Red Hat、ETASと共にエッジでの自動車業界の変革を支援

［マサチューセッツ州ボストン-RED HAT SUMMIT- 2023年5月23日（現地時間）発表]　アメリカ報道発表資料抄訳

オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat, Inc.は本日、Boschの子会社で自動車およびクラウド向けのアプリケーションに依存しないソフトウェアの開発を担当しているETASと協業し、自動車メーカーの開発コストを削減しタイム・ツー・マーケットをさらに短縮する車載プラットフォームを提供すると発表しました。この統合・試験済みのプラットフォームは、アプリケーション提供のための合理化されたそのまま使える開発者体験を自動車メーカーに提供します。ETASデターミニスティック・ミドルウェア・ソリューションは、継続的に認証されるオープンスタンダード・ベースのオペレーティングシステムを提供するRed Hat In-Vehicle Operating Systemを使用した先進運転支援システム（ADAS）アプリケーションの開発を大幅に促進します。

Red Hatは自動車業界全体で、標準化と再利用性を焦点にオープンソース・テクノロジー採用の促進を支援するための作業を行ってきました。ETASは自動車業界において、リアルタイム・オペレーティングシステムとミドルウェア・ソリューションのデプロイで30億回以上の成功を納めてきたことで知られています。同社の車載システムの安全性およびセキュリティ機能に関する実証済みの記録は、ISO 26262を含む最高レベルの認証によって裏付けられています。従来のシステムや方法論の多くは、開発コストが高く、市場への投入が遅く、重要な安全性チェックを維持した状態で新しい顧客の需要に対応するのが困難でした。これらの課題に対処するために、Red HatはRed Hat In-Vehicle Operating Systemの構築を進めており、機能安全を備えた、自動車専用のLinuxオペレーティングシステム基盤として機能する最終製品を目指しています。ETASは、Red Hatのテクノロジーと自社の次世代ミドルウェア・ソリューションを組み合わせて、複雑かつ高度で並列的な自動車の機能の決定的実行を追加する計画です。

Red Hat In-Vehicle Operating Systemは、自動車分野の最新トレンドの多くを実現し促進することによって、自動車業界をよりスケーラブルなソフトウェア設計へと導くために役立ちます。ETASのデターミニスティック・ミドルウェアとの組み合わせで、このソリューションはソフトウェアデ・ファインド自動車のADASおよび自動運転（AD）アプリケーションの開発、テスト、デプロイのための拡張可能なプラットフォームを自動車メーカーに提供し、さらに以下を実現します。

• 市場への投入までの期間を短縮：統合済みスタックを使用して、Red Hat In-Vehicle Operating System上でユニークなETASデターミニスティック・ミドルウェア機能を活用することで実現されます。デターミニスティックなリプレイによって、開発者は運用車両から報告される最も複雑なバグでさえより正確に再現可能で、従来の方法では何日もかかったデバッグ作業をわずか数分間で行うことができます。Red Hat In-Vehicle Operation Systemは、標準およびASIL-B安全性アプリケーションの両方をサポートするスケーラブルでフレキシブルなプラットフォームを提供します。この2つのレイヤーの強みを組み合わせることで、アプリケーション開発の迅速化だけでなく、効率的な自動化された検証テストを最大の精度で、実行ハードウェアに依存せずに行えるので、自動車のテスト・インフラストラクチャをクラウドにスケールアウトするのに最適です。

• 開発コストの削減：開発の簡素化および自動車のモデルと年式にまたがるソフトウェア・コンポーネントの容易な再利用を可能にする最新のツールチェーンを備えた、一貫性のあるプラットフォームによって実現されます。

• 信頼性、安全性、およびコンプライアンスの強化：統合済みスタックによって実現され、安全性にとって重要なコンポーネントが規格に準拠した効率的な形で統合されていることの検証に役立ちます。統合されたスタックは安全性と決定性に重点を置いて、ADASおよびADシステムの信頼性と安全性を向上させます。

• スケーラビリティとフレキシビリティの向上：お客様は、車載電子制御ユニット（ECU）からクラウドベースの開発ラボまで、幅広いハードウェア・プラットフォーム上でアプリケーションの開発とデプロイを行うことができます。

• 拡張されたオペレーティング・スタック・セキュリティ機能：オープンソースのセキュリティとコンプライアンスに関するRed Hatの専門知識と、車載ソフトウェアのセキュリティとリアルタイムOSに関するETASの専門知識の組み合わせによって提供され、統合済みスタックのセキュリティ体制と業界標準および規制へのコンプライアンスを検証します。

自動車業界でのRed Hatの作業は、より広範なエッジ・コンピューティング戦略から自然に発展したものです。エッジ・コンピューティングは自動車の機能性と接続性に関する新しい機能を実現し、個々のソフトウェア・デファインド・ビークル自体がエッジデータセンターの役割を果たします。これらの自動車は、データの収集、アップデートの提供、アプリケーションのデプロイを自律的に行い、自動車業界がエッジ・コンピューティング全体のイノベーションの進化にさらに歩調を合わせることにつながります。ETASのような企業と共同作業を行うことで、Red Hatはこの勢いを加速させ、エンタープライズ・エッジの進化を反映した最先端の機能をソフトウェア・デファインド・ビークルに提供することを目指します。

サポートコメント

Red Hat　車載オペレーティングシステムおよびエッジ担当VP & GM　フランシス・チョウ
「この素晴らしい協業は、自動車業界でのオープンソース採用を促進するために2年前に開始した取り組みを継続するものです。ETASと共にそれぞれの専門知識を投入し、最終的にはRed Hat In-Vehicle Operating Systemによって提供される標準化された、スケーラブルな基盤上で、最新の車載ソフトウェア開発のための次世代の基盤プラットフォームの構築を目指します。」

ETAS GmbH　最高技術責任者　Christian Uebber氏
「最近まで、自動車業界において安全性認定済みLinuxに関するイニシアティブでその約束を果たしたものはありませんでした。自動化の可能性を限界まで追求するRed Hatのアプローチを初めて見たとき、これは非常に有望だと思い、成功を確信しました。ETASのデターミニスティック・ミドルウェアの場合、オペレーティングシステムから信頼できる安全性機能を得られることが重要です。強固な基礎を持つ木の幹の上に天蓋を置くように、そうして初めてこれらの機能をはるかに広範囲の適用可能な車載ユースケースへと拡張できるのです。結果として、安全性にとって重要な機能の開発の複雑性を大幅に低減するとともに、そのプロセスを桁違いに迅速化できます。」

関連リンク

• 現代および将来の自動車におけるRed Hat In-Vehicle Operating Systemの詳細

• Red Hat Edgeの詳細

• ADAS用のETASのデターミニスティック・ミドルウェアの詳細

• Red Hat Summitの詳細

• Red Hat Summit 2023ニュースルームを参照

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