先進的な開発者にとっての最大の不満は、コードではなく、コード以外のタスクによって生じる摩擦です。コンテキストの切り替えが絶え間なく続くことや、適切な社内文書を永遠に検索しなければないこと、また古い標準を使用して構築してしまうリスクなどがあります。開発者の 50% が、コーディング以外のタスクに週に 10 時間以上も対処しなくてはならない と報告しています。これは年間 100 人のエンジニアあたり最大 160 万ドルの損失に相当します。組織は、企業独自の開発標準に基づいた、高速で高度にパーソナライズされたセルフサービスのエクスペリエンスで開発者を支援する必要があります。

そこで、Backstage プロジェクトをベースにしたエンタープライズ対応の開発者ポータルの最新バージョンである Red Hat Developer Hub 1.8 を発表できることを嬉しく思います。このリリースの新機能と拡張機能により、ユーザーは以下を得ることができます。

  • 生産性を向上させ、AI をアプリケーションに統合する AI ツール
  • ガバナンスの拡張、サポート利用の容易化、機能の迅速な拡張を実現するライフサイクルツール
  • 迅速なセルフサービスとオンボーディングを可能にする、よりパーソナライズされたエクスペリエンス

コンテキスト認識型の AI で生産性の向上を実現

AI 支援によって生産性の向上を実現するには、AI 自体がコンテキストを認識できる必要があります。Red Hat Developer Hub 1.8 はこれを実現するための基盤となるアーキテクチャを導入し、このプラットフォームを組織環境を理解するインテリジェントなパートナーへと変化させます。

コアアーキテクチャに留まらず、Red Hat はアプリケーションに AI を統合する方法を単純化しています。開発者は、ワークフローを中断してモデルを探す必要はありません。モデルを既存のツールと共有させることで、生産性が向上します。

Red Hat Developer Hub 1.8 は、この新しいインテリジェントな基盤を確立し、AI 統合を最適化するための主要な機能を提供します。

  • Red Hat Developer Lightspeed for Red Hat Developer Hub は Llama Stack を使用して動作:開発者がコーディング以外のタスクをより迅速に完了できるように支援するアシスタントである Developer Lightspeed は、エージェント型 AI システムの先進的な業界標準であるオープンソースの Llama Stackフレームワークの上に構築されています (開発者プレビューとして利用可能)。このより柔軟な基盤により、Developer Lightspeed は MCP エージェントや RAG など、オープンソース・プロジェクトの抽象化や各種機能の多くを利用できるようになり、お客様が独自の知識を今後のリリースで活用できるようになります。
  • Developer Lightspeed とモデル・コンテキスト・プロトコル (MCP) の統合:開発者プレビューとして利用できます。この統合により、Lightspeed はユーザーの当面のソフトウェア環境に関する質問に答えることができます。チャットボットと IDE アシスタントが、ソフトウェアカタログおよび技術ドキュメントからリアルタイムデータをクエリーします。たとえば、開発者は「金融に関連するマイクロサービスについて教えてください」と質問すると、正確で最新の回答が得られます。
  • Red Hat OpenShift AI コネクターによる AI 開発の加速:開発者プレビューとして利用可能な、Red Hat Developer Hub 用の新しい OpenShift AI コネクターは、承認された AI モデルと Red Hat OpenShift AI のモデルサーバーを Red Hat Developer Hub ソフトウェアカタログに直接同期します。この統合により、開発者はテスト済みの AI/ML モデルと従来のソフトウェア・コンポーネントすべてを 単一画面からより簡単に発見し、評価し、再利用できるようになります。

大規模なガバナンス:ペースを落とすことなく標準を施行

数百から数千ものコンポーネントに対して組織の標準を適用することは、プラットフォームエンジニアにとって膨大な作業になります。基本テンプレートでセキュリティの脆弱性にパッチを適用する場合、デプロイされたすべてのアプリケーションが更新されていることをどのように確認できますか?このような状況は、コンプライアンスとセキュリティに関する膨大な負債を生み出します。

Red Hat Developer Hub 1.8 は、2 つの強力なコード駆動型機能により、手動によるボトルネックから継続的な自動化へとガバナンスを変革します。

