富士通株式会社(注1、以下 富士通)とレッドハット株式会社(注2、以下 レッドハット)は、パナソニック コネクト株式会社(注3、以下 パナソニック コネクト)様へ「ビジネスアジャイル支援サービス」を提供し、仮説検証型ビジネスへの変革を支援したことについて発表しました。「ビジネスアジャイル支援サービス」は、2022年3月に合意した富士通とレッドハットの協業に基づいて提供するアジャイルコンサルティングサービスです。今回のパナソニック コネクト様への提供は、本協業によるサービス導入事例であり、両社のコラボレーションにおける成果となります。
両社は今後も、パナソニック コネクト様のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を継続して支援していくとともに、様々な業種のお客様に向けてアジャイルマインドの定着を目指します。
背景
富士通は、これまで長年培ってきた豊富なSIの知見やノウハウに加え、DX人材育成やアジャイル開発の実績、社内DXの実践知により、様々なお客様の組織変革を支援してきました。
2022年3月に合意した富士通とレッドハットの協業では、富士通が「ビジネスアジャイル支援サービス」を立ち上げ、レッドハットの「Red Hat Open Innovation Labs」(以下 「Open Innovation Labs」)のコンサルティングノウハウとエンジニアリソースとを組み合わせ、DXビジネスを展開していくことを発表しました。レッドハットは、企業文化・組織、プロセス、テクノロジーの領域において、革新的な変化をもたらすDXコンサルティング・サービス「Open Innovation Labs」を2016年から提供しています
協業後、両社は、ターゲット領域やお客様の特性に応じて有機的に最適な体制を組み、継続的な市場展開を図っています。
パナソニック コネクト様は、サプライチェーン、公共サービス、生活インフラ、エンターテインメント分野向け機器・ソフトウェアの開発、製造、販売、ならびにプロフェッショナルサービスを提供しています。これまで、同社はBlue Yonder社とのジョイントソリューションとしてソフトウェアビジネスの一部の開発にあたってきました。開発当初は独自でアジャイル開発を進めていましたが、開発スコープが広がり複数チームを独自で運営していくことが必要となったため、富士通の「ビジネスアジャイル支援サービス」の採用を決定しました。
開発支援プロジェクトの概要
「ビジネスアジャイル支援サービス」は、富士通およびレッドハットのコンサルティング部隊で構成された支援チームが、プロダクトデザインからシステム開発、サービスリリースまでをトータルに支援するサービスです。パナソニック コネクト様では、まずは、プロダクトデザインの進め方を支援し、ステークホルダーとビジネス部門の間での共通理解をスムーズに構築してプロダクトの提供価値を向上させていきました。
開発フェーズにおいては、同社にて実施していたアジャイル開発手法の一種であるスクラムの現状・課題を把握するところからプロジェクトを開始しました。スクラムに必要なイベントの進行方法、使用しているツール、および現場が感じている課題についてヒアリングを行い、実践するために必要なアジャイル・スクラム・開発手法に関するトレーニングを実施し、チームの構成を見直して進めやすい編成に変更しました。また、ペアプログラミングやモブプログラミング*などの複数人で一つのタスクを実施していく開発手法を導入しタスクの属人化を防ぐことで、手戻りの削減と作業時間の短縮を実現しました。
これらの組織を巻き込んだトータルな支援により、プロダクト企画から開発、サービスリリースまでのプロセスを大きく変革し、ビジネスを市場に提供するアジリティを向上することができました。
さらに、「ビジネスアジャイル支援サービス」のコンサルタントが離任した後もお客様自身で正しくスクラムを実践していけるよう、支援チームは単にスクラムのやり方を教えるだけではなく、なぜそれをやるのかといった”Why”の部分を伝えることを重視しました。マインドのリセットと、開発チームのみならずマネージメント層も巻き込んだプロセスにより、開発チームの一つひとつの工夫が経営課題に結びつくようになったことも大きな成果です。その結果として、社内のリファレンスチームとしてノウハウを横展開できる状態にまで成長を支援しました。パナソニック コネクト様は、仮説検証型ビジネスへの変革に向けて、今後、社内でのアジャイル人材の育成を強化し、各組織にアジャイルの技術と文化を展開していく考えです。
サポートコメント
パナソニック コネクト株式会社 技術研究開発本部 ソリューション開発研究所 グローバルSCM開発総括 ソリューション開発部 部長 手島 祥樹様
「富士通とレッドハットによるアジャイル支援は、様々なプラクティスの支援だけでなく、マインドセットの変革においても有効でした。我々は、パナソニックの強みであるデバイス・センシング・ロボティクスなどで現場の重要なデータを吸い上げ、AIやコンピューティングを応用して状況変化をリアルタイムに分析し、適切な判断を現場にフィードバックするプロセスの自動化・自律化を推進しています。富士通とレッドハットのコーチを通じて培ったアジャイルなマインドは、サプライチェーンマネジメントを加速するためのブレークスルーとなることを確信しています」
注釈
(注1)富士通株式会社:本社 東京都港区、代表取締役社長 時田 隆仁。
(注2)レッドハット株式会社:本社 東京都渋谷区、代表取締役社長 三浦 美穂。
(注3)パナソニックコネクト株式会社:本社 東京都中央区、プレジデント 樋口 泰行。
*ペアプログラミング・モブプログラミング;ペアプログラミングはソフトウェア開発の手法の一つで、2名のプログラマーが1台のマシンを操作してプログラミングを行う手法。3名以上で行う場合は、モブプログラミングとなる。
関連資料
- 富士通とレッドハット、DXビジネス強化に向けて協業(2022年3月10日プレスリリース)
- 「ビジネスアジャイル支援サービス」について
- 「Red Hat Open Innovation Labs」について
本件に関するお問い合わせ
- レッドハット株式会社 広報担当 pr-jp@redhat.com TEL:03-4590-7472
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