本日、Red Hat Summit において、インテリジェントエッジについてお話しできることを大変嬉しく思います。これは重要なフロンティアであり、実際の業務をインテリジェンスによって変革しています。Red Hat と ABB の連携強化、Red Hat In-Vehicle Operating System の ISO26262 ASIL-B 安全認証取得、Red Hat Edge Manager のリリースといった Red Hat Summit での最近の発表は、単なる進化の一歩ではありません。これらは明確なシグナルです。エッジこそがコンピューティングの未来の成長の源であり、Red Hat はお客様がこの進化におけるリーダーになれるよう、積極的にサポートしていきます。
長きにわたり、エッジは、ワークロードを戦略的に近い場所や利便性に応じて配置する単なる場所と捉えられてきました。しかし、Red Hat は根本的に異なる視点を持っています。これはデータセンターの拡張ではなく、業務の運営方法を変革し、収益の向上につなげることです。考えてみてください。コンピューティングパワー、そして何よりも重要なのはインテリジェンスを、データが爆発的に増加する場所に直接届けることです。真の価値が解き放たれるのは、まさにそこなのです。
エッジ AI は今まさに現実世界に影響を与えている
この変革を加速させる原動力は何でしょうか。AI です。エッジと AI の相乗効果はゲームチェンジャーになります。そこで当社は Red Hat AI Inference Server や、大規模な分散型生成 AI 推論を強化するコミュニティプロジェクトの llm-d などの取り組みに力を入れています。私たちが目指しているのは、単にエッジに AI を導入することではありません。AI を実用的で、スケーラブルで、効率的なものにすることです。最も重要なところでリアルタイムの意思決定が行われ、自動運転車の安全性が向上し、機器の故障を事前に予測でき、真にパーソナライズされたエクスペリエンスが実現する様子を想像してみてください。これは SF の世界の話ではなく、ローカライズされたインテリジェンスの力なのです。
信頼に基づいて構築され、現場で実証されている
エッジにおける私たちの自信は、理論的なものではありません。当社は長年にわたり、通信、製造、エネルギー、自動車、小売など、最も要求の厳しい業界のお客様やパートナーと連携してきました。私たちは、ミッションクリティカルの真の意味を理解しています。当社のオープン・ハイブリッドクラウド・ソリューションは、単に将来の可能性を追求するだけでなく、お客様の既存の投資を基盤としながら、お客様が現在必要とする AI 駆動型のエッジ機能をシームレスに統合します。
自動車業界を例に挙げましょう。Red Hat In-Vehicle Operating System は、将来 (そして実際は現在も) のソフトウェア・デファインド・ビークル向けに設計されている、安全性認証済みの Linux です。車両は AI と、すべてのドメイン機能における膨大な量のデータの処理能力によってますますスマート化しており、ソフトウェアによる頻繁な機能アップグレードが行われています。Red Hat In-Vehicle Operating System は、こうしたソフトウェア・イノベーションを加速し、情報をリアルタイムで処理し、開発コストの削減と市場投入時間の短縮を実現しながら、車内エクスペリエンスを革新します。Red Hat In-Vehicle Operating System は安全性を損なうことなく、高度な組み込みインテリジェンスを実現します。また、Red Hat の作業はサイロ化していません。このレベルの変革には継続的なコラボレーションが不可欠です。自動車メーカーは長らく多様なサプライヤーエコシステムに依存してきましたが、ソフトウェア中心の設計アプローチへの移行には、新たなパートナーシップと作業方法が必要です。Red Hat は、Red Hat In-Vehicle Operating System がこの変革を効果的に支えられるよう、こうしたコラボレーションを積極的に推進しています。
エッジは製造業のオペレーションにも革命をもたらしています。時代遅れのハードウェア中心のシステムからの決定的な転換が進んでいます。たとえば、ABB と Red Hat は、将来を見据えた自動化システムの開発に向けたコラボレーションを拡大し、プロセス産業用制御アプリケーションのよりセキュアなモジュール型導入を可能にしたことを発表しました。当社のエッジ・プラットフォームは、製造業者がハードウェアを統合し、市販の既製ソリューションを活用し、かつてないほどアジャイルな産業ワークロード管理を実現できるよう支援します。仮想化アプリケーションやコンテナ化アプリケーションを単一のアジャイルなプラットフォームに移行することで、製造現場にモジュール性をもたらし、システムセキュリティを向上させ、ミッションクリティカルな製造プロセスのダウンタイムを最小限に抑えられるため、スマートファクトリーへの道を切り開くことができます。
Red Hat は、ソフトウェア・デファインド・インフラストラクチャの力を直接工場現場にもたらし、複雑さを軽減し、デジタル・トランスフォーメーションを加速します。エッジでは、製造業の物理世界とデジタル世界が真に融合できるのです。
Red Hat Edge Manager でインフラストラクチャと監視を効率化
正直なところ、広がり続けるエッジ環境の管理は手に負えないと感じるかもしれません。そこで登場するのが Red Hat Edge Manager で、分散したエッジを一元管理するコマンドセンターとなります。Red Hat Edge Manager は、セキュリティ強化されたオンボーディングから廃棄に至るまで、エンドツーエンドのライフサイクル管理を実現します。OS と設定のアップデートを単純化し、ワークロードのデプロイメントをオーケストレーションします。エッジに秩序をもたらし、確実な拡張に必要な可視性、制御、自動化を実現します。
Red Hat のオープン・ハイブリッドクラウド・ソリューションにより、インテリジェントな運用の未来はエッジにあります。私たちはお客様がその未来を掴むお手伝いをいたします。
Hatville:エッジコンピューティングが実用化されたミニチュアシティ
執筆者紹介
Francis Chow is currently VP & GM, In-vehicle Operating System and Edge at Red Hat. Previously, he spent five years at VMware and was VP, Operations, Business Development and Strategy of the Telco and Edge Cloud Business Unit. Prior to VMware, Chow spent about 20 years in the semiconductor industry in leadership roles spanning across Engineering, Corporate Development, Marketing and Sales, and was a VP/GM for a $1B P&L before venturing into the software world. Chow holds an MBA and an MSEE from University of California at Berkeley and a BSEE from Rensselaer Polytechnic Institute. He has seven US patents.
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