Red Hat Ansible Automation Platform:初心者向けガイド
はじめに
IT 自動化は今やミッションクリティカルなものになっています。
先進的な企業は、急速に変化するテクノロジー環境に対応しながら、運用を単純化し、既存のテクノロジー投資からより多くの投資対効果 (ROI) を引き出すことに苦心しています。
そのような企業は、お客様の要求を満たし、競争力を維持し、収益を増加させるために、テクノロジーチームを解放してイノベーションに集中できるようにする必要があります。それと同時に、セキュリティとコンプライアンスを維持し、IT 運用をサポートしてサービスの市場投入を加速しなければなりません。
企業が有意義な効率性を実現するためには、IT の自動化が不可欠です。IT の自動化により、保護対策を維持し、革新的なサービスやソリューションの提供能力を創出することができます。そのような自動化は戦略的に幅広く導入したときに最大限の効果を発揮します。タスクベースで自動化を行うアプローチはもはや効果的ではなく、持続可能でもなくなりました。そのようなアプローチでは、コストの増加、作業の重複、部署や部門間の障壁などにつながる可能性があります。
真の IT 変革は、IT の状態全体にわたって人、プロセス、テクノロジーを統合する包括的な自動化戦略によって実現できます。自動化を戦略的な柱とすることで、次のことを達成できます。
強力なコラボレーション
地域をまたいでチームに力が与えられ、連携できれば、ソリューションやサービスを開発するためのコラボレーションが向上します。
生産性の最大化
新たな効率化により、チームはより短時間でより多くのことを達成できるようになります。
プロアクティブな運用
イベント駆動型の自動化は、問題の防止、リスクの緩和に役立ち、業務に影響が及ぶ前に解決策を適用できるようになります。
アジリティの向上
価値の低い手作業に費やす時間が削減されるため、チームは進化するビジネスニーズや市場の需要に適切に対応できます。
適切なエンタープライズ自動化ソリューションがあれば、組織での IT 部門の働き方を改善し、チームとプロセスを統合し、最終的に IT の提供方法を変革できます。では、IT 自動化を組織にもたらすには、何が必要でしょうか?
Red Hat® Ansible® Automation Platform は、IT 環境全体で機能する戦略的で柔軟かつスケーラブルな自動化ソリューションであり、自動化導入プロセスのどの段階でも役立ちます。エンタープライズ向けの信頼できるソリューションとして、ハイブリッド環境全体でインテリジェントな自動化ワークフローを構築して運用できる統合された高性能プラットフォームを提供します。
この e ブックでは、Ansible Automation Platform とそのメリットについて簡潔に説明し、組織の自動化の実践に適切な決定を下すために役立つ情報を提供します。
これまでに Ansible Automation Platform を使用したことがあり、自動化を組織全体に拡張したり、古いバージョンから最新のサービスに移行したりすることで得られるメリットについて知りたい場合は、「Red Hat Ansible Automation Platform の主な機能」にお進みください。
Ansible Automation Platform を初めて使用する場合はこのままお読みになり、自動化が組織の成功にどのように役立つかについてご確認ください。自動化の導入を始めましょう。
自動化により日々の業務は大幅に効率化されます…開発チームは、必要な IT リソースのプロビジョニングとデプロイに関連する摩擦を大幅に削減できます。従業員はサービス停止の少ない高品質なアプリケーションからメリットを得られます。¹
Red Hat Ansible Automation Platform の概要
Ansible Automation Platform を理解するためには、まず Red Hat を理解する必要があります。Red Hat は 30 年以上にわたり、安定性を強化したオープンソース・ソリューションを提供してきました。これにより、さまざまなプラットフォームや環境での組織の取り組みや、エンタープライズ IT の課題への対処方法を支援しています。
Red Hat は長期にわたってオープンソース・コミュニティ・プロジェクトに参加しており、Ansible に関する取り組みも例外ではありません。Ansible プロジェクトには活発なコミュニティが貢献しており、そのテクノロジーをより強力で柔軟なソリューションへと拡張しながら、エンタープライズ・エコシステムをサポートする Ansible の能力の拡大を支援しています。Red Hat はこのコミュニティの繁栄に尽力しています。
Ansible Automation Platform は Ansible プロジェクトをエンタープライズに対応させた進化形であり、Red Hat の支援を受けて、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境で増大する複雑さを組織が管理できるよう支援するとともに、今後の IT 課題に適応する柔軟性を提供します。
