Red Hat Runtimes を使ってアプリケーション開発と提供を高速化

製品概要

開発組織は、これまでにないスピードでビジネスにソリューションを提供するのと同時に、コストを最小限に抑え、リスクを低減することが求められています。そのため、ビジネスアプリケーションを実装するための複数のツール、言語、フレームワークを必要としており、適切なタスクに適切なツールを使用することは必須要件になっています。同時に、既存のアプリケーションは進化し続け、新たなアジャイルプロセスやクラウドを使用する高度に分散されたアーキテクチャと統合できる必要があります。

Red Hat® Runtimes は、クラウドネイティブ・アプリケーション開発のニーズを持つ開発者、アーキテクト、IT リーダー向けに、包括的なフレームワーク、ランタイム、プログラミング言語のセットを提供します。これによりビジネスソリューションの開発と提供が迅速化されるため、競争力を維持し、より多くの時間をイノベーションに費やすことができます。

イメージコンテナ 図 1. Red Hat Runtimes アーキテクチャ


表 1. Red Hat Runtimes の特長とメリット

主な特長 メリット
複数のランタイムとフレームワークをサポート 既存および先進テクノロジーに対応:既存および最新のミドルウェア・テクノロジーを利用できるため、真の自由と柔軟性を実現できます。
ランタイムとアプリケーション機能を統合 標準化されたアプリケーション開発ポートフォリオ:ランタイム、データメッセージング、データアクセス、セキュリティなど、アプリケーション開発ポートフォリオを標準化します。開発者の生産性を向上させ、組織の時間とコストを節約します。
DevOps 対応  市場投入時間の短縮:Red Hat OpenShift® と緊密に統合し、クラウドネイティブ・アプリケーションの開発、提供、デプロイに理想的なプラットフォームを提供して、市場投入時間を短縮します。
エンタープライズ・グレード、本番環境対応のミドルウェア・テクノロジー 市場で実証済みのテクノロジー: アプリケーション・ランタイム、データキャッシング、データメッセージング、セキュリティなど、市場で実証済みのテクノロジーと本番環境に対応した機能を提供します。
サンプルアプリケーション、アプリケーション移行ツールキット 開発者の生産性:既存のアプリケーションの移行と最適化に必要なツールを開発者に提供することで効率を高め、イノベーションと競争力の維持のためにより多くの時間を費やすことができます。

技術仕様

Red Hat Runtimes は、クラウドネイティブ・アプリケーションの開発とメンテナンスに推奨される製品、ツール、コンポーネントを 1 つのセットとしてまとめたものです。このポートフォリオは、ランタイム、フレームワーク、高速データアクセス、および高性能なメッセージングを、柔軟で使いやすく、コスト効率の高い、オープンでコラボレーティブな方法で提供します。Red Hat Runtimes は、オンプレミス、クラウド、または Red Hat OpenShift などのコンテナ・プラットフォーム内で実行できます。

イメージコンテナ 図 2. Red Hat Runtimes 製品およびコンポーネント


表 2. Red Hat Runtimes 製品およびコンポーネントの説明

製品
クラウドネイティブ・ランタイム

Runtimes

Red Hat の Quarkus ビルド:上位の Java ライブラリおよび標準を使用して作成され、コンテナとクラウドのデプロイに合わせて調整された Kubernetes ネイティブの Java™ スタックを提供します。

Red Hat の Eclipse Vert.x ビルド:非同期で非ブロッキングの開発モデルを使用して、Java 仮想マシン (JVM) 上に分散型のリアクティブ・アプリケーションを構築します。

Red Hat の Node.js ビルド:サーバーサイドの JavaScript アプリケーションの構築、ホスティング、およびスケーリングを行うための信頼できるプラットフォームを提供します。

Red Hat の Spring Boot のサポート:Red Hat JBoss® Web Server に埋め込まれた Apache Tomcat コンテナを使用する、スタンドアローンで本番レベルの、Spring ベースのアプリケーションを作成します。

Red Hat JBoss Enterprise Application Platform (EAP)

先進的なオープンソースの Jakarta EE をベースとしたアプリケーション・ランタイムを提供し、トランザクション機能を強化した Java アプリケーションやサービスの構築、デプロイおよび実行に使用できます。オプションの拡張機能を備えた MicroProfile のサポートも含まれます。

OpenJDK の Red Hat ビルド 

Java Platform、Standard Edition (SE) の無料のオープンソース実装と、Red Hat Enterprise Linux® 内のデフォルトの Java 開発およびランタイムです。OpenJDK のパッケージは、他のコンテンツセットと同じ方法で Red Hat Enterprise Linux で利用できます。

Red Hat Data Grid 

メモリーを使用し、複数のサーバー間で情報の同期を維持し、分散キャッシュ、NoSQL データベース、イベントブローカーとして使用できるアプリケーションデータ用のエンタープライズ向けオープンソース分散データ管理システムです。

Red Hat JBoss Web Server 
オープンソースの Web アプリケーション環境の開発と管理を単純化します。認定済みで本番環境に対応する Apache Tomcat のディストリビューションとサポートライブラリが含まれており、シンプルな Java Web アプリケーションとサービスの迅速な構築、デプロイおよび管理に使用できます。
Red Hat AMQ ブローカー 
Red Hat AMQ ブローカーは、フル機能のメッセージ指向ミドルウェアブローカーです。高度なキューイング、メッセージの永続性、優れた管理性などの特長を備えています。
Red Hat のアプリケーション移行ツールキット

アプリケーション移行ツールキットは、顧客のプロプライエタリー・ミドルウェア・プラットフォームや旧式のミドルウェア・プラットフォームを、最先端かつ軽量な、モジュール式のクラウド対応ミドルウェア・アプリケーション・インフラストラクチャに移行するプロセスを容易にする一連のユーティリティを提供し、チームの生産性を向上させて、 将来に備えられるようにします。
シングルサインオン (SSO) Keycloak プロジェクトをベースとする SSO によって、SAML 2.0、OpenID Connect、OAuth 2.0 などの標準的な規格に基づく Web SSO 機能を提供して、Web アプリケーションのセキュリティを保護することができます。SSO サーバーは SAML ベースまたは OpenID Connect ベースの ID プロバイダーとして機能し、エンタープライズ・ユーザー・ディレクトリやサードパーティ製の SSO プロバイダーとの ID 情報のやり取りを、標準ベースのトークンを使用するアプリケーションと統合します。
ランチャーサービス 
ランチャーサービスは、開発者が新しいアプリケーションの構築とデプロイを 5 分以内に実行するよう支援します。このサービスによりアプリケーションのスキャフォールディングが作成されるため、開発者はビジネスロジックと成果の早期達成に注力できます。ランチャーサービスでは、ユーザーはフロントエンド・アプリケーション (React、Angular、Vue. js など)、 バックエンドランタイム (Quarkus、Node.js、Spring Boot、Thorntail、Vert.x など)、バックエンド機能 (リレーショナル・データベース、HTTP API など) を選択できます。このサービスでは、Red Hat OpenShift 経由でオンラインでビルドとデプロイを行うか、またはローカルで実行するかを選択できます。

また、このサービスは、先進的なマイクロサービス・アプリケーション開発のコア原則を示し、本番環境と同様の環境で実行される、事前構成済みで機能的なサンプルアプリケーションも提供します。

詳細は red.ht/runtimes をご覧ください。