Porsche Informatik は最近、Red Hat OpenShift をデプロイしてアプリケーションの開発および提供をスピードアップし、ペースの速いグローバル市場で競争力を維持しています。今月は、この自動車業界のお客様導入事例だけでなく、Red Hat OpenShift をデプロイして効率向上を実現し、その過程でよりアジャイルでコラボレーティブな DevOps アプローチを導入した公共部門や銀行業界のお客様にも焦点を当てます。

「Kubernetes が Linux コンテナ開発のデファクトスタンダードになったので、当社のコンテナ・テクノロジーには迷いなく Red Hat OpenShift を選びました」と、Porsche Informatik の ICS クラウドおよび自動化、ICS システム、ミドルウェアのチームリーダー、Michael Hinterland 氏は語ります。

Red Hat OpenShift は、Kubernetes コンテナ・オーケストレーション基準に基づいて、エンドユーザー向けアプリケーションのための安定したコンテナ・プラットフォーム環境と、開発チーム向けの継続的インテグレーションおよびデリバリー (CI/CD) パイプラインのサポートを提供します。Porsche Informatik、米国ミシガン州、そして Poalim Bank が、Red Hat テクノロジーをどのように使用して成功を収めたかを見てみましょう。

自動車業界向け IT サービスプロバイダーの成功を支える OpenShift

Porsche Informatik は、フォルクスワーゲングループに IT サービスを提供しています。自動車販売店、整備工場、輸入業者、物流会社、金融サービスプロバイダーの何百万ものユーザーがそのシステムを利用しています。Porsche Informatik は、30 カ国で利用可能な 160 のソリューションを提供し、管理しています。

「この業界では、最初に市場に参入するか、最初の敗者になるかのどちらかです。私たちは、レガシー・インフラストラクチャを、クラウドネイティブ・アプリケーションを迅速に構築できるプラットフォームに移行したいと考えています」と Hinterland 氏は語ります。

Porsche Informatik は、2015 年から Red Hat Enterprise Linux (RHEL) を使用しており、2017 年にはデータセンターのプロバイダーや Red Hat パートナーである eww ITandTEL と連携してプライベートクラウド環境を確立しました。eww ITandTEL と Red Hat テクニカルアカウントマネージャー (TAM) の支援を受けて、データセンターのオンプレミスで実行する Red Hat OpenShift への移行はわずか 6 週間で完了しました。このプラットフォームは現在、75 ノード上の数千におよぶコンテナの開発プロセスをホストしており、350 人を超える開発者が定期的に使用しています。

Porsche Informatik は、コンテナベースのクラウドネイティブ開発環境によって開発チーム向けのセルフサービス機能を確立しました。開発者は、同社のインフラストラクチャ・チームに頼らずに、サービスとインフラストラクチャのプロビジョニングを行うことができます。アプリケーションとサービスの構築、テスト、市場投入のスピードは、以前より 90% 向上しました。

「以前のアプローチには複数のチームが関わっており、多くの承認プロセスが必要でした。また、アプリケーションのデプロイに 6 週間もかかることがありました。今では、Red Hat OpenShift によって数時間以内にプロトタイプを利用できます」と、Porsche Informatik のシステムエンジニアである Simon Waldner 氏は語ります。

Red Hat OpenShift によって、Porsche Informatik は開発時間の短縮と IT チーム間のコラボレーションの向上を実現しました。その方法について詳しくは、事例の全文をご覧ください。

米国ミシガン州が市民向けサービスの提供時間を短縮

米国ミシガン州の技術管理予算局 (DTMB) は需要に対応するため、コンテナベースのインフラストラクチャに移行することによって、行政機関のデジタルサービスの開発、提供、および信頼性の向上を目指していました。これらの取り組みで重要だったのは、共有プラットフォームでさまざまな機関をサポートするために、州の IT インフラストラクチャを統合および標準化することでした。

