エンタープライズワークロードへの対応を拡張したRed Hat Ceph Storage 3

OpenStackおよび異種混合環境のサポートを強化し、ユーザビリティとパフォーマンスを向上させた、業界をリードするオブジェクトストレージプラットフォームの最新リリース

東京 -

[シドニー – OPENSTACK SUMMIT - 2017年11月6日(現地時間)発表] オーストラリア報道発表資料抄訳

オープンソースソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat, Inc.(NYSE:RHT、以下Red Hat)は本日、Red Hat Ceph Storage 3を発表しました。これは非常に高いスケーラビリティを備えたソフトウェアデファインドオブジェクトストレージプラットフォームであるRed Hat Ceph Storageのメジャーアップグレードで、iSCSIによるブロックストレージおよびCephFSによるファイルストレージのサポートが導入されます。これらの機能追加によって、Red Hat Ceph Storage 3は、OpenStackおよび異種混合環境における統一化されたストレージの価値を拡張し、ペタバイト規模のデプロイメント用に構築されたストレージプラットフォームの用途を大幅に広げます。

Red Hat Ceph Storage 3は、オブジェクトストレージ分野での長年にわたるRed Hatのリーダーシップを基盤に、大規模環境における強靱性と性能の向上を実現し、コンテナへのストレージのデプロイを可能にすることで、さらなるコスト削減と運用効率の強化を実現します。

 

Red Hat Ceph Storage 3の注目点には、以下が含まれます。

  • OpenStackの多様なストレージニーズの実現:個別に調達と管理が必要なディスクリートストレージシステムにコストをかける必要がなく、エンタープライズがプラットフォームの規模をクラウドインフラストラクチャデプロイメントに活用するために役立ちます。POSIX互換、スケールアウトファイルシステムのCephFSの導入は、Red Hat Ceph Storage for OpenStackによって提供される既存のブロックおよびオブジェクトストレージサポートを補完します。お客様は、ウェブスケールクラウド、ネットワーク機能仮想化インフラストラクチャ(NFVi)、および開発/コンピュートクラウドを含む、多数の用途にわたるプライベートクラウドデプロイメント用のOpenStackに、より効果的にストレージを取り入れることが可能になります。
     
  • レガシーストレージプラットフォームからの移行の容易化:新たに追加されたiSCSIインターフェイスのサポートを通して、より広範なプラットフォームに対応し、バックアップとリカバリを含む、より幅広い使用法が可能になります。これは、特にネイティブなCephドライバのないVMwareとWindowsのような異種混合のストレージ環境において大きな利点となります。iSCSIゲートウェイは、最新のワークロード用にCephを使用しながら、既存の仮想化インフラストラクチャ用に、単一の、コスト効率に優れた、非常に拡張性の高いブロックストレージプラットフォームを使用することを可能にし、専用のストレージエリアネットワーク(SAN)の必要性を低減します。
     
  • エンタープライズストレージのLinuxコンテナへのデプロイ:運用が簡素化され、ハードウェアの設置面積が縮小されます。コンテナ化されたストレージデーモンによって、従来は専用のハードウェアを必要としていたサービスのコロケーションが可能になり、より少数のサーバー上でRed Hat Ceph Storageを実行できるとともに、リソース競合のリスクが回避されます。標準的なRed Hat Ceph Storageクラスタ構成に基づく予備テストでは、ハードウェアの支出が少なくとも24%低下しました。これは特に、ハードウェアとスペースの制約に取り組む、NFViを実装しているような通信企業のお客様に適しています。

 

また、Red Hat Ceph Storage 3は、クラスタ全体または個々のコンポーネントの使用データに関するグラフィカルな表示を通して、システム管理者が分散ストレージクラスタの事前予防的な監視とトラブルシューティングを行う手助けをすることによって、ユーザー体験の大幅な向上も目指しています。この新しいウェブベースのインターフェイスは、1ダース以上のダッシュボードを含んでおり、アップストリームのCeph Metricsプロジェクトをベースとしています。また、このリリースでは他にもいくつかのユーザビリティに関する強化と、保守の簡素化と運用コストの低減に寄与するよう設計された複数のオートメーション層が追加されています。

このリリースは、ストレージ市場におけるRed Hatの勢いを基盤としています。最近、Red Hat StorageはGartnerの2017年10月度、分散ファイルシステムおよびオブジェクトストレージのマジック・クアドラントで、2年連続で「ビジョナリー(概念先行型)」クアドラントに位置づけられました。Red Hatはビジョナリークアドラント内で、ビジョンの完全性に関して最右端、遂行能力に関して最上位に位置づけられています。