IDC の調査によると、Ansible Automation Platform を使用してビジネスニーズに対応し、IT およびアプリケーション開発の運用を改善しているお客様が期待できる投資対効果 (ROI) は 3 年間で 668%、投資回収期間は 8 カ月です。¹
このレポートでは、Ansible Automation Platform ユーザーへのインタビュー結果から、組織が以下のプラス効果によるメリットを得られる可能性があることが明らかになりました。¹
組織全体で IT 自動化を推進する方法の詳細
IT エグゼクティブのための自動化ガイドを読む
信頼性:
61% 予定外のダウンタイムの削減
27% IT セキュリティチームの効率の向上
IT スタッフ:
38% ネットワーク・インフラストラクチャ管理チームの効率の向上
36% 開発チームの生産性の向上
アクティビティ別の DevOps の効率性:
38% プロビジョニングの向上
34% 構成の向上
27% セキュリティ保護の向上
Northeast Georgia Health System、Ensono、およびサウスウエスト航空などの世界中の組織が、Ansible Automation Platform を使用して同様のビジネス上のメリットを見出しています。これらの組織は、効率を向上できる、デジタルサービスを迅速に提供できる、重要なリソースを解放してより価値の高いプロジェクトに充てることができるなど、包括的な自動化アプローチを採用する利点を認識しています。
Red Hat Ansible Automation Platform によって、予定外のダウンタイムがゼロになることは大きなメリットです。
短期間でスピードと規模を獲得できたので、[Ansible Automation Platform は] 今後の運用における中心的な要素となりました。
サウスウエスト航空にとって、自動化はミッションクリティカルです。Ansible Automation Platform は、当社が自動化の取り組みを継続する上で極めて重要です。
組織で Ansible Automation Platform を実装する 3 つの利点:
1.より強い推進力
どこにでもデプロイでき、ほとんどのテクノロジースタックと互換性があるため、必要なものを必要な場所で自動化し、自動化を戦略的に拡張できます。
2.レジリエンシー (回復力) の向上
Ansible Automation Platform は企業での使用に特化して設計されており、パフォーマンス、セキュリティ、コンプライアンスに関して最高水準の基準で裏打ちされているため、安心して重要なワークロードに自動化を適用できます。
3.効率の向上
自動化の導入、作成、保守を単純化する機能を提供する Ansible Automation Platform によりチームに力を与え、組織全体に自動化を拡張して、その可能性を最大限に引き出すことができます。
Ansible Automation Platform は、組織がコラボレーティブな自動化の文化を導入するために役立ちます。詳細をご覧ください。
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e ブック『Red Hat Ansible Automation Platform のビジネス価値』で、Ansible Automation Platform がもたらすビジネス上の具体的なメリットをご確認ください。
Ansible Automation Platform の価値の詳細をご覧ください。
Red Hat Ansible Automation Platform の主な機能
アプリケーション、ネットワーク、コンテナ、セキュリティ、クラウド・インフラストラクチャのいずれかを自動化する場合も、あるいはそのすべてを自動化する場合も、Ansible Automation Platform を使用すると、自動化の作成、管理、拡張を 1 カ所で行うことができます。
1.Ansible Automation Platform はわかりやすい YAML 構文の Playbook を使用
Ansible Playbook は、オーケストレーション、構成、管理、デプロイメントなどの管理機能を自動化するために定期的に使用されます。Playbook は YAML 構文で記述されており、Web サービスまたはアプリケーションの定義に使用される 1 つ以上の play が含まれています。Playbook 内の各 play は 1 つ以上のタスクを実行でき、各タスクは Ansible モジュールを呼び出します。このモジュールは、Ansible Automation Platform で自動化タスクを実行するために使用されます。