  • 自動化されたテンプレートのライフサイクル管理:Red Hat Developer Hub は、アプリケーションとそのソーステンプレート間の永続的かつ追跡可能なリンクを維持します。標準が変更されると (重要なライブラリの更新やセキュリティパッチなど)、プラットフォームは開発者に自動的に通知し、アプリケーションを再び準拠状態に戻すことができます。これは「コードとしてのガバナンス」であり、継続的に運用されます。
  • スコアカードプラグイン:テクノロジープレビューとして利用可能なこの機能は、この機能は技術プレビューとして提供され、特定のコンポーネントにおける未解決のセキュリティ脆弱性や未解決の優先度の高いバグ、または古いプルリクエストの数といった重要な指標を表示することで、開発基準の準拠を支援します。Jira や GitHub などの一般的なソースから取得することで、スコアカードは潜在的な問題の特定とフラグ立てを容易にします。
  • エンタープライズ対応の認定済みプラグイン:新しい認定済みプラグインプログラムは、安定性と信頼性のために不可欠な品質保証とベンダーサポートを提供します。認定済みプラグインは、企業パートナーによってテストされており、Red Hat Developer Hub で動作することが確認されています。また、サポートは企業パートナー経由で提供されます。リリース時点では、認定済みプラグインは、エンタープライズパートナーの Dynatrace および IBM から提供されます。Red Hat Developer Hub 経由でサービスの提供を希望するパートナー様におかれましては、こちらにご連絡ください。

迅速なセルフサービスとオンボーディングのためのパーソナライズされたエクスペリエンス

開発者エクスペリエンスとは、開発者がタスクを実行するために必要な正確な情報を簡単に見つけられるようにすることです。Red Hat Developer Hub 1.8 は、以下のような新機能と拡張機能により、摩擦のないスムーズなエクスペリエンスを実現します。

  • カスタマイズ可能なペルソナベースのホームページ:開発者プレビューとして利用可能な、デフォルトのホームページが特定ユーザーのペルソナ (開発者、プラットフォームエンジニア、セキュリティの専門家など) に合わせて調整されるようになりました。プラットフォーム管理者は、各ユーザーグループがログイン時に最も関連性の高い情報をすぐに確認できるように、さまざまな異なるデフォルトレイアウトを定義できます。今後のリリースではこの機能がさらに拡張され、個々のユーザーがこれらのデフォルトをカスタマイズして独自のエクスペリエンスを得られるようにする予定です。
  • 初回の開発者オンボーディングの最適化:Red Hat Developer Hub 1.8 は、新しい開発者の生産性の向上までにかかる時間を短縮します。ペルソナに合わせてカスタマイズされる、新たに構造化された段階的なオンボーディング・エクスペリエンスは、既存のアプリケーションやセルフサービス機能をすぐに発見できるようにユーザーを支援します。
  • ローカライズによるグローバル展開の拡大: グローバルなエンタープライズチームのサポートを強化するために、Red Hat Developer Hub 1.8 はフランス語のローカライズサポートを導入します。テクノロジープレビューとして利用可能なこの機能は、ユーザー・インタフェース要素、ラベル、システムメッセージをユーザーのネイティブ言語に変換し、認知負荷を軽減し、誤釈を最小限に抑え、ツールを多言語の開発チームにとってより包括的で使いやすいものにします。

エンタープライズ対応のターンキー型社内開発者ポータル

Red Hat Developer Hub 1.8 の一般提供により、当社は本当の意味でエンタープライズ対応でインテリジェントな開発者ポータルの基盤を提供できます。このリリースにより、開発者はコンテキスト認識型の AI 支援を活用し、複雑で摩擦の多いプロセスをコンプライアンスに準拠した使いやすいセルフサービスワークフローへと転換することで、従来型、クラウドネイティブ、AI 対応など、あらゆる種類のアプリケーションをより迅速に構築できます。このリリースはプラットフォーム・エンジニアにとって、自動化されたガバナンス機能と新しい認定済みエンタープライズ・プラグインへのアクセスを通じて、安定性とコンプライアンスを大規模に維持するために必要な重要なツールを提供します。Red Hat Developer Hub 1.8 は、高品質で効率的かつ適切に管理された社内開発者エクスペリエンスの提供を目指す組織向けの包括的なソリューションです。

Red Hat Developer Hub 1.8 の一般提供は、今月下旬に開始される予定です。Red Hat Developer Hub の詳細を確認し、無料でトライアルを開始するには、こちらにアクセスしてください。


執筆者紹介

Balaji is the Head of Product, Developer Tools at Red Hat, where he leads the development of products to address the needs of developers, including Red Hat Developer Hub (based on Backstage.io) and Podman Desktop. Before joining Red Hat, Balaji served as the Executive VP of Product at OpsMx, where his primary focus was enabling companies to achieve intelligent and secure multi-cloud application delivery at scale. Prior to that, he led product management of cloud native solutions at Cisco. 
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