Red Hat Ceph Storage 3はオープンソースCeph Luminousプロジェクトのコミュニティバージョンをベースとしており、Red Hatは同プロジェクトの主要なコードコントリビューターです。

提供開始時期
Red Hat Ceph Storage 3は2017年11月に一般提供開始の予定です。

 

サポートコメント

Red Hat ストレージ担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャ Ranga Rangachari

「Red Hat Ceph Storage 3は、統一されたストレージソリューションを必要としているOpenStack、VMware、Windowsの各コミュニティにとって重要なマイルストーンです。このリリースで、Red Hatは将来ソフトウェアベースのすべてのストレージサービスをコンテナとして提供するための土台を築くとともに、お客様の俊敏性強化とデプロイメントコスト削減に貢献します。」

 

富士通 EMEIA地域データセンターカテゴリーマネージメント責任者 Olivier Delachapelle氏

「Red Hat Ceph Storage 3は、極めて高いスケーラビリティ、固有の災害復旧性、および優れたプライスキャパシティバリューを兼ね備えた、おそらく最も先進的なソフトウェアデファインドストレージソリューションです。Red Hat Ceph Storageと富士通のサーバー技術およびネットワークコンポーネントを組み合わせ、包括的な保守サービスを含む完全なソリューションスタックを構成することによって、『独自ストレージ構築』方式の実装およびライフサイクルのリスクなしにお客様がオープンソースSDSの利点を十分に享受できるようにします。」

 

IDC グループバイスプレジデント Laura DuBois氏

「ソフトウェアデファインドストレージソリューションに対する支出は、従来のストレージアーキテクチャに対する支出を上回る勢いで伸び続けています。ソフトウェアデファインドストレージは、より高レベルのオートメーションと資本コストの削減により、デジタル変革に必要な能力すなわちITアジリティを提供します。Red Hat Ceph Storageは、現在のワークロード向けの大規模性能をサポートするとともに、ストレージをコンテナにデプロイしてOpenStackクラウドインフラストラクチャのデプロイメント内でストレージを容易に管理できるようにする、非常にスケーラブルな、統一化されたソフトウェアデファインドのプラットフォームを提供します。」

 

Micron Technology, Inc. ストレージ事業部マーケティング担当バイスプレジデント Eric Endebrock氏

「クラウドコンピューティングがオールフラッシュインフラストラクチャへと進化する中で、Red Hat Ceph Storage 3はブロックストレージデバイスへのネイティブ書き込みが可能になったことによる大幅な性能強化等、多数の方法でその傾向をサポートしています。Micron Accelerated Ceph Storageクラスタは、Red Hatとの協業によりRed Hat Ceph Storage上に構築されました。スケーラブルなオールNVMe™リファレンスアーキテクチャをベースとしており、そうしたIO集約的ワークロード向けにITをチューニングすることで達成される性能を示す好例となっています。」

 

モナシュ大学eResearchセンター シニアHPCコンサルタント Blair Bethwaite氏

「本学のオンラインアーキテクチャの容量ニーズを満たす十分にスケーラブルなオブジェクトベースのストレージを提供することが、研究者およびNational eResearch Collaboration Tools and Resources(Nectar)研究クラウドのノードにとって非常に重要でした。モナシュ大学は2年近くに渡りRed Hat Ceph Storageを広範かつ成功裏に使用し、Nectarプロジェクトを含む多様な用途をサポートしてきました。Red Hat Ceph Storage 3のコンテナ化されたストレージデーモンによってさらに高い経済性を達成できることを嬉しく思い、新たに追加されたiSCSIとCephFSのサポートは、学内のネイティブWindows研究ワークステーションに対するサービスおよびOpenStackクラウド内のプロジェクト別ファイルシステムへのプログラムによるアクセスを提供する機会を与えてくれます。」

 

Rackspace OpenStackプライベートクラウド担当ゼネラルマネージャ Bryan Thompson氏

「Rackspaceは、2016年2月に受賞歴のあるRackspace OpenStack Private Cloud powered by Red Hat製品を発表して以来、同製品の改良と革新のためにRed Hatとの協業を続けてきました。Red Hat Ceph Storageは、当社のプライベートクラウド製品にとって不可欠な部分です。Cephプロジェクトで継続的に行われている革新、およびエンタープライズ環境での成功をサポートするためにRed Hatが行っている取り組みを嬉しく思います。」

 

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