YAML 構文は人間が読める言語のプレーンテキストで記述され、ソース制御管理によるメリットが得られるのに加え、Ruby、Python、Bash などの他のプログラミング言語と組み合わせて使用できます。Ansible Automation Platform は YAML を使用しているため、プログラミング言語でコードを書けないユーザーも自信を持ってインフラストラクチャを自動化できます。
2.Red Hat Ansible Automation Platform はエージェントレス
Ansible Automation Platform の最も強力でユニークな機能の 1 つは、エージェントレスであるということです。つまり、管理しようとしているマシンにエージェントをインストールする必要がありません。この機能により、Ansible Automation Platform は複数のマシンまたはシステムを同時にすばやく管理できるため、極めてスケーラブルです。
3.Ansible Automation Platform は生成 AI 機能で強化されている
Red Hat Ansible Lightspeed は、Ansible Automation Platform に統合された生成 AI サービスです。これによって自動化チームはよりスマートに作業し、より短時間でソリューションをデプロイできるようになります。このサービスは、IT の生産性の向上、スキルギャップへの対処、オンボーディングのボトルネックの解消に役立ち、あらゆるレベルの自動化担当者が IT の複雑な要求に効率的に対応できるようになります。
4.Ansible Automation Platform はハイブリッドクラウド向けに構築されている
ハイブリッドおよびマルチクラウド・コンピューティング・モデルは拡大し続けており、IT 組織には、従来のシステムから先進的なサービス、そしてネットワークのファーエッジまでをつなぐことができる自動化プラットフォームが必要です。
自動化のプロジェクトを可搬性と拡張性に優れたものにするために、Ansible Automation Platform には automation execution environment が含まれています。実行環境は、ハイブリッドクラウドおよびマルチクラウド・インフラストラクチャ全体とエッジまでの自動化の構築、実行、管理に必要なすべての依存関係をパッケージ化する、自己完結型の自動化を作成するのに役立ちます。
ワークロードをモダナイズしてクラウドに移行する場合も、DevSecOps を実装する場合も、拡大するエッジデバイスのネットワークを管理するための新しい方法を見つける場合も、Ansible Automation Platform は複数のプロセスにわたる多様なニーズを満たすことができます。Ansible Automation Platform は、主要なハイパースケーラーのマーケットプレイスで直接利用可能になったため、クラウド環境での自動化の開始と、すでに使用しているクラウドサービスとの効率的な統合がさらに簡単になります。
5.Ansible Automation Platform は自己修復型インフラストラクチャ
Ansible Automation Platform の一部である Event-Driven Ansible は、ルーチンタスクや IT サービス管理 (ITSM) のアクション、および状況の変化に自動的に対応できるイベント駆動型の自動化ツールです。
イベント駆動型の自動化は、特定のイベントが発生したときに、事前定義済みで自動化された対応を可能にすることで機能します。たとえば典型的な IT 運用では、システムが停止するとアラートが送信され、トラブルチケットの記録などの特定のアクションが自動的にトリガーされます。同様に、イベント駆動型の自動化はチームがさまざまな Day 2 オペレーションのニーズに対応するのにも役立ちます。
Event-Driven Ansible は IT 自動化へのプロアクティブなアプローチを提供することで、チームを解放して重要な作業に取り組めるようにします。また、手作業を削減し、大量の反復タスクで頻繁に発生する人的ミスを最小限に抑えます。ビジネスのレジリエンシー、応答性、効率性の向上を支援します。
6.Ansible Automation Platform はレジリエンシーと一貫性を考慮して構築されている
管理者がパーミッション、特権、ロールをユーザーに割り当てることを可能にするロールベースのアクセス制御 (RBAC) から、暗号化、監査証跡、インベントリー管理に至るまで、Ansible Automation Platform は、組織が継続的にサービスレベル契約 (SLA) に準拠および一致するために必要なツールを備えています。
これは Policy as Code (PaC) アプローチに従っており、自動化の実行前に、自動化の保護と自動化に関連する境界を設定するポリシー施行機能を提供します。これにより、自信と信頼性が確立されます。
IT 組織全体に対応する統合自動化プラットフォーム
