お客様導入事例

KPMG、先進的なシステム統合プラットフォームにより州民サービスの成果を改善

 
 

概要

KPMG は、米国テネシー州福祉局 (TDHS) が最も助けを必要としている人々を迅速に支援できるようにするために、KPMG Resource Integration Suite (KRIS) コネクテッド・プラットフォームを構築しました。KRIS は、補助的栄養支援プログラム (SNAP)、貧困家庭一時扶助 (TANF)、低所得者向けエネルギー補助 (LIHEAP) などの、市民支援サービスを支えているサイロ化したモノリシックなレガシー情報システムを繋げます。以前はこれらのサービスは断片化されていたため、それぞれの事務所を通じてしかアクセスできませんでした。 

TDHS が提供する市民サービスは細分化されていたため、市民は各サービスにアクセスするために別々の Web サイトを訪問しなければなりませんでした。TDHS は、提供するサービスを、市民が 1 カ所からより迅速にアクセスできる、より包括的なものにしたいと考えていました。また、バーチャル、オンライン、リモートサービスなど、市民のための新たなエンゲージメント・チャンネルを設けることにしました。  

TDHS は、市民の窓口を一つにしたいと考えていました。テクノロジー・パートナーである KPMG は、階層化エンタープライズ・アーキテクチャの上に構築されたモジュール式アプローチが必要だと認識していました。疎結合開発は新しいサービスを迅速に追加することを可能にします。迅速性が極めて重要であることは、COVID-19 のパンデミック時に証明されています。オープンソースはコスト効率を向上させ、ベンダーロックインを緩和します。 

Red Hat のエンタープライズ・ソリューションは、優れたパフォーマンス、スケーラビリティ、可搬性、セキュリティを提供します。Red Hat OpenShift は KRIS のクラウド戦略にとってなくてはならない存在です。Red Hat は、ハイブリッドクラウドの相互運用性だけでなく、KPMG が価値を置く顧客第一主義へのコミットメントも実現しました。 

KRIS は、運輸機関を含む他の政府機関や民間企業にも広く適用できます。すでにノースカロライナ州とニューメキシコ州の保健福祉機関がメディケイドのモダナイゼーションのために導入を進めています。


課題

サービスをより市民中心にする

テネシー州福祉局 (TDHS) が提供する市民サービスは細分化されていたため、市民は各サービスにアクセスするために別々の Web サイトを訪問しなければなりませんでした。TDHS は、提供するサービスを、市民が 1 カ所からより迅速にサービスにアクセスできる、より包括的なものにしたいと考えていました。また、バーチャル、オンライン、リモートサービスなど、市民のための新たなエンゲージメント・チャンネルを設けることにしました。 

同時に、州の社会サービスプログラムに資金を提供する連邦監督機関は、従来のモノリシック・アーキテクチャを単純化およびモダナイズし、モジュール式アプローチを導入するよう各州に奨励していました。これにいち早く対応したのがテネシー州です。TDHS は、デジタルチャネルとよりモジュール性の高いアプローチを可能にしながら、テネシー州民一人ひとりの健康状態を統合的に把握できるデジタル・プラットフォームを必要としていました。同局の目的は、より効率的なサービス調整のほか、補助的栄養支援プログラム (SNAP) や電子給付金送金 (EBT) などの公的資源をより効率的に分配することです。こういった機能は、COVID-19 のパンデミック時に必要不可欠なものでした。

ソリューション

クラウドネイティブ・テクノロジーで構築されたスケーラブルなプラットフォーム

TDHS は KPMG と協力し、統合サービス、コアサービス、ユーティリティサービスで構成される共有サービスレイヤーを含む、先進的なエンタープライズ・アーキテクチャを導入しました。TDHS のサイロ化されたレガシープログラムは、市民とのデジタルエンゲージメントをサポートするために、これらのサービスを再利用することができます。KPMG と TDHS が Red Hat テクノロジーを選択した理由は、ハイブリッドクラウドの可搬性と革新的な機能のほか、プロプライエタリーのロックインを回避できるためです。 

