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[マサチューセッツ州ボストンおよびミシガン州デトロイト 2022年5月10日(現地時間)発表]アメリカ報道発表資料抄訳
オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat, Inc.(以下Red Hat)とゼネラルモーターズ(NYSE:GM)は本日、エッジでのソフトウェア・デファインド・ビークルの促進を支援するために協業すると発表しました。両社は、GMのUltifiソフトウェア・プラットフォームの継続的な開発を目的に、機能安全認定Linuxオペレーティングシステム基盤を提供するRed Hat In-Vehicle Operating Systemを中心とした、革新のエコシステムが拡大すると予想しています。
ゼネラルモーターズは今ではプラットフォーム企業であり、Red Hatとの協業はUltifiソフトウェアの開発を進める上で重要な要素です。オープンソース・ソリューションとエンタープライズ・ネットワークに関する同社の専門知識を取り入れることは、開発者にとって業界で最も使いやすいソフトウェア・プラットフォームの提供を目指す私たちの利益になります。
Red HatとGMの協業は、輸送業界とIT業界の融合における重要な瞬間であり、Red Hatのクラウドネイティブな、エンタープライズ・グレードのオープンソース・オペレーティングシステムが、Ultifiの最初の搭載開始からGMのソフトウェア・デファインド自動車プログラムの開発を促進します。これによって、両社は標準的な開発期間の数分の1の時間で、顧客により多くの有益な機能を確実に提供できるようになります。
車載ソフトウェア・システムは複雑で、極めて重要な安全上の優先事項があるため、高レベルのサイバー・セキュリティ保護と厳格な認定が必要になります。現行のシステムでは、こうした確固たる要件によって多くの場合開発プロセスが長期化し、更新のたびに再認定が必要なため車載ソフトウェアの更新は困難になっています。GMとRed Hatは協力し、昨年発表された、継続的認定アプローチの草分けであるRed Hat In-Vehicle Operating Systemを使用して、Ultifiプラットフォームに継続的な機能安全認定を実装することにより、これらの複雑な自動車の更新をより簡易かつ頻繁に行えるようにすることを目指します。
この統合ソフトウェアは、インフォテイメント、先進運転支援システム、ボディ制御、コネクティビティ等の、安全性および非安全性関連の各種車載アプリケーションをサポートすることになります。運送業界は、オープンソースのLinuxおよびクラウドネイティブ・テクノロジーによる標準化を通して、革新の迅速化と持続可能性の改善による恩恵を享受できます。共通の標準はソフトウェア再利用の増加とよりスケーラブルな設計プロセスの実現に役立ち、GMはパーソナライズされた新たな車内体験、自動車モード、および顧客が喜ぶその他の機能により多くのリソースを割けるようになります。
Red Hat In-Vehicle Operating SystemをUltifiプラットフォームに統合することで、GMとRed Hatは以下を実現します。
- 共通のプラットフォーム全体にわたるソフトウェアの整理統合と再利用によるコスト削減
- 開発サイクルの改善による新しい顧客機能およびソフトウェアの機能向上のより迅速な市場投入
- セーフティアプリケーションに関連するシステムの継続的な機能安全性の認定
- 新しいサービス、ビジネスモデル、および収益源の創出
Red Hatは、2023年に始まるGMのエンドツーエンド車載ソフトウェア・プラットフォームであるUltifiの段階的ロールアウトに協力します。Ultifiは、ソフトウェア・デファインドの機能、アプリ、およびサービスの、無線による高頻度かつよりシームレスな配布を可能にします。これを実現するために、同プラットフォームはアプリケーション・ソフトウェアをハードウェアから分離し、ソフトウェア開発用のアプリケーション・プログラム・インタフェースを提供します。よりフレキシブルなアーキテクチャを作ることで、基本的なハードウェア制御への影響なく、クラウドベースのサービスの増加、ソフトウェア開発の迅速化、および顧客にとっての新しい価値の可能性が拓かれます。
LinuxベースのシステムであるUltifiは、GMの開発者、サプライヤー、および開発者コミュニティ全体がすべて使用できるように設計されています。Linuxを使用することで、様々な業界の熟練した人材が迅速にスピードアップし、従来とは異なる発想でイノベーションを促進することができます。多くのセンサーと大量の匿名データを利用できるため、車載ソフトウェアは開発者に、通常の消費者向けスマートデバイスの限界を超えて作業できる、独自の刺激的な機会を提供します。実際に、セキュリティ、安全性、およびプライバシーに関する厳格な規格を満たす正規のサードパーティ開発者には、Ultifiを革新するためのアクセス権が与えられ、GMの顧客に直接の恩恵を提供できます。
自動車業界は転換期を迎えており、消費者は将来の運転体験がどのようなものになるかを見定め始めています。Red HatとGMは、それぞれオープンソースと自動車のリーダーとして、次世代の自動車向けのソリューションを推進することになる自動車エコシステムの定義と接続を支援します。Red Hat In-Vehicle Operating Systemをトランスポーテーション業界に提供することで、自動車メーカーは将来にわたり、急速な、オープンソースの革新を採用するための態勢を整えることができます。
サポートコメント
Red Hat In-Vehicle Operating Systemおよびエッジ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー フランシス・チョウ
「最新の自動車は、運転支援、省燃費等の重要なシステムを数百万行のコードが支えており、かつての自動車ではなくモバイル高性能コンピュータに近いものになっています。今が革新の時です。これらの新しい自動車は、機能安全を犠牲にすることなく共通のオープン・プラットフォームを作るチャンスを私たちの業界に与えてくれます。Red Hat In-Vehicle Operating SystemでGMと協業することによって、自動車の世界にオープンソースの時代をもたらし、自動車メーカー、エコシステムのパートナー、および消費者にベネフィットを提供します。」
ゼネラルモーターズ ソフトウェア・デファインド自動車およびオペレーティングシステム担当バイスプレジデント Scott Miller氏
「ゼネラルモーターズは今ではプラットフォーム企業であり、Red Hatとの協業はUltifiソフトウェアの開発を進める上で重要な要素です。オープンソース・ソリューションとエンタープライズ・ネットワークに関する同社の専門知識を取り入れることは、開発者にとって業界で最も使いやすいソフトウェア・プラットフォームの提供を目指す私たちの利益になります。Red HatのオペレーティングシステムをUltifiの機能を実現するためのコアとすることで、革新の機会は無限になります。」
SBD Automotive 北米担当ディレクター Alex Oyler氏
「自動車業界は過去10年にわたり、オープンソース・コミュニティを活用する方法を見つけようとしてきましたが、ソフトウェア・デファインド・ビークルの台頭は両者の結合を示しています。最新の自動車の車載およびエッジ・ソフトウェアには、アドレス可能な膨大な領域があるため、半分近くが保守と切り分け作業に費やされている自動車メーカーのソフトウェア開発コストを低減するために、エコシステム主導のアプローチが必要になります。それと同時に、安全性規格の厳格な準拠を維持するためには、基盤となるソフトウェアに高水準の保証が要求されます。今回のパートナーシップは、テクノロジー業界と自動車業界の強者がそれぞれの中核的体験を組み合わせてソフトウェア・デファインド自動車の基盤となる新しいソリューションを生み出すとき可能になる革新の典型例です。」
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