オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするレッドハット株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長、岡 玄樹、以下レッドハット)は本日、Red Hat APAC Innovation Awards 2022の日本における受賞企業を発表しました。株式会社NTTドコモ、日本電気株式会社、株式会社野村総合研究所は、変化するビジネス環境においてRed Hatのソリューションを活用し、俊敏性と革新的な顧客体験の向上に貢献したことが評価され、Red Hat Summit: Connectにおいて表彰されました。
Red Hat APAC Innovation Awardsは、「Explore what's next」をテーマに、急速に変化するビジネス環境に適応し、ビジネスモデルを変革し、オープンソース・ソリューションで顧客により良い体験を提供する組織の能力を称えるものです。 今年は、業界のトレンドやお客様のニーズを先取りするためにRed Hatのソリューションをクリエイティブに活用した、アジア太平洋地域の 25 社のデジタル変革の成功事例を表彰します。
今日の変化の激しいビジネス環境では、ビジネスの成功のために俊敏性と革新性が極めて重要です。Red Hatの「State of Enterprise Open Source 2022」レポートによると、アジア太平洋地域の企業の95%が、オープンソース・ソリューションは組織のインフラ全体において重要であり、長期的に俊敏性を保ち、変化する顧客の需要に対応するのに役立つと回答しています。
今回の受賞企業は、ビジネスビジョンや文化、そして業界やコミュニティの支援において、Red Hatのソリューションの導入が大きな効果をもたらしたことを紹介しました。オープンソースのツールや文化が、ビジネスプロセスを効率化し、生産性を高め、イノベーションを刺激し、今後起こりうる課題に対処できることを実証しています。
Red Hat APAC Innovation Awardsは、デジタル・トランスフォーメーション、ハイブリッドクラウド基盤、クラウドネイティブ開発、自動化、レジリエンスの5つの部門から構成されています。
日本の受賞企業は下記の通りです。
受賞カテゴリー:ハイブリッドクラウド基盤
受賞企業:株式会社NTTドコモ、日本電気株式会社
日本最大の通信事業者である株式会社NTTドコモ(以下、NTTドコモ)は、革新的で便利、かつ安全なモバイルサービスを提供し、8,000万人を超えるお客様にスマートな生活をお届けしています。5Gなどの新技術の利用が拡大する中、NTTドコモは、品質や価格を追求しながら次世代インフラや新技術、5G SA(Standalone)方式を導入し、サービスの充実に努めています。同社が5Gコアに求める要件は堅牢性、信頼性、安定性であり、5Gサービス網を短期間で全国展開することも必須要件でした。
NTTドコモは、5G SAの導入・展開計画を成功させるために、スケジュールを遵守し、高品質のサービスリリースを保証できるパートナーを必要としていました。そこで、IT・ネットワークのグローバルリーダーである日本電気株式会社(以下、NEC)が提供する5Gコアソリューションを採用しました。NECの5Gコアソリューションは、クラウドネイティブアーキテクチャを採用しコンテナ基盤上での動作を前提に開発され、プライベート・パブリッククラウド双方での採用実績があります。今回、NECはRed Hat OpenShiftを採用しモバイルサービス基盤としてのインテグレーションをおこない、通信事業者が求める堅牢性、信頼性、安定性を実現しました。こうしてNECとRed Hatの綿密な連携により開発された5GコアソリューションがNTTドコモの5G商用サービスで稼働しております。
この度の採用により、NTTドコモは、5Gインフラのスケーラブルかつ最適なリソースコントロールを実現し、運用コストやリソースコストを削減しながら、5G SA計画の迅速な展開を実現しました。
受賞カテゴリー: デジタル・トランスフォーメーション、クラウドネイティブ開発
受賞団企業:株式会社NTTドコモ
NTTドコモが展開している通信事業は、約30年に渡る事業拡大によりシステムが複雑化し、運用性が低下していました。今後もネットワークの競争力を維持・強化していくためには、運用コストを削減し、アプリケーションをモダナイズし、マイクロサービス・アーキテクチャを適用する必要がありました。
NTTドコモは、マイクロサービスやコンテナ環境を使いこなし、業界標準の開発手法や優れた技術ノウハウを迅速に提供するため、Red Hatをチームに迎えました。NTTドコモとRed Hatのチームは、ソースコードを52%削減し、業務画面数も75%削減するなど、生産性の向上を実現しました。さらに、OpenShiftによってITインフラをアップデートし、アプリケーションを効率的に開発し、俊敏に運用できる体制を構築しました。その結果、NTTドコモは、リリースサイクルを従来の約半分にまで短縮できるようになっています。今後もNTTドコモは継続的にDXを推進し、通信事業の効率性を追求していきます。
受賞カテゴリー: デジタル・トランスフォーメーション、オートメーション
受賞企業:株式会社野村総合研究所(以下、野村総合研究所)
野村総合研究所は、コンサルティングやITソリューションなどのサービスを通じて、社会やお客様の課題を解決するとともに、新たな社会価値を創造し、持続可能な社会づくりに貢献してきました。同社は、業務プロセス変革に寄与するDXからさらに進み、ビジネスモデルそのものを変革するDXを「DX2.0」、社会課題を解決しパラダイム変革を実現するDXを「DX3.0」と定義し、コンサルティングとITサービスのリソースの投入を通じてお客様を支援しています。