KPMG は Red Hat テクノロジーを活用して、SaaS ベースの統合、共有サービス、データプラットフォームを一元化した KRIS コネクテッド・プラットフォーム (KRIS) を構築しました。Red Hat OpenShift は、ハイブリッドクラウドの可搬性、オンデマンドのスケーラビリティ、優れたパフォーマンス、信頼性、そして機密情報や個人情報を管理する際に不可欠な高レベルのセキュリティを提供します。マイクロサービス、コンテナ、先進的な DevSecOps アプローチを使用したクラウドネイティブな手法を可能にし、クラウドネイティブ・アプリケーションを迅速に構築、デプロイします。KPMG はまた、KRIS ソフトウェアスタックのすべてのコンポーネントをパッケージ化してデプロイするための基盤として、OpenShift を活用したコンテナファーストのアプローチを採用しました。これには、Informatica、ForgeRock、GoAnywhere、Edifecs などのサードパーティのソフトウェアが含まれます。 

現在、KRIS コネクテッド・プラットフォームは、200 万人以上のテネシー州民と 3,600 人以上の TDHS 職員をサポートする TDHS サービスを支えています。Red Hat OpenShift や Red Hat Integration といったテクノロジーをプラットフォームの中核に据えることで、TDHS はデジタルサービスをより迅速に進化させ、市民にとってよりアクセスしやすく、より包括的なものにすることができました。TDHS は最近、福祉サービス提供者と社内スタッフを含む市民との関わりを一元化するための包括的なポータルサイトを立ち上げました。KRIS コネクテッド・プラットフォームを使用することで、同局はこれらのポータルを通じて顧客やプロバイダーへのサービス提供を加速させ、新たなサービスが提供される将来に備えた環境を構築することができました。 

Red Hat Integration は、レガシーシステムと先進的なシステム間の、場所を問わない接続性、スケーラブルな統合、API の弾力性を実現します。これにより、KMPG は KRIS プラットフォームを使用して、新規に構築されたシステム、移行されたシステム、レガシーシステム、クラウドベースの SaaS システムをシームレスに接続および統合できるようになりました。

KPMG と Red Hat、行政サービスを最適化するために連携

Red Hat と KPMG は、統合されていないシステム同士を接続して顧客のニーズに対応するための、さまざまな Red Hat テクノロジーを使用したスケーラブルなソリューションの構築に共同で取り組んでいます。KRIS ソリューションによる、このパートナーシップの発展について詳しくご覧ください。


業務上の成果

プラットフォームの拡大

KPMG がハイブリッドクラウドの相互運用性を提供するパートナーを求めて主要クラウドベンダーを評価していた際、群を抜いていたのが Red Hat でした。顧客第一主義を貫く Red Hat のコミットメントが KPMG の価値観と一致したのです。両社は共に、Red Hat テクノロジーを活用することにより顧客にとって重要な結果をもたらしています。KPMG のドメイン経験、IT コンサルタンティングおよびサービスと、Red Hat の技術的な経験の組み合わせにより、オープンソース・コンポーネントをベースとした、安全で先進的かつスケーラブルな共有サービスプラットフォームの導入が実現しました。 

KRIS コネクテッド・プラットフォームは、他の政府機関や民間企業にも広く適用できます。現在、メディケイドのモダナイゼーションのためにノースカロライナ州とニューメキシコ州で実装中です。さらに 15 以上の州が、保健福祉サービス分野でのメリットを調べており、また、交通、金融サービス、商業ヘルスケアなど他の分野にも拡大されつつあります。OpenShift の MLops 機能は、KRIS がデータ分析および機械学習モデルを含むよう拡張される際、極めて重要になります。OpenShift は、必要に応じた KRIS のスケールアップとスケールダウンを可能にするため、さまざまな組織やドメインに固有の要件を満たすことができます。

Icon-Red_Hat-Media_and_documents-Quotemark_Open-B-Red-RGB データを統合し、すべてを横断できる共有サービスを構築することが将来的に必要とされており、KRIS がそれを実現します。Red Hat は、あらゆる組織の規模に対応するために、スケールアップとスケールダウンの能力を提供してくれます。

Mark Calem

KPMG Advisory Practice 取締役

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