのソフトウェア開発者用ワークステーションが強く求められています」と、Capgemini Cloud Infrastructure Services のエンタープライズアーキテクト、Jörg Heinke 氏は述べています。開発者には、アプリケーションを開発し、テストし、デプロイするためのコンピューティング・リソース、プラグイン、ツール、プラットフォームが必要です。しかし、高度なセキュリティ要件を考慮しながら、これらのリソースを迅速に提供することは大きな課題でした。

通常、開発者はノートパソコンにすぐにアクセスできますが、ノートパソコンは処理能力が限られており、GPU アクセラレーションはありません。必要なソフトウェア、ツール、プラグイン、権限を取得するためには複雑なオンボーディングプロセスを経る必要があります。セキュリティのさまざまな側面を考慮しながら、このプロセスにすべてのソフトウェア・コンポーネントを一元的に提供できれば、アジリティは大幅に向上します。

これらすべてのプロセスを拡張してソフトウェア開発を促進すると、政府サービス向けのソフトウェア・ソリューションの質と量を向上させることができます。

ソリューション

柔軟でアジャイルな開発プラットフォーム

主な目的は、政府機関のセキュリティおよびプライバシーの要件と、最新のツールセットを備えた先進的なアジャイル開発プラットフォームの要件を満たすアーキテクチャを作成することでした。これを実現するために、キャップジェミニは ITZBund プラットフォームチームの一員として、これらの要件を満たす公共サービス用の標準化されたプラットフォーム製品の開発を進めました。

このソリューションは、Red Hat® OpenShift® のようなコンテナ・プラットフォームの自動デプロイメントプロセスに統合する必要があり、AI および ML のビジネスケース向けに NVIDIA グラフィックカードが必要でした。

Red Hat OpenShift Dev Spaces Operator と NVIDIA vGPU Operator の併用が解決策であることは明白でした。

厳格なセキュリティ要件を満たすために、このソリューションは「エアギャップ」環境、つまりインターネット接続がない環境での自動デプロイメントによって実装されました。このために、すべてのリソースはローカルで保持され、脆弱性をチェックするスキャンが行われました。これによって悪用のリスクが大幅に縮小されました。

このソリューションには、一元的に管理される開発者向けのワークスペースが含まれており、AI アプリケーションの開発に十分なコンピューティング能力を提供します。NVIDIA GPU Operator は、Red Hat OpenShift クラスタにグラフィックカードを提供するために使用されました。Operator は、GPU プロビジョニングに必要なすべての NVIDIA ソフトウェア・コンポーネントの管理と構成を自動化できます。複数の開発者グループの vGPU リソースを動的に構成することが可能です。

Red Hat OpenShift の詳細

キャップジェミニが使用したソフトウェアとサービス

Red Hat シングルサインオン・テクノロジー (SSO)
Red Hat シングルサインオン・テクノロジー (SSO)

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業務上の成果

国民に多大なメリットを提供

Red Hat OpenShift Dev Spaces によって、ソフトウェア開発者のオンボーディングに必要な時間が大幅に短縮され、生産性が向上しました。

  • ワークスペースは、必要なリソース、ツール、権限をすべて備えた状態で、迅速にデプロイし拡張することができます。
  • ソフトウェアリリースのリードタイムの大幅な短縮も可能になりました。
  • ソフトウェア開発者同士が、それまでにないレベルでコラボレーションできるようになりました。
  • 開発スピードが加速し、アジャイルな手法とアジャイルなツールセットによって同じ期間内でのリリース数が増加しました。

開発、構築、テスト、デプロイメントのプロセスはすべて単一のプラットフォームである Red Hat OpenShift 上で行われるようになり、プロセス品質の一貫性が向上しました。開発者の満足度も向上し、雇用主としての ITZBund の評判が高まりました。管理を一元化したことで、上記すべてと併せてコスト削減も実現しています。

「Red Hat OpenShift Dev Spaces のおかげで、権限、セキュリティポリシー、リソースを 1 カ所で一元的に管理できるようになりました」と Capgemini Cloud Infrastructure Services のエンタープライズ・アーキテクト、Alexander Hiesinger 氏は語ります。「変化にも迅速に対応し、開発者に適切なワークステーションを提供することができました」

この実装によって ITZBund の技術的能力が拡大し、新しいビジネスの視点、知識、専門知識を他のプロジェクトに継承できるようになりました。政府当局はコンテナ・プラットフォームを注文できます。コンテナ・プラットフォームは、vGPU リソースを柔軟に割り当て、一元的に管理されるツールセットを備えた統合開発プラットフォームとして使用することもできます。

しかし、より重要なことは、新しい AI ツールや SaaS オファリングの開発が大幅に促進され、ドイツの行政のデジタル化が加速され、国民に多大なメリットがもたらされることです。

AI がどのように Red Hat OpenShift と連携してビジネスイニシアチブをサポートするかを確認する

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