Red HatがPodman AI Labを発表

構想から稼働までのステップをすべてローカルのデスクトップ環境で簡素化し、ガイドするツールが生成AIのアプリケーション導入を促進

東京 -

[コロラド州デンバー -RED HAT SUMMIT- 2024年5月7日(現地時間)発表] アメリカ報道発表資料抄訳

オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat, Inc.(以下、Red Hat)は本日、Podman Desktopの拡張機能であるPodman AI Labを発表しました。Podman AI Labによって、開発者はローカル・ワークステーションの直感的なグラフィカルインターフェイスを使用して、生成AIを搭載したアプリケーションをコンテナ内で構築、テスト、実行できるようになります。また、Podman AI Labは生成AIの民主化に役立つものであり、機密データの所有およびコントロールの権限を維持しながら、ローカル開発者エクスペリエンスの利便性、使いやすさ、コスト効率のメリットを提供します。

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AIの時代が到来していますが、多くのアプリケーション開発者にとって、インテリジェントなアプリケーションの構築とは、短期間に多くを習得しなければならないということなのです。Podman AI Labは、高額なインフラ投資やAIに関する豊富な専門知識がなくても、馴染みのある使いやすいツールとプレイグラウンド環境を提供し、安全かつよりセキュアな方法でAIモデルをコードやワークフローに適用できます。

Sarwar Raza(サルワル・ラザ)

Red Hat アプリケーション開発事業部バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー

ここ最近の生成AIとオープンソースの大規模言語モデル(LLM)の急増によって、AI対応アプリケーションに大きく依存するコンピューティングの新時代が始まりました。そのため、組織は周りから遅れをとらないように専門知識、プロセス、ツールの確立に迅速に取り組んでいます。業界アナリスト企業のIDCはこの変化に注目しており、「2026 年までに新規アプリケーションの40%がインテリジェントアプリになり、開発者はAIを組み込んで既存のエクスペリエンスを強化し、新しいユースケースを生み出すことになる」ことを予測しています。

AI とデータサイエンスがアプリケーション開発の主流になりつつあるなか、Podman AI Labのようなツールによって開発者の生成AI導入が促進され、AI拡張開発機能を活用したインテリジェントなアプリケーションの構築やワークフローの強化が実現されます。Podman AI Labはサンプルアプリケーションを含むレシピカタログを備えており、開発者は次のようなLLMの一般的なユースケースについて、すぐに開始することができます。

  • チャットボットは人間の会話をシミュレーションし、AIによってユーザーの問い合わせを理解し、適切な回答を提供します。このような機能は、セルフサービスのカスタマーサポートやバーチャルのパーソナルアシスタンスを提供するアプリケーションを強化するためによく使用されています。
  • テキストサマライザーは、多くのアプリケーションや業界に対して効果的かつ効率的な情報管理を実現する多用途の機能を提供します。このレシピを使用することで、コンテンツの作成やキュレーション、リサーチ、ニュースの集約、ソーシャルメディアのモニタリング、言語学習などを支援するアプリケーションを構築できます。
  • コードジェネレーターは、プロジェクトのセットアップやAPI統合などの反復作業を自動化したり、コードテンプレートを作成したりすることで、開発者がより高度な設計と問題解決に集中できるようにします。
  • オブジェクト検出は、デジタル画像やビデオフレーム内のオブジェクトを識別して位置を特定するのに役立ちます。オブジェクト検出は、自動走行車、小売在庫管理、精密農業、スポーツ放送など、さまざまなアプリケーションの基本コンポーネントになるものです。
  • 音声からテキストへの書き起こしによって、話し言葉を自動的に文字テキストに書き起こすことで、音声コンテンツの文書化、アクセシビリティ、分析が容易になります。

これらの例は、開発者がソースコードを見直してアプリケーションがどのように構築されているかを確認し、AIモデルにコードを統合するベストプラクティスを学ぶためのエントリーポイントとなります。

