フィードを購読する

Fedora プロジェクトは本日、フリーでオープンソースのオペレーティングシステムの最新版である Fedora Linux 41 が一般公開されたことを発表しました。このリリースの Fedora では、デスクトップシステム向けの機能として、新しい Fedora Miracle スピン、RPM 4.20、DNF5 のアップデートが搭載されました。ここでは、Fedora 41 の新しくアップデートされた機能についてご紹介します。前のリリースからアップグレードする場合は、システムが最新の状態になっていることをご確認ください。

新機能

Fedora Miracle スピン

Miracle Window Manager は Mir コンポジッターライブラリをベースとしたタイル型ウィンドウマネージャーです。比較的新しいプロジェクトではありますが、手動タイリングアルゴリズム、浮動ウィンドウマネージャーのサポート、多くの Wayland プロトコルのサポート、プロプライエタリーな Nvidia ドライバーのサポートなど、多くの便利な機能を備えています。Miracle は Fedora に、ローエンドの ARM デバイスや x86 デバイスを含むあらゆる種類のプラットフォームをサポートする高品質な Wayland エクスペリエンスをもたらします。また、Fedora は Miracle ベースのスピンを提供する最初のディストリビューションとなりました。

DNF 5

Fedora Linux 41 はデフォルトで、コマンドラインパッケージ管理ツール DNF の最新メジャーリリースを使用します。このバージョンは処理が高速化され、パッケージが小さくなり、必要とするサポートパッケージも少なくなっています。コンテナやメモリーに制限のあるシステムで “microdnf” を使用する必要はもうありません。コンテナ、サーバー、デスクトップ、デバイスで同じ DNF を使用できます。

イメージモードバリアントの DNF と bootc

DNF 5 は Atomic Desktops、CoreOS、Fedora IoT などといったイメージベースの Fedora バリアントでも使用できます。これらのシステムで RPM を管理する際には、クライアント側で “rpm-ostree” を呼び出すのではなく DNF を使用し、bootc を使用してイメージベースのデプロイとアップデートを管理できます。

PHP 64 ビットのみ

このリリースでは、32 ビット版 PHP がサポートされなくなりました。64 ビット版のみがサポート対象になり、それにより Fedora での開発が大幅にリーンなものになり、再構築も高速化されます。

Redis を Valkey で置き換え

Fedora は高性能キー/データストアとして Redis ではなく Valkey を導入し、他の FOSS コミュニティとの長く続くパートナーシップを継続しています。

プロプライエタリーな NVIDIA ドライバーのインストールとセキュアブートのサポート

セキュアブートの使用率が高まっていますが、NVIDIA のドライバーはセキュアブートをサポートしておらず、そのため以前は GNOME ソフトウェアからは削除されていました。今回の変更により、セキュアブートを使用している Fedora Workstation ユーザーは再びプロプライエタリーな NVIDIA ドライバーを使用することを選択できるようになりました。これは Fedora をゲーミングや CUDA で使用することを望むユーザーにとってはよいニュースであり、また、プロジェクトが AI/LLVM ワークロードに関する機能において最新の状態を保つためにも重要です。

Firefox での PipeWire カメラセンサーのサポート

このリリースには、PipeWire を通じて Firefox で IPU6 CIS レシーバーと libcamwera の 0.3 ソフトウェア ISP サポートを使用する、Intel IPU6 にアタッチされた MIPI カメラの統合サポートが含まれています。

KDE Plasma Mobile スピン

この Fedora リリースでは、新しいモバイル OS オファリングが提供されます。KDE Plasma Mobile スピンは、F41 で KDE Plasma Desktop を柔軟なモバイル形式にします。これは、スマートフォン、タブレット、2-in-1 ノートパソコンで機能します。

機能アップデート

Pytest 8

Pytest はテストの作成に使用される人気の Python フレームワークで、Pytest 8 は F41 リリース以降、廃止予定となっている多くの機能を削除します。このリリースで特筆すべき機能強化としては、カスタム・ディレクトリ・コレクターと改善された差分表示などがあります。このバージョンで削除された機能のためにエラーが誘発される場合もあるので、お使いの Pytest スタックで発生する可能性のあるエラーを理解するために、このバージョンの変更ページを確認してください。

RPM 4.20

RPM 4.20 リリースでは、ハンズフリーパッケージング (宣言的ビルドシステム、スクリプトレットのファイルトリガー引数、スペックローカル依存関係ジェネレーターのサポート、保証されたビルドごとのディレクトリなど)、パブリックプラグイン API、インストールスクリプトレットの分離の向上など、多くの改善と機能追加が行われました。

Perl 5.40

このリリースでは Fedora 41 に新しいバージョンの Perl がもたらされました。Perl 5.40 では新しい ‘class’ キーワード、フィールド変数の :reader 属性、エラー処理機能の強化など、多くのアップグレードが行われています。

Golang 1.23

この Fedora リリースでは最新バージョンの Go が使用できます。Fedora は今後も Go 言語とそれで書かれたプロジェクトの信頼できる開発プラットフォームとなります。

GIMP バージョン 3

最新バージョンの GIMP では色管理が強化され、CMYK インポート/エクスポートがサポートされます。タブレットなどの入力デバイスや超高解像度ディスプレイでのユーザーエクスペリエンスが大幅に向上するほか、より新しいバージョンの GTK と Python を使用するのでパフォーマンスも上がっています。より新しい技術スタックが組み込まれたので、Python を使用するプラグイン開発者は以前のバージョンでは使えなかったパッケージや言語機能をアプリケーション内で使用できます。

Taskwarrior 3

Taskwarrior はコマンドラインから To-Do リストを管理できるフリーなオープンソースソフトウェアです。柔軟で高速に動作し、邪魔になりません。必要なときだけ出てきて、終わったら隠れます。F41 に収録されているこのバージョンでは、task2 パッケージを持つユーザーが簡単に最新バージョンへと移行し、以前と変わらず使い続けることができます。

LXQt 2.0

Fedora の LXQt は v2.0 にアップグレードされます。これによりデスクトップ全体が Qt 6 に移行し、実験的な Wayland サポートも追加されます。

Fedora Linux 41 は現在ダウンロードできるようになっています。すでに Fedora Linux をお使いの場合は、簡単な手順に従ってアップグレードできます。Fedora Linux 41 の新機能の詳細についてはリリースノートをご覧ください。困ったことがあったら Ask Fedora ユーザーサポートフォーラムにアクセスしてみてください。一般的な問題のカテゴリも用意されています。


執筆者紹介

Matthew Miller is a Distinguished Engineer and the current Fedora Project Leader.

Read full bio
UI_Icon-Red_Hat-Close-A-Black-RGB

チャンネル別に見る

automation icon

自動化

テクノロジー、チームおよび環境に関する IT 自動化の最新情報

AI icon

AI (人工知能)

お客様が AI ワークロードをどこでも自由に実行することを可能にするプラットフォームについてのアップデート

open hybrid cloud icon

オープン・ハイブリッドクラウド

ハイブリッドクラウドで柔軟に未来を築く方法をご確認ください。

security icon

セキュリティ

環境やテクノロジー全体に及ぶリスクを軽減する方法に関する最新情報

edge icon

エッジコンピューティング

エッジでの運用を単純化するプラットフォームのアップデート

Infrastructure icon

インフラストラクチャ

世界有数のエンタープライズ向け Linux プラットフォームの最新情報

application development icon

アプリケーション

アプリケーションの最も困難な課題に対する Red Hat ソリューションの詳細

Original series icon

オリジナル番組

エンタープライズ向けテクノロジーのメーカーやリーダーによるストーリー