製品機能
Automation controller
一元化された Web ユーザー・インタフェース (webUI) とアプリケーション・プログラミング・インタフェース (API) により、組織全体で自動化の定義、運用、拡張、権限委任を行うことができます。
概要
Automation controller は、Ansible Tower に代わる Red Hat® Ansible® Automation Platform のコマンド & コントロールセンターです。webUI、API、ロールベースのアクセス制御 (RBAC)、ワークフロー・ビジュアライザー、継続的インテグレーションおよび継続的デリバリー (CI/CD) 統合が含まれており、企業全体の自動化を整理し管理することができます。
Ansible Automation Platform により、Automation controller は自動化に体系的なアプローチをもたらします。自動化をデプロイ、起動、権限委任、監査する方法を標準化することで、自信を持って自動化を行えるようになり、IT 環境におけるスプロールとばらつきを抑えることができます。
特長とメリット
自動化を迅速に拡大
Automation controller の分散型モジュール式アーキテクチャと automation mesh の機能により、運用者は多様なプラットフォーム上にインスタンスを展開し、オーバーヘッドを削減しながら、大量の需要を満たすために自動化を迅速に提供することができます。
一貫した自動化
Automation execution environment をサポートすることで、Automation controller は自動化を複数のプラットフォーム上で一貫して実行できるようにします。カスタム依存関係は、コントロールプレーンと緊密に結び付けられてはいません。その結果、迅速な開発サイクル、信頼性、可搬性が実現します。
複雑なプロセスの標準化
複数の IT チームにまたがる複雑なプロセスのワークフローを作成し、限定的でサイロ化されたソリューションを超えた自動化を実現します。以前のステップの成功または失敗に基づいて、ジョブを同時または条件付きで実行できるワークフローで、自動化を論理的に順序付けます。
ガバナンスの向上
RBAC、認証情報管理、エンタープライズ認証システムとのネイティブ統合により、チーム全体でガバナンスとアクセス権限を安定的に実現します。プロジェクト、ジョブテンプレート、インベントリーなどの Automation Controller オブジェクトへのきめ細かな権限を、ユーザーとチームに割り当てます。
可視性の向上
webUI には「ビュー」モードと「編集」モードという異なる視点があり、コントローラー・オブジェクトの可観測性が向上します。自動化トポロジービューアーを使用して複数のサイトにまたがるホップ、実行、ハイブリッド、およびコントロールノードを含む自動化トポロジーを視覚化し、トラブルシューティングとサポートを改善できます。
信頼できる唯一の情報源の作成
Automation controller は、ダッシュボードと一元化されたログ機能を提供し、ジョブの実行を 1 カ所で管理および追跡できるようにすることで、チーム間のコラボレーションを可能にします。ログ機能の統合と組み込みのアクティビティストリームにより、Automation controller を既存の監査およびレポート機能に統合できます。
Automation controller は、インフラストラクチャ全体で自動化を実行する方法を設定し、管理するための中心的な場所です。ジョブテンプレートの構築に役立ち、自動化のデプロイ、起動、権限委任の方法を標準化するため、再利用性と一貫性を高めることができます。ジョブテンプレート (自動化ジョブと呼ばれることが多い) は、Ansible Playbook とコントローラー・オブジェクト (実行環境、プロジェクト、インベントリー、認証情報を含む) を組み合わせることで、自動化の実行方法を定義します。
- 実行環境とは、プライベート Automation Hub などの実行環境構成とソースを定義する方法であり、開発からプロダクションまで一貫性のある自動化を実行するために、可搬性のある保守可能な環境を提供します。
- プロジェクトは、自動化コンテンツソースを定義する Playbook の論理的なコレクションです。つまりプロジェクトは、Automation controller に自動化コンテンツを追加する方法です。プロジェクトは、複数のソースタイプ、ソースコントロール管理、RBAC、Red Hat Insights との統合をサポートします。
- インベントリーを使用すると、サーバー、クラウドインスタンス、セキュリティ・アプライアンスなど、対象となるエンドポイントを定義し、論理的にグループ化することができます。Automation controller は、ネイティブおよびカスタムプラグインを使用して、動的にインベントリーをエンドポイントのグループに分割します。
- 認証情報は、外部リソース、リポジトリ、またはターゲットエンドポイントにアクセスして認証するために必要なものです。ユーザーとチームは、実際の認証情報にアクセスすることなく、RBAC コントロールを介して認証情報を使用することができ、Automation controller はリソースとエンドポイントアクセスを保護するために認証情報を保存します。
Automation controller の webUI ダッシュボードでは、自動化ジョブの実行を管理および追跡できます。ワークフローの構築、ジョブテンプレートの起動、実行中のジョブの表示、特定のジョブの詳細の確認、ジョブの再実行などを行い、ジョブが最初に実行されたときに指定された条件や変数を維持することができます。また、直感的なフィルターも含まれており、自動化オペレーターが手元のタスクに関する簡潔な情報を表示するために使用できます。
webUI と単純化されたツールセットに加えて、Automation controller の API でも自動化の拡張と管理を行うことができます。閲覧可能な API は、監視ツールなどの他のツールだけでなく、SOAR や CI/CD パイプラインのような他のオーケストレーション・ツールへのシームレスな統合も可能にします。Automation controller の柔軟な機能により、インベントリーの管理、ワークフローの起動とスケジュール、変更の追跡、レポートへの統合のすべてを、一元管理されたコントロールプレーンから実行できます。
よくある質問 (FