エッジは問題ではなく、問題解決の手段 です。
コンピューティングを
最も効果的な場所で行う
データは、厳しい環境や意外な場所でその力を発揮しています。たとえば、国際宇宙ステーション、コネクテッドカー、工場の生産現場、海上の船、近所の薬局など。データは従来、データセンターやクラウドで処理するものでした。しかし、ネットワークの先端、すなわちエッジで重要な決定を行わなくてはならないケースも少なくありません。
Red Hat では、エッジコンピューティングをデータソースやエンドユーザーにまでオープン・ハイブリッドクラウドを拡張する機会だと捉えています。エッジは、求められている知見とエクスペリエンスを瞬時に提供するための戦略なのです。
エッジが簡単だと言った人はいません。コネクテッドデバイスは大量のデータを生成しています。組織が監視するコンピューティング・ロケーションはますます増加しており、場合によっては接続が断続的であったり、物理的にアクセスしにくい場所であったりします。同時に、プライバシーとセキュリティへの要求はかつてないほど高まっています。
エッジコンピューティングなら、新しい機会を創出しながら、これらの課題を解決できます。エッジは多くの可能性を秘めています。そして、エッジはいたるところにあります。
エッジコンピューティングとクラウドコンピューティングが密接に結びついていることは間違いありません。
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エッジ
プレミスエッジ
エッジ
コア
エッジの種類
最適なエッジの種類とは?
エッジの場所は、組織、アーキテクチャ、またはユースケースによって決まります。エッジコンピューティングに対する Red Hat のアプローチでは、3 つのカテゴリに焦点を当てます。これらのカテゴリは互いに重複する場合があります。また、複数の種類を同時に使用することもできます。
Red Hat ではエッジを以下の 3 つのカテゴリに分けて考えています。カテゴリ間に明確な境界線があるわけではなく、カテゴリが重複する場合もあります。
エンタープライズエッジ:コアやデータセンターに置かれた、またはクラウドリソースとして利用されるエンタープライズ・データストアに代表されるユースケース。エンタープライズエッジにより、ユーザーはアプリケーションサービスをリモートロケーションに拡張できます。
オペレーションエッジ:産業用エッジデバイスに関係するユースケース。運用にはオペレーショナル・テクノロジー (OT) チームが深く関与します。オペレーションエッジはオンサイトに存在し、データの収集、処理、およびその結果に基づくアクションを実行する場所となります。
プロバイダーエッジ:通信事業者のケースのように、ネットワークの構築とそのネットワークによって供給されるサービスの提供の両方が含まれるユースケース。サービスプロバイダーのエッジは、顧客やデバイスに近いコンピューティング環境で、信頼性、低レイテンシー、および高性能をサポートします。
Red Hat は、すべてのエッジにはそれぞれ異なる特徴があることを認識しています。オープンスタンダードとクリエイティブな思考により、現在のニーズを満たし、将来に適応するエッジ戦略の作成を支援します。
工場のエッジの要件は、クラウドの要件とは異なります。それでも、Red Hat のスタックはそれに対応しています。
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エッジの活用
エッジが生み出す違い
エッジコンピューティングは、製造、自動車、エネルギー、公益事業、金融、ヘルスケア、小売、通信、行政など、多くの分野に変革をもたらしてきました。以下に、エッジの 3 つのカテゴリそれぞれにおける活用例のほんの一例を紹介します。
エンタープライズエッジ
数千の店舗を 1 つのプラットフォームに集約
どんなエンタープライズでも、IT をリモートロケーションにまで拡張することは簡単ではありません。例として近所のお店について考えてみます。
チェーンストアの小売業者は、データを使用した新しいサービスの提供、店内でのエクスペリエンスの向上、業務の円滑な実行にますます力を入れています。しかし、店舗に強力なコンピューティング能力を持つ設備が置かれることはめったにありません。また、薬局では患者の記録を保持しているため、データのセキュリティが極めて重要です。
この種のエンタープライズでは、データストレージを一元化し、同時に、統一されたアプリケーション環境をリモートの各ロケーションで利用できるようにすることは理にかなっています。小売業では、店長がスタッフのスケジューリングに使う AI ツール、自宅にいる患者と会話するために薬剤師が使うタブレット、あるいはモバイルから受けた注文をランチのピークタイムに間に合うように準備するレストラン従業員が参照している端末など、多種多様なものがエッジとなります。
店舗、レストラン、支店オフィス、乗り継ぎ駅など、リモートロケーションが何であれ、そうした分散型の IT デプロイメントに伴う課題の解決こそ、エッジコンピューティングが開発された理由です。
オペレーションエッジ
工場現場での機械学習
製造現場では常にデータが産出されており、インダストリアル IoT (IIoT) センサーは工場の状態をノンストップで監視しています。そのデータをリアルタイムで分析することによって、運用効率とビジネス効率を新たなレベルに引き上げることができます。
そのようなメリットを実現するには、多様なものが混在するデータシステム、特にもともと他のシステムとの連係が考慮されてこなかった製造システムを統合する基盤となるプラットフォームが必要です。
製造におけるエッジおよび人工知能と機械学習 (AI/ML) に関する Red Hat のブループリントでは、Red Hat® OpenShift®、アプリケーションサービス、ストレージを備えた Linux® コンテナ管理の統合エコシステムを活用します。ソフトウェアのロールアウトは、CI/CD および GitOps プラクティスに従って、一貫性を維持しながら行うことができます。アナリストは、スケーラブルなサービス・プラットフォームを通じて、人工知能および機械学習モデルのトレーニングを利用できます。
このように、エッジコンピューティングによって運用が変革されて工場の生産性がさらに高まり、製造業者が迅速に問題を解決できるようになります。
プロバイダーエッジ
高速で高度なモバイルネットワーク
5G ネットワークが世界中に広がるにつれ、サービスプロバイダーはネットワークを更新して効率を高め、レイテンシーを削減し、アプリケーションの新時代と顧客向けサービスの向上を先導しています。
変更の多くはモバイルユーザーからは見えないところで行われますが、そのような変更によってプロバイダーはすばやく容量を追加し、コストを削減できます。ネットワーク機能仮想化 (NFV) を導入すると、プロバイダーは高価な専用コンポーネントではなく、汎用ハードウェア上の仮想化環境でネットワークソフトウェアを実行することができます。同様に、ネットワーク事業者は無線アクセスネットワークを仮想化しています (vRAN と略称されるテクノロジー)。これにより、コストが削減され、アップグレードとスケーリングが容易になります。
さらに、プロバイダーはモバイル・エッジコンピューティングまたはマルチアクセス・エッジコンピューティング (MEC) と呼ばれるアーキテクチャを通じて、モバイルワークロードをエンドユーザーの近くへと移行しています。
世界中の通信事業者が、これらの課題に対応するために、Red Hat OpenShift を備えた統合エッジ・プラットフォームを導入しています。
IoT 対応のコネクテッドデバイスの爆発的な増加により、エンドデバイスに可能な限り近いところでデータを処理するエッジコンピューティング・ソリューションの需要が高まるでしょう。
Forrester Research, Inc.、
「Predictions 2021: Edge Computing」、2020 年 10 月
お客様導入事例
Red Hat お客様導入事例
Red Hat のお客様は、クリエイティブなアプローチでエッジコンピューティングに取り組むことにより、実際に組織の効率性を向上させています。