オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするレッドハット株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:岡 玄樹、以下 レッドハット)は本日、オムロン株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役社長 CEO:山田 義仁、以下オムロン)が、業界トップクラスのエンタープライズKubernetesプラットフォームであるRed Hat OpenShiftを産業用システムおよびプロセスの管理と制御を強化するための「仮想化制御プラットフォーム」のPoCのコンセプトモデルに採用したと発表しました。ソフトウェアとコンテナによるアプローチに移行することで、オムロンは時間の短縮と複雑さの軽減を実現し、製造工場にアジリティと柔軟性を与え、イノベーションの実現を目指します。このような実装は初の試みであり、もの作りの現場で発生するリアルタイムデータをエッジさらにはクラウドまでシームレスに伝える事ができ、Red Hat OpenShiftで構成したコンテナ上のアプリケーションから産業用制御機器のプログラムをリモートで操作できるようになります。オムロンは既存顧客を中心に「仮想化制御プラットフォーム」のPoC展開を開始し、将来的には産業用PC(以下 IPC)向けにコンテナ化ソリューションのコンポーザブル・サービス化を支援する予定です。
オムロンは、工場の自動化を中心とした制御機器、電子部品、駅の自動改札機や太陽光発電用パワーコンディショナーなどの社会システム、ヘルスケアなど、約120の国と地域で商品・サービスを提供しています。その制御機器事業部門は、ものづくり現場の生産性向上を目指し各種のソリューションを提供しています。同部門では、従来のハードウエア中心モデルからソフトウエア主導のインフラへの移行に着目し、「仮想化制御プラットフォーム」の構築に取り組んでいます。商用Kubernetes環境で多くの実績と他ソリューションとの親和性も高いRed Hat OpenShiftの導入は、オムロンが目指す新しい制御の形を実現する強力なバックボーンとなります。レッドハットはグローバルのサポート体制による協力のもと集積された知見を活かし2022年4月よりオムロン製産業用PCへの実装を開始、同年9月にインストールテストを完了しました。
運用の自動化・管理の強化により、クラウドネイティブの「仮想化制御プラットフォーム」をクラウドから一元管理することが可能です。これにより、各種マシンデータの収集や分析、更新に加え、これまで現場での作業が求められていた工場内の制御プログラム変更もクラウド上で実現できるようになります。オムロンは、現場データのリアルタイムな収集・更新が容易なクラウド環境で作成した新しいモデルを即座に現場へ展開することで、生産の柔軟性と効率性を高め、イノベーション・サイクルを短縮することでお客様の生産ニーズに応えていくことができます。
オムロンは主要な産業分野を中心に既存顧客に対してRed Hat OpenShiftを利用した「仮想化制御プラットフォーム」のPoC提案を開始しています。その第一弾として大量のオムロン社製PLC(Programmable Logic Controller)を活用している業界大手企業を皮切りに、今後はインフラや交通、ヘルスケア事業などのさらに広い産業分野への展開を目指しています。オムロンは、今回の取り組みにより工場の生産性を大幅に向上させるとともに、2025年を目処にした本格稼働とグローバル展開に向けて、産業用OT市場における新たな取り組みへの柔軟性と機動性を高めていきたいと考えています。
今回のオムロンとの取り組みにより、ハイブリッドクラウドと産業用エッジを融合させたソリューションを提供します。レッドハットは今後も、シングルノードOpenShiftによる軽快さとスモールファクターデバイスへの適応性、また新たに発表された「Red Hat Device Edge」によるリソースに制約のある最遠端の小型デバイスでの異なるユースケースとワークロードのサポートなど、多くのイノベーションによってRed Hatポートフォリオを進化させ続けていきます。
サポートコメント
オムロン株式会社 インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー コントローラーPMグループ 経営基幹職 夏井 敏樹 氏
「我々が対象としている産業分野には高い信頼性が求められます。その中で、Red Hat OpenShiftの選定は最良の判断でした。一装置の高い生産性に反して工場全体の生産性向上に課題がある現在のものづくり現場において、ソフトウエア・ドリブンをベースに クラウド環境で作成した新しいモデルを即座に現場に展開したり、現場のデータをリアルタイムで収集して更新することがより容易になることで “何時でも、何処からでも、指先一つで思いのままに制御できる” という世界を具現化することができるようになります。また、実際のものづくり現場の規模は多くの幅を持ちます。それらに対応するために、「仮想化制御プラットフォーム」もスケーラビリティーが必要になります。今後、Red Hat Device Edgeのようなソリューションにおいてもレッドハットと協力してこの可能性あふれるイノベーションを市場に展開していきたいと考えています。」
Red Hat, vice president and general manager, In-vehicle Operating System and Edge, Francis Chow
「オープンソースのイノベーションは、製造現場での自律的なオペレーションの実現を先導しています。オープンなハイブリッドクラウドとエッジコンピューティングを採用することで、企業はこれからの未来に備えたクラウドネイティブアプリケーションを構築し、産業界をはじめとするITとOTの効果的なコミュニケーションを促進することができます。レッドハットはオムロン様との取り組みを継続し、Red Hat OpenShiftによる相互運用性と拡張性を実現し、将来的にはRed Hat Device Edgeの展開も計画しています。今後もオムロン様と協働し、生産現場に止まらずそれ以外の場所でも技術革新に取り組んでいきたいと思います。」
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