野村総合研究所は、DXを進めるうえで従来の基盤運用プロセスだけではなく、構築から運用フェーズにおいても自動化を前提とした新たな仕組みづくりが必要だと判断し、Red Hat Ansible Automation Platformを活用した運用基盤のあり方の刷新を決定しました。Red Hat Ansible Automation Platformの導入にあたり、同社が目指したのは、構築段階から運用段階、さらにその先まで継続する新しい自動化戦略を構築することです。これにより野村総合研究所は、Red Hatが提唱する「自動化2.0」の考え方や技術のノウハウを、現場レベルの技術者からマネジメント層がそれぞれの立場で認識し、自動化に向けた問題や課題を共通理解として共有、ゴールを設定しながら小さな成功体験を繰り返すサイクルを生み出す取り組みを始めました。
現在は構築フェーズの一部で実施している自動化を、今後は保守・運用フェーズまで拡大し、複数のプロジェクトで共通する業務を完全に自動化することを目指しています。野村総合研究所は、今後も活動を通じて得られた知見をもとに、日本のシステム運用の変革に貢献していきたいと考えています。
サポートコメント
Red Hat アジア太平洋地域担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー マリエット・アンドリーセ
「アジア太平洋地域のビジネス環境における変化のスピードは、今後ますます加速していくでしょう。だからこそ、私たちは、オープンソース・ソリューションが市場や顧客のトレンドに俊敏に対応するためにいかに役立つかを実証したお客様の功績を称えるのです。受賞企業の皆様は、ハイブリッドクラウド、データ分析、エッジコンピューティングなどの技術を自社のビジネスや顧客に活用する際に、卓越した俊敏性と革新性を発揮しています。彼らが、アジア太平洋地域のより多くの企業にとって、オープンソース・ソリューションの可能性を引き出すためのインスピレーションとなることを期待しています。」
株式会社NTTドコモ CTO, 常務執行役員 谷 直樹 様
「当社はこのたび、5Gの真価を発揮するスタンドアローン(SA)方式を用いた5Gネットワークの提供を開始いたしました。SAサービス提供に必要な”5Gコア”導入に際しては、NECとRed Hatのオープンソーステクノロジーが、安定運用と耐障害性向上に大きく貢献しました。また、既存ネットワークと新しい技術との両立により、将来にわたる柔軟性も確保できたと考えております。NEC、Red Hatをはじめとした信頼できるパートナーと共に、5G時代の新たなソリューションや感動をお客様に提供できることを、心より楽しみにしております。」
日本電気株式会社 執行役員常務 河村厚男 様
「NTTドコモの5Gコアネットワーク事業へのRed Hat OpenShift活用の実績が認められ、受賞できたことを光栄に思います。NECグループは『日本を含むグローバルでの事業にフォーカス』することを目標としており、グローバル5G事業を注力領域と定めて事業の拡大を目指しています。Red Hatのようにオープンソース・テクノロジーをグローバルに展開している企業との協業は、目標の実現に向けた大きな要因になります。NTTドコモの5Gサービスの拡大をRed Hatと共にサポートし、グローバル市場を含めた次世代モバイルインフラのさらなる発展に貢献できるよう取り組んでまいります。」
株式会社NTTドコモ 常務執行役 ネットワーク本部長 小林 宏 様
「NTTドコモは、5Gの高品質で経済的なネットワークの充実により、新たな顧客体験・価値の創造を目指しています。これを実現するためには、移動固定融合ネットワークをはじめとしたITインフラ設備の高度化・効率化とDX推進、レガシーシステムの改革が必須です。Red Hatは、レガシーシステムが抱える様々な課題を解決し、その壁を乗り越えていくための良きパートナーです。」
株式会社野村総合研究所 常務執行役員 マルチクラウドインテグレーション事業本部長 大元 成和 様
「このたびは、Red Hat APAC Innovation Awards 2022を授与いただき、誠にありがとうございます。Red Hat Ansibleは、大規模プロジェクトにおいても活躍が期待できる製品だと考えております。これからも新たな価値創造に向けた自動化の取り組みをいっそう推進していきます。」
関連リンク
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エンタープライズ向けオープンソースソフトウェア・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hatは、コミュニティとの協業により高い信頼性と性能を備えるLinux、ハイブリッドクラウド、コンテナ、Kubernetesなどのテクノロジーを提供しています。お客様の新規および既存のITアプリケーションの統合、クラウドネイティブ・アプリケーションの開発、業界をリードする当社のオペレーティング・システムによる標準化、および複雑な環境の自動化/セキュリティ確保/管理をお手伝いします。受賞歴を誇るサポート、トレーニング、およびコンサルティング・サービスにより、Red Hatはフォーチュン500企業に対する信頼すべきアドバイザリーとなっています。クラウドプロバイダー、システムインテグレーター、アプリケーションベンダー、お客様、およびオープンソース・コミュニティの戦略的パートナーとして、デジタルの未来に備えるための準備を支援します。
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