IT 運用チーム (IT Ops) の規模、責任、役割は組織によって異なります。IT チームは自律的に、また時には組織全体の他のチームと連携およびコラボレーションして成果を実現する必要があります。
Ansible Automation Platform は、自動化ライフサイクル全体にわたって機能する、統一されたサポート付きの全社的なソリューションを提供するとともに、特定の役割に必要な自動化ツールを提供することで、IT 部門全体を成功に導くよう設計されています。Ansible Automation Platform が自動化の各段階で特定の IT ロールをどのようにサポートできるかについて説明します。
Ansible Automation Platform は、主要なハイパースケーラーのマーケットプレイスの多くで利用可能であるため、パブリッククラウド環境とハイブリッドクラウド環境でさらに容易に自動化を導入できます。
作成
開発者、自動化エンジニア、ドメインエキスパート
作成フェーズは、自動化コンテンツの開発、テスト、構築の効率化に重点を置いています。Ansible Automation Platform は、開発者、自動化エンジニア、ドメインエキスパートが、自動化のスキルレベルに関係なく自動化コンテンツを作成してデプロイする能力を強化します。これらのスタッフは、次のようなツールや機能からメリットを得られます。
Ansible Lightspeed:コーディング支援を提供する生成 AI ツールであり、自動化エンジニアや開発者は、単一の自動化タスク、複数のタスク、または Ansible Playbook とロール全体に対して Ansible コードを迅速に生成できるようになります。
Ansible development tools と Red Hat Developer Hub 用の Ansible プラグイン:コンテンツの作成を効率化し、コードの整合性を確保して、チームが統合された開発者環境内でコンテンツを一貫して構築、テスト、デプロイできるようにします。
Ansible Content Collections:Red Hat や、業界をリードする 70 以上のパートナーが提供するソリューションとの統合を提供し、チームが自動化をより短時間で立ち上げ、実行できるよう支援します。
管理
プラットフォームエンジニア、システム管理者、ネットワーク管理者、サイト信頼性エンジニア (SRE)
管理フェーズにおいて、自動化管理者はデプロイからコンプライアンス、レポート作成まで自動化管理を監督します。Ansible Automation Platform は、強力なワークフローとすぐに使える自動化を提供する automation controller (Ansible Automation Platform のコントロールプレーン) を通じ、そのような担当者に包括的でありながらも使いやすい管理機能を提供します。自動化管理者向けのその他の重要な機能には、以下が含まれます。
- Ansible Automation Hub:信頼できる構築済みの自動化コンテンツへの効率的なアクセスを提供します。
- Automation Analytics と Red Hat Insights:ジョブの量と状態に関するリアルタイムレポートを提供します。
- Ansible Lightspeed インテリジェント・アシスタント:Ansible Automation Platform および自動化ジョブとワークフローの保守、最適化について、管理者やオペレーターに即座にガイダンスを提供します。
スケーリング
自動化アーキテクト、IT 運用ディレクター
スケーリングフェーズでは、エンタープライズ全体への自動化の拡張に注力します。これを効果的に行うために、自動化アーキテクトと IT 運用ディレクターは、自動化ツールがさまざまなデプロイメントタイプ、IT ランドスケープ、ドメイン、システムに必要な汎用性、統合、調整、スケーラビリティを提供できることを確認する必要があります。Ansible Automation Platform は、あらゆる規模ですべてのタスクをサポートする柔軟なコンテナネイティブ・アーキテクチャを備えており、自動化アーキテクトや IT 運用ディレクターにとって重要な以下の機能が含まれています。
Ansible Automation Platform の包括的な機能とメリットの詳細についてご確認ください。
- Event-Driven Ansible:さまざまな IT 運用向けに高度なエンドツーエンドの自動化シナリオを作成する、イベント処理機能を提供します。
- automation mesh:ネットワークと環境を接続するオーバーレイネットワークです。現在のテクノロジーと統合し、セキュリティに重点を置きながら、さまざまなネットワークトポロジー、プラットフォーム、チームにわたって大規模なインベントリーを拡張するための柔軟な方法を提供します。