DTMB は、Red Hat ストレージと Red Hat Ansible Automation Platform などの自動化ソリューションがサポートする、Red Hat OpenShift をベースとした新しい環境によって、アプリケーション提供にかかる時間を短縮し、市民へのデジタルサービス提供を迅速化しました。

実装期間中は Red Hat コンサルティングと緊密に連携して、設計を検証し、実装を監督し、Red Hat OpenShift コンテナ環境のための新しいスキルとベストプラクティスを学びました。「以前は部門間の連携がなく、コミュニケーションも非効率的だったため、デプロイのサイクルが長期化していました。Red Hat と連携して OpenShift をデプロイし、その関係を維持することで、非常にコラボレーティブなプロセスを構築することができました。デプロイにかかわった開発者は、そのプラットフォームへの深い愛着を覚えています」と、米国ミシガン州 DTMB のテクニカルサービス担当ディレクター、David Tremblay 氏は語ります。

DTMB は、Ansible Automation Platform と Red Hat OpenShift を使用してさまざまなインフラストラクチャ管理ワークフローを自動化することにより、クラウド・コンピューティングを IT 環境の一部として導入する計画にも対応できる、信頼性が高くスケーラブルな基盤を構築しました。事例では、市民向けサービスと内部運用プロセスの両方における DTMB のデジタル・トランスフォーメーションについて詳しく説明しています。

DevOps ワークフローで銀行業務の競争力を維持

Poalim Bank は、多くの競合と同様、金融業界のデジタル運用や顧客エンゲージメントへの移行による新たな機会、そして課題に直面しています。イスラエル最大の銀行の 1 つである Poalim は、すでに金融サービスにおけるイノベーションリーダーであり、2015 年に最初のペーパーレスデジタル支店を開設し、2017 年にはピアツーピア (P2P) 決済プラットフォームの Bit を立ち上げました。現在、Poalim は、競争力を維持するために、新しいデジタルサービスと機能の市場投入時間を短縮することに注力しています。

Poalim は RHEL を 5 年間使用しており、すでに Red Hat に精通しています。同行は最近、デジタルサービスとアプリケーション環境を Red Hat OpenShift に移行することを決定しました。

Red Hat OpenShift インタフェースによって、運用チームはリソースの使用、容量、およびアクセスを明確に把握できます。開発者は自動化を使用して、テスト環境を数分でデプロイできます。以前、このプロセスには最大 1 週間かかることもありました。さらに、回帰テストのプロセスにかかる期間は、2 週間からわずか 3 日に短縮されました。

Poalim はまた、デプロイ前とデプロイ中に Red Hat コンサルティングと緊密に連携して、PoC テスト、DevOps ワークフロー導入のためのガイダンス、技術サポートに関する支援を受けました。デプロイが成功し、現在は ATM 管理システムと Bit プラットフォームを Red Hat OpenShift に移行して実行しています。将来的にはワークロードとサービスをさらに移行する予定です。

「以前は、他の銀行がしていることと、自分たちがしていることを比較していました。今は自分たちの方向性を決めるために必要なプラットフォームがありますから、他行の動きはもう気になりません。イノベーションを開発し、早く失敗し、新しいテクノロジーを採用する、ということを通して、銀行の新しい時代における自分たちのやり方を見出すことができます」と、Poalim Bank の技術変革リーダー、Dani Sela 氏は語ります。Red Hat テクノロジーが Poalim Bank の競争力維持にどのように役立っているかについては、事例の全文をご確認ください。

成功事例は他にもあります

Red Hat は毎月、事例やお客様導入事例を公開して、当社の製品とサービスが組織の問題解決と環境の改善にどのように役立つかを解説しています。Red Hat のお客様導入事例のページをぜひご覧ください。州の機関、銀行、自動車会社だけでなく、さまざまな組織が Red Hat テクノロジーを使用することによってどのように成功を収めているかをご紹介しています。