サウスウエスト航空、ミッションクリティカルな自動化を導入

現代社会において、航空業界は多くのことを可能にします。国内や世界中の大切な人々と会ったり、未知の場所を探索したり、故郷に帰るなど、意義ある体験を通じて私たちの生活を豊かにしています。このため、サウスウエスト航空は、親しみやすく、信頼でき、低コストのサービスを通じて、空の旅を誰にとっても利用しやすくすることに注力しています。サウスウエスト航空は、11 カ国の 120 以上の空港へと規模を拡大しており、顧客体験を経営の中心に据える米国の大手航空会社であり続けています。

テクノロジーは、顧客に卓越したサービスを提供する上でますます重要な役割を果たしています。サウスウエスト航空は 1 日に 140 の空港で 4400 便以上のフライトを運行しており、これらの数字は旅行のピーク期に急増し、目的地が新たに拡張するにつれてさらに増える模様です。このため、サウスウエスト航空のネットワーク・インフラストラクチャは、航空機の目的地までの運行を支える上で不可欠です。さらに空港では、スタッフが顧客の搭乗を常にサポートできるよう、すべての発券および乗客アプリケーションへの一貫したアクセスが必要です。

しかし、この規模の拡大はジレンマを生じさせる可能性があります。サウスウエスト航空はより多くの場所でより多くの顧客にサービスを提供できるようになる一方で、より多くの場所で管理が必要なルーターやスイッチが増え、さまざまなのスキルやプロセスに対応可能な人員を投入する必要が生じます。各空港には 25 台から 100 台のルーターやスイッチがあり、飛行時間が長くなると、メンテナンス期間が短くなります。そのため、エンジニアは必要な変更を実装するために早起きしなければならず、数時間を費やして文書を記録した後は、凝縮された時間内でこれらのデバイスのサブセットのみを提供できるという状態になります。機内テクノロジーにとどまらず、ネットワーク・チームは、社内のさまざまなエンジニアの関与や作業のサイロ化によって、構成ドリフトという課題に直面します。5 人のエンジニアが 30 台ほどのスイッチをアップグレードするのに、メンテナンス期間全体が必要になることもあります。

これは、サウスウエスト航空が Red Hat Ansible Automation Platform に切り替える前の状況でした。現在では、サウスウエスト空港は Ansible Automation Platform を使用してネットワークをより安定した状態で稼働させており、効率を高め、また顧客満足度を向上させています。また自動化により、サウスウエスト航空はわずか 30 分で 30 台のスイッチをアップグレードできます。

大きな価値を提供する自動化

サウスウエスト航空のネットワーク・エンジニアは、Ansible Automation Platform を使用して、「ゴールデン・コンフィギュレーション」と呼ばれる標準化されたネットワーク設定を作成し、空港間のネットワークの一貫性と信頼性のさらに高めています。この設定済みのセットアップにより、各空港で必要となる設定の 90% のベースラインが提供されます。ネットワークエンジニアは Ansible Playbook を実行してスイッチとルーターのコア機能を設定し、次にそれぞれの空港に固有の詳細設定を行います。自動化により、全プロセスはわずか 20 分で完了します。自動化は時間の大幅な節約になるだけでなく、自動化によって設定における人的ミスが減り、空港間でのコラボレーションの機会が増え、新たな人員のベストプラクティスの習得を促します。自動化は戦略的に、かつ大規模に展開でき、設定ミスによって中断が発生する可能性を減少させます。

中断を完全に回避することは不可能ですが、ダウンタイムを最小限に抑えることは重要です。重要なシステムがダウンした場合、大規模なエンジニア・チームであっても、すべてのデバイス・レイヤー、ファイアウォール、DNS を手動で迅速にチェックすることはできません。Ansible Automation Platform を使用すると、100 の異なる Playbook を一度に起動して、ネットワーク環境に問題があるかどうかや、問題がある場合はその問題の所在を判断するために必要なすべての情報にアクセスできます。

ネットワークを正常に機能させるには、モニタリングも鍵となります。Ansible Automation Platform の導入前は、エンジニアは運用状況の全体像を把握するために、複数のアプリケーションにログインして情報を結び合わせる必要がありました。現在、サウスウエスト航空では、複数のアプリケーションとツールを単一のビューに統合する社内 Web ポータルである、ネットワーク・エンジニアリング・スイートを活用しています。ネットワーク・エンジニアリング・スイートは、ServiceNow などのツールと統合可能であるため、IT 部門はネットワーク帯域幅、チケットのステータス、アプリの健全性など、すべてのサイトについて知る必要のある情報を迅速に確認することができます。

自動化により、IT チームはイノベーターとして活躍

自動化は、IT チームが日常業務をより迅速、効率的、効果的に行うためのツールを構築する上で重要な要素です。最終的には、Ansible Automation Platform の統合により、サウスウエスト航空はよりスマートなツールを構築し、反復的なタスクを自動化することで、より複雑な問題に集中し、企業内のイノベーションを促進することができます。

Ansible Automation Platform は、今ではサウスウエスト航空にとって欠かすことのできない、ミッションクリティカルなものとなっており、デバイスのアップグレードなどの、IT チームの時間を要する手動タスクの多くを排除しています。今では一晩で 1000 台のデバイスを一度にアップグレードできます。この実装により、同社は自動化へのアプローチをさらに強化しています。ネットワーク自動化チームは拡大し、インフラ・チーム全体が自動化を展開し、サーバーとストレージの各チームはより多くのエンジニアリング・タスクの自動化を検討しているなど、新たな課題を解決するための自動化に取り組んでいます。

今後は、サウスウエスト航空では Infrastructure as Code へと拡張し、イベント駆動型の Ansible を使用して手動タスクを減らし、より効率的なミッションクリティカルなワークフローを提供していく予定です。さらには、Red Hat Ansible Lightspeed の新世代 AI 機能により、Ansible Playbook の構築方法の分かりやすさによる新たなエンジニアのギャップ解消が容易になり、新たな自動化スペシャリスト達が Ansible Automation Platform を使用したイノベーションを実現していく可能性が前途に待ち受けています。