自動化に関して、あらゆる企業に適用できる画一的なアプローチは存在しません。上述の役割とその目的は共通していますが、各 IT 組織はそれぞれのビジネスニーズに応じて体制や機能が異なります。チームメンバーの職務は重なり合う可能性があり、また自動化の作成、管理、スケーリングに集中するタイミングが異なる場合があります。Ansible Automation Platform は、IT 運用チームのすべてのメンバーに力を与えるツールと機能を提供し、自動化のあらゆる段階をサポートします。
自動化のメリットを得られる組織ドメイン
Ansible Automation Platform は、組織が自動化導入のどの段階にあるかに関係なく、組織を支援するように設計されています。エンタープライズ規模で自動化が実装されている主な領域には、次のようなものがあります。
迅速化
Ansible の大規模なオープンソース・コミュニティの力と、最もよく利用されている Ansible Role とモジュールで構成される事前にビルドされたコンテンツコレクションを活用して、より効率的に作業できます。オンプレミスかクラウドかに関係なく、インフラストラクチャをコード化して、すでにデプロイメントを実行しているチームや環境間で共有できます。
オーケストレーション
自動化されたワークフローは、開発時間を遅延させることなく複数のドメイン、システム、ユースケース、チームを効率化および接続します。これにより、IT プロセスにおける共通の摩擦ポイントを排除できます。
イノベーション
分析、ポリシー、ガバナンス、コンテンツ管理によって、自動化をさらに前進させることができます。Ansible Automation Platform は、日々の業務を効率化するツールを提供します。問題を一度解決すれば、その結果を全員で共有できます。
エンタープライズ規模で自動化が実装されている主な領域には、次のようなものがあります。
1.AI 自動化
AI を実装したIT 運用 (AIOps) を実現しようとする企業が増える中、成功するためには信頼性の高い自動化基盤が不可欠となっています。Ansible Automation Platform によって AI インフラストラクチャのデプロイメント、使用、スケーリングを自動化することで、インフラストラクチャの準備状況を向上させることができます。Event-Driven Ansible を使用して、可観測性データを自動化されたアクションに変換できます。これにより、インテリジェントなオペレーションを効果的なものにし、コンプライアンスに準拠させることができます。
2.仮想インフラストラクチャの管理
既存の仮想マシン (VM) の管理を改善する場合でも、アプリケーションのモダナイゼーションを開始する場合でも、Ansible Automation Platform は、VM ライフサイクル全体を管理し、Red Hat OpenShift® Virtualization へ効率的に移行するのに役立ちます。VM のプロビジョニング、パッチ適用、構成標準の適用をサポートし、仮想化に対する既存の投資を維持しながら移行の速度と一貫性を向上させます。
3.ネットワークの自動化
先進的な IT 運用には、ドメインやデバイス全体での効率的で信頼性が高く、最適化されたネットワーク管理が不可欠です。Ansible Automation Platform は、効果的で自動化された NetOps プロセスの構築を支援します。このプロセスによって管理および保守タスクを実行し、ネットワークの変更に迅速に対応できます。Ansible Automation Platform により、チームは自動化をエッジにまで拡張し、一貫性と、セキュリティを重視した強力な体制を維持できます。
Ansible Automation Platform を使用して CI/CD パイプラインを最適化する方法をご覧ください。
4.オペレーティングシステムの自動化
先進的な IT チームは、組織全体の多様なプロセス、テクノロジースタック、チームを管理する責務を担っています。Ansible Automation Platform は、アプリケーションとインフラストラクチャのデプロイメントを含め、オペレーティングシステムのプロビジョニング、継続的な構成、全体的な管理を最適化することで、複雑さを軽減し、スケーリングを迅速化し、一貫性を確保します。
5.クラウドの自動化
IT 運用チームにとっての課題は、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドの全体で構成とデプロイメントを標準化することです。Ansible Automation Platform は統一されたアプローチを提供し、単一のインタフェースを通じて多様なクラウド運用を管理、調整、運用化する機能を提供します。このアプローチにより一元管理が可能になり、一貫性がもたらされ、コンプライアンスを維持できるようになります。
6.アプリケーション提供
