Red HatのCTO、Chris Wrightが今回の発表について詳しく説明したブログ記事全文は、こちらでお読みいただけます。
目次
Q:CentOS Projectについて何が発表されたのですか?
Red Hatは、CentOS Streamの開発に関する2019年9月の発表を具体化し、CentOS Linuxに対するスポンサーシップを2021年12月に変更すると発表しました。Red Hatは、今回の変更の一環としてCentOS Projectの運営委員会と連携しています。
CentOS Streamはアップストリームの開発プラットフォームであり、CentOSコミュニティのメンバー、Red Hatのパートナー、エコシステム開発者、その他多くのグループが、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)の次期バージョンの機能をより早く容易に確認できるだけでなく、それらの機能の開発に貢献することもできるように設計されています。2019年の発表以来、CentOS Streamとこのプロジェクトが継続的に生み出す数々のイノベーションをめぐって、パートナーやコントリビューターから熱烈な反響が寄せられています。
2020年12月8日、Red Hatは、CentOS LinuxとCentOS Streamのスポンサーシップについて以下のタイムラインを発表しました。
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CentOS Linux 9はリリースされません。
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CentOS Linux 8ディストリビューションのアップデートは、2021年12月31日まで継続します。
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CentOS Linux 7ディストリビューションのアップデートは、従来どおり2024年6月30日まで継続します。
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CentOS Linux 6ディストリビューションのアップデートは、2020年11月30日に終了しました。
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CentOS Stream 9は、2021年第2四半期にRHEL 9の開発プロセスの一環としてリリースされます。
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CentOS Stream 8ディストリビューションのアップデートは、RHELのフルサポートフェーズを通じて継続します。
Q:なぜ今回の変更を行うのですか?
CentOS Streamは、Fedora Projectにおける最先端のオペレーティングシステムのイノベーションと、RHELの実稼働レベルの安定性との中間の開発プラットフォームと位置付けられます。Red Hatは、オープンソースの真の価値はイノベーションと問題解決にあると考えており、リビルドやクローンではそうした機会は得られないことを学んできました。リソースと投資をCentOS Streamに移行することで、エコシステムのコミュニティ全体にRHELの開発へのより緊密な結び付きと参加の可能性を提供することにより、Linuxのイノベーションを一層推し進めることができます。
Q:CentOS Streamとは何ですか?どこで入手できますか?
CentOS Streamは、CentOS Projectの新しいLinux開発プラットフォームであり、RHELの開発プロセスをめぐる透明性とコラボレーションを強化するように設計されています。CentOS Streamは誰にでもオープンで、RHELの次期リリースの開発動向に対する早期のアクセスを提供します。このプラットフォームは、https://centos.org/downloadからダウンロードできます。
Q:なぜCentOS Streamは開発されたのですか?
Red Hatは、以下のようないくつかの理由からCentOS Streamの開発に着手しました。
Q:CentOS Linuxの他のリリースはどうなりますか?
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CentOS Linux 9はリリースされません。
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CentOS Linux 8ディストリビューションのアップデートは、2021年12月31日まで継続します。
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CentOS Linux 7ディストリビューションのアップデートは、従来どおり2024年6月30日まで継続します。
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CentOS Linux 6ディストリビューションのアップデートは、2020年11月30日に終了しました。
Q:CentOS Streamの各リリースはどうなりますか?
Q:これはSpecial Interest Group(SIG)にどのような影響を与えますか?
CentOS Streamでは、CentOSのコントリビューターコミュニティがRHELの将来に大きな影響力を持つことになります。CentOS StreamのSpecial Interest Group(SIG)は、一層重要なコラボレーションの場になります。各SIGは、RHELの次期リリースに向けた開発とテストに専念することになります。
Q:今回の変更はFedoraやその他のLinuxディストリビューションにどのような影響を与えますか?
影響はありません。Fedoraは常にアップストリームの「実験場」であり、そこではコミュニティがイノベーションや試験的な取り組みを行います。これに変わりはありません。Fedoraは今後もRHELの基点です。ここですべてのRHELリリースが生み出され、RHEL 9も生み出されます。Fedora Enterprise Linux Nextは、RHELの次期メジャーリリースに組み込まれる可能性があるアイデアの開発スペースであり、CentOS Streamは現在、FedoraとRHELの中間の開発環境としてしっかりと位置付けられています。
CentOS Streamは、Red Hatのパートナーやお客様のために、開発、テスト、およびエコシステム認定プロセス全体を改善することを目指しています。Red Hatは、製品レベルとコミュニティレベルの両方でLinuxプラットフォームの開発を主導していますが、Red Hatは唯一の選択肢ではありません。他の企業やコミュニティもCentOS Streamの枠内で展開するイノベーションや、まったく独自の開発を推し進めることができます。これがオープンソースとLinux全般の長所にほかなりません。同一のアップストリームカーネルに基づきながら、特定の課題に対処するために微妙に異なる様々な経路で展開することができるのです。
Q:過去1年間、CentOS Streamに関して何が起こりましたか?
Red Hatのエコシステムにおいて、CentOS Streamは、カーネルと機能の両面でRHELの次期リリースの「ローリングプレビュー」と捉えられています。たとえば、Facebookは、巨大なグローバルソーシャルネットワークを支える何百万台ものサーバーを稼働させています。これらはすべて、CentOS Streamから派生したオペレーティングシステムに移行されたか、または移行される予定です。
Facebookは引き続き社内でCentOS Stream上のイノベーションを推進する一方、Red Hatのエコシステム内でコラボレーションを通じてプラットフォームの機能を強化することにも価値を認めています。またIntelは、自社の顧客エコシステムにおけるCentOS Streamの可能性に大きな期待を寄せています。
Q:これはCentOS Linuxのユーザーにとって何を意味しますか?
CentOS Streamの登場によって、RHELの開発後ではなく開発の過程でパートナーやコミュニティメンバーがRHELの次期バージョンにイノベーションを追加するための新しいメカニズムが提供されます。Red Hatは、CentOS Linuxのユーザーに様々なタイプがあることも認識しており、CentOS Projectの運営委員会と連携して、各種ユーザーグループのニーズを満たすようにプログラムをカスタマイズしています。
2021年上半期に、Red Hatは様々なユースケース向けに低コストまたは無償のプログラムを導入する予定です。これには、オープンソースプロジェクトおよびコミュニティやパートナーエコシステム向けのオプション、そしてシステム管理者やパートナーの開発者のニーズにより広範に応えるRed Hat Enterprise Linuxデベロッパーサブスクリプションのユースケースの拡張などが含まれます。これらの構想の詳細については、情報が提供されるに従ってお伝えします。RHELに切り替えるユーザー向けには、CentOS LinuxからRHELへの切り替えに関するガイダンスが提供されています。
Q:どのRed Hatプラットフォーム上で開発すべきですか?
Red Hatは、以下のような幅広い開発者のニーズに応えるプラットフォームを提供しています。
Q:どのRed Hatプラットフォーム上にデプロイすべきですか?
CentOS LinuxからRHELへの切り替えは簡単です。Convert2RHELツールをダウンロードすれば独自に実行できます。また、Red Hatがこの切り替えの実行をお手伝いすることもできます。Red Hatは、すべてのワークロードがRHEL上で実行されるわけではないことを認識しています。しかし、Red Hatの考えでは、すべての実稼働ワークロードは、RHEL上でこそ最善のサポートを受けることができます。
Q:どうすれば関与できますか?
CentOS Streamは誰にでもオープンで、RHELの次期リリースの開発動向に対する早期のアクセスを提供します。このプラットフォームは、https://centos.org/downloadからダウンロードできます。