Red Hatとソフトバンク、AI-RANの研究開発で協力

AIを活用したオーケストレーションにより、ネットワークの効率、パフォーマンス、ユーザーエクスペリエンスの向上を目指す

東京 -

[ノースカロライナ州ローリー - 2024年11月11日(現地時間)発表] アメリカ報道発表資料抄訳

オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat, Inc.(以下、Red Hat)とソフトバンクは本日、Artificial Intelligence Radio Access Network(AI-RAN)の研究開発で協力することを発表しました。今回の協力の成果となるテクノロジーによって、ネットワークのオーケストレーションと最適化を強化するためにAIを最大限に活用し、パフォーマンス、リソース効率、ユーザーエクスペリエンスを向上させるインテリジェントで自律的なネットワークの実現を目指します。このようなテクノロジーは、5Gおよび将来の6Gネットワークのユースケースをサポートする上で特に重要であり、AI対応アプリケーションがこれらのソリューションを活用することによって、差別化されたサービスの提供や新たな収益源の獲得を実現できるようになります。

Red Hatとソフトバンクは、Red Hat OpenShift上で実行される高性能AIテクノロジーを無線アクセスネットワーク(RAN)インフラ内に統合し、サービスプロバイダーがデータ処理を高速化して、リソースの最適化を行えるようにすることで、パフォーマンスの向上、インテリジェントな自動化、マルチレイヤーセキュリティの強化を実現します。このアプローチによって、サービスプロバイダーはネットワーク運用を見直すことができるようになり、単一の統合プラットフォーム上で仮想化されたRANとAIアプリケーションの両方をスケーラブルかつ安全に管理して、新たな収益機会を生み出せるようになります。今回の協力の一環として、Red Hatとソフトバンクは次の点に注力しています。

  • ArmアーキテクチャのAIとRAN機能をサポートすることで、Kubernetesを搭載した業界有数のハイブリッドクラウド・アプリケーション・プラットフォームであるRed Hat OpenShift上に構築された柔軟なRANソリューションの最適化と、互換性、パフォーマンスの向上を実現。
  • ハードウェアアクセラレーテッドArmアーキテクチャ上の分散ユニット(DU)のパフォーマンスを最適化することで、低遅延・高スループット通信が実現し、将来的なネットワークの進化するニーズに対応。
  • オーケストレータの開発によって、インテリジェントかつ自律的なネットワーク運用を実現し、サービスの可用性、俊敏性、エクスペリエンスのクオリティが向上。

Red Hatの持続可能性の調査によると、RANはサービスプロバイダーの総消費電力の75%を占めています。リソースの最適化と電力使用を改善することで、サービスプロバイダーはエネルギー消費を削減し、持続可能性の目標を推進させることができます。

最後に、このテクノロジーをより広範な通信業界で利用できるようにするために、ソフトバンクとRed Hatはオープンで相互運用可能なRANエコシステムの開発を通じて、AIのユースケースの創出を推進します。両社はAI-RANアライアンスに参加することで、業界のエコシステムパートナーや研究機関と協力し、新たなAI-RAN技術やソリューションの研究を進め、さらなる概念実証テストを実施する機会を得られることになります。

サポートコメント

ソフトバンク株式会社 執行役員 兼 先端技術研究所 所長 湧川隆次氏
「AI-RANのソフトウェア基盤は、厳しいRANの性能要求を満たしつつ、AIアプリケーションも稼働できるRANプラットフォームです。私たちはAI-RAN専用のオーケストレーターを新たに設計・開発し、このプラットフォームを最適化する一つの形を示しました。レッドハットとパートナーシップを組むことにより、このプラットフォームの開発を加速させ、この革新をソフトバンクだけでなく通信業界全体に貢献できると確信しています」

Red Hat グローバルエンジニアリング担当 シニアバイスプレジデント 兼 最高技術責任者 Chris Wright (クリス・ライト) 
「AIは、サービスプロバイダーの業務に革命をもたらす可能性を秘めています。また、コストパフォーマンスに優れた、効率的で自動化された業務において、標準化されたプラットフォームは不可欠です。Red Hatとソフトバンクの協力を通じて、エッジからコア、ハイブリッドクラウド、そしてその逆に至るまで、信頼できる Red Hat OpenShiftプラットフォームでAIの開発とデプロイを容易にすることで、サービスプロバイダーがこのような領域に対応できるように支援を行います。今回の共同の取り組みによって、サービスプロバイダーはRANでAIモデルを活用して、業務の合理化、新しく魅力的なアプリケーション、そして、かつてないほどの自動化を実現できるようになります」

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