組織が競争力を維持するためには、市場の要求に迅速かつ効率的に対応できる必要があります。そのためには、最小限のダウンタイムによる、最適化されたアプリケーション提供が必要です。Ansible Automation Platform は、共通のフレームワークを使用して多層アプリケーションのデプロイメントを単純化し、アプリケーション・ファイルの一元管理を実現します。これにより、サービスの構成を迅速化し、デプロイメントを効率化できます。
組織内で自動化を開始する方法の候補は数多くありますが、どこから始めるべきかを判断するためにはどうすればよいでしょうか。
組織の IT 環境に最適なユースケースを選択する際には、以下の 4 つのポイントが役立ちます。
1.ビジネス目標に集中する
IT 組織の最も重要なビジネス目標を直接サポートする、いくつかのシンプルなユースケースから始めましょう。結果を測定し、そこから拡張して、同じドメイン内でより複雑なものに進んでいくことを検討します。
そして徐々にドメインを追加し、ワークフローの実装を開始します。ここで重要なのは、組織全体への自動化の実装は反復的なプロセスだということです。一度完了したらそれで終わりではありません。
2.使用し、改良し、学習し、拡張する
自動化は戦略的に不可欠なものであるため、プロセスとシステムを実装および自動化する際はそのようなものとして扱いましょう。
3.うまくいっていないプロセスは後回しにする
現行の運用プロセスが効率的ではないなら、自動化や AI を導入しても改善されません。すでに機能しており、自動化によって改善できる可能性があるプロセスを選択しましょう。
4.チームを巻き込む
自動化は継続的な取り組みです。組織全体に自動化を拡張する際には、チームがスキルを構築できるように、重要な学習内容とベストプラクティスを共有します。可能性を認識している脅威に対する自動化の効果を理解すれば、従業員は早い段階で自動化を受け入れます。早期段階でチームの賛同を得る方法については、e ブック『自動化アーキテクトのハンドブック』をご覧ください。
詳細は、e ブック『ネットワーク自動化ガイド』をご覧ください。
エッジ自動化の業界ユースケースについては、e ブック『エッジでの自動化』をご覧ください。
クラウド自動化の詳細は、e ブック『ハイブリッドクラウドを大規模に自動化』をご覧ください。
Red Hat Ansible Automation Platform エコシステムのメリット
Red Hat は、組織を支援するソフトウェアやその他の製品を提供するテクノロジーパートナーから成る多様なエコシステムを構築しています。
Ansible Automation Platform の場合、これらのパートナーの存在は不可欠です。パートナーによって Red Hat Ansible Content Collections に貢献されたものが、お客様がこのプラットフォームを短時間でセットアップし、使い始めるのに役立つからです。このコンテンツは、認定パートナーと Red Hat が事前に構成したもので、Ansible Automation Platform の特定のバージョンに対して検証済みであり、モジュール、プラグイン、ロール、およびドキュメントがまとめられていて 1 カ所で利用することができます。
これは以下のことにつながります。
必要となるさまざまなロールとモジュールを見つけてアセンブルする際に行う作業が少なくてすみます。さらに、Ansible Content Collections は、メインの製品バージョンとは関係なくリリースおよび保守されるため、コンテンツのリリース頻度が向上します。
Ansible Automation Platform のサブスクリプションでは、Ansible Automation Hub へのフルアクセスが提供されます。これには、一貫性がありコンプライアンスに準拠した配信のために厳選された、40,000 を超えるモジュールからなる 190 以上の認定コンテンツコレクションが含まれます。
Ansible Automation Hub の Red Hat Ansible Certified Content には、Amazon、Arista、Aruba、Cisco、Datadog、Dell、Dynatrace、Fortinet、Google、IBM、Splunk、VMWare などのパートナーによるコレクションが含まれています。
自動化導入の戦略とリソース
IT 自動化の導入を成功へと導く単一の方法はありません。それぞれのプロセスは、テクノロジーを導入および使用する組織や個々の実務担当者ごとに異なります。
そうだとしても、自動化導入を成功させるためには、組織内のリーダーレベルと実務担当者レベルの両方から取り組む必要があります。たとえば、IT リーダーの場合、組織内で自動化に熱心な人材を特定し、初期のパイロット・デプロイメントを支援してもらったり、自動化コミュニティ・オブ・プラクティスやセンター・オブ・エクセレンスを作成したりします。自動化の実務担当者の場合は、自動化の導入をトップダウンで推進してくれるエグゼクティブや影響力のあるスポンサーを見つけます。