開発者にとってコンテナは従来、競合や互換性の問題を心配することなく、デスクトップ上でアプリケーションの構築やテストを行うための、柔軟で効率的かつ一貫性のある環境を提供してきました。現在は、AIモデルにも同じようなシンプルさと使いやすさが求められています。Podman AI Labは、ローカルの推論サーバーをプロビジョニングする機能を提供することで、そのようなニーズに対応します。これにより、ローカルでモデルを実行し、エンドポイントを取得して、モデルに新しい機能を適用するコードの作成を簡単に行うことができます。

また、Podman AI Labにはユーザーがモデルと関わり、その挙動を観察することを可能にするプレイグラウンド環境が含まれています。プレイグラウンド環境は、モデルを使ったテスト、実験、プロトタイプやアプリケーションの開発に使用できます。 直感的なユーザープロンプトによって、さまざまなモデルの機能と精度を探ることで、アプリケーションのユースケースに最適なモデルと設定を見つけることができます。

企業においてAIの普及が進むなか、Red Hatはハイブリッドクラウド向けの一貫した信頼性の高い包括的なAIプラットフォームのポートフォリオによってAIの可能性を引き出し、イノベーション、効率性、価値を推進する取り組みをリードしています。

Podman AI Labは、Red Hatで設立され、現在100万以上ダウンロードされているオープンソースプロジェクトの強みを基盤としています。 また、オペレーティングシステムをコンテナイメージとして提供する、世界をリードするエンタープライズLinuxプラットフォームの新しいデプロイ方法である、Red Hat Enterprise Linuxのイメージモードとの緊密な統合も提供します。この統合により、開発者はラップトップ上でプロトタイプの作成とモデルの操作を簡単に実行し、新たにAIを組み込んだアプリケーションを、Red Hat OpenShiftを使用して、ベアメタルからクラウドインスタンスに至るまで、ハイブリッドクラウド全体のどこであっても簡単に実行できポータブルで起動可能なコンテナに変えることができます。

クラウドとともにAIもハイブリッドに

30 年以上にわたり、オープンソース・テクノロジーは、急速なイノベーションと IT コストの大幅な削減とが組み合わさることで、イノベーションのハードルを引き下げてきました。RHELでオープンなエンタープライズ Linux プラットフォームを提供した2000 年代初めから、Red Hat OpenShiftオープン・ハイブリッドクラウドおよびクラウドネイティブ・コンピューティングの基盤としてコンテナと Kubernetesを推進してきた現在までとほぼ同じ期間にわたって、Red Hatはこの動きを牽引してきました。

オープン・ハイブリッドクラウド全体でのAI/ML戦略に力を入れるRed Hatとともに、この取り組みは続いており、データセンターでも、複数のパブリッククラウドでも、エッジであっても、データが存在する場所でAIワークロードの実行を可能にしています。ワークロードのみならず、Red Hat の AIに対する ビジョンは、モデルのトレーニングやチューニングを同じ方法で提供し、データ主権、コンプライアンス、運用の完全性に関する制限への対応を改善していきます。これらのあらゆる環境においてRed Hat のプラットフォームが提供する一貫性は、どこで実行されるかに関わらず、AI イノベーションの流れを維持していく上で極めて重要なのです。

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サポートコメント

Red Hat アプリケーション開発事業部バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー Sarwar Raza(サルワル・ラザ)
「AIの時代が到来していますが、多くのアプリケーション開発者にとって、インテリジェントなアプリケーションの構築とは、短期間に多くを習得しなければならないということなのです。Podman AI Labは、高額なインフラ投資やAIに関する豊富な専門知識がなくても、馴染みのある使いやすいツールとプレイグラウンド環境を提供し、安全かつよりセキュアな方法でAIモデルをコードやワークフローに適用できます」

IDC ソフトウェア開発 DevOpsおよびDevSecOps 担当プログラムバイスプレジデント Jim Mercer(ジム・マーサー) 氏
「生成AIの新しい波が業界に押し寄せており、この新たなパラダイムの最先端にいる開発者やDevOps専門家に対する影響は大きいものです。開発およびDevOpsの環境全般において、変化は加速していくと見られます。これからの数年は、アプリケーション開発とデプロイメントの歴史上、最も重要な局面として記憶されることになるでしょう」

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