自動化導入の加速には慎重な計画が必要
幸いなことに、組織が単独で進めていく必要はありません。Red Hat は、組織全体で自動化を拡張するための戦略やヒントが記載されたリソースを数多くご用意しています。
- e ブック『自動化の成熟度を高める』では、自動化の成熟度を評価して進める方法を紹介しています。
- e ブック『現場からの声:システム管理者のための IT 自動化ガイド』をご覧ください。これは、世界中の組織やチームが包括的な IT 自動化の考え方を取り入れようとしたときに経験した興奮や落胆、その成功と課題について概説した短い現実のストーリーをまとめたものです。
- 『自動化アーキテクトのハンドブック』では、経営幹部から IT 部門まで、自動化に対する賛同を得るための戦略とベストプラクティスについて説明しています。
- e ブック『IT エグゼクティブのための自動化ガイド』では、IT エグゼクティブが自動化の成功をどのように促進できるかについて説明しています。次の方法を紹介しています。
- 支援者ではなく擁護者になる
- ビジネス目標に合わせる
- 変化とコラボレーションをサポートする
- 人材への投資によって導入を促進する
最終的に、成功できるチームとは、自動化に関する適切なトレーニングを受けたチームです。自動化を開始する、または自動化のスキルを向上させるにあたり、Ansible Automation Platform に関してチームに必要なトレーニングの種類を確認しましょう。Red Hat トレーニングと認定は、あらゆるレベルのスキルに対応するさまざまな選択肢を提供します。
開始方法
Ansible Automation Platform についてさらに詳しい情報が必要な場合Red Hat がお手伝いします。現状に合った方法を選択してください。
Ansible Automation Platform の 60 日間トライアルサブスクリプションをダウンロードします (Event-Driven Ansible と Ansible Lightspeed へのアクセスが含まれます)。
Red Hat コンサルティングに連絡し、無料の自動化ディスカバリーセッションを受けて価値実現までの時間を短縮します。Red Hat のエキスパートがお客様と協力しながらビジネス目標と課題を洗い出し、お客様のニーズに最適な自動化アプローチを提供します。
無料の Ansible 入門トレーニングから始めて、自動化の作成、拡張、管理の基本事項を学びます。
次のステップに進む
自動化を組織全体に実装する準備はできていますか?Red Hat は、お客様の企業が実装を開始して必要な変化を受け入れるお手伝いをします。
Red Hat コンサルティングがお客様のユースケースに対処し、組織の成熟度を評価し、組織の自動化を進化させる方法をご覧ください。
また、Red Hat Ansible Automation Platform Boot Camp などの Ansible Automation Platform トレーニングを受けて、自動化の使用を拡大しながらスキル獲得の加速を検討しましょう。どこから始めたらよいかわからない場合、まずは Red Hat Ansible Automation Platform スキルパスで自分の現在のスキルを確認しましょう。
自動化導入プロセスの次のステップに進むために、Red Hat テクニカル・アカウント・マネジメント・チームに相談して運用のガイダンスを受け、他のチームとのコラボレーションを開始します。
Red Hat Ansible Automation Platform テクノロジーとイベント駆動型の自動化の仕組みを理解し、IT 運用の課題にどのように適用できるかを学びましょう。このインタラクティブなラボを使用して自身のペースで学習し、イベント駆動型の自動化で作業を効率化し、より良い IT エンドユーザー・エクスペリエンスを提供する方法を学習します。
最後に、Ansible Lightspeed を使用して自動化のアイデアを基に機能する Ansible コードを作成し、Ansible コンテンツをより効率的に作成する方法をご覧ください。自習型のラボでこのテクノロジーを使用する方法を学習します。
IDC ホワイトペーパー (Red Hat 後援)、『Red Hat Ansible Automation Platform のビジネス価値』、Document #US51839824、2024 年 3 月。
Red Hat 導入事例、「Northeast Georgia Health System、Epic EHR の稼働時間を改善」、2024 年 12 月 4 日。
Red Hat プレスリリース、「Ensono、Red Hat Ansible Automation Platform でイノベーションと効率化を加速」、2025 年 5 月 20 日。
Red Hat 導入事例、「サウスウエスト航空、自動化のユースケースを拡大」、2024 年 5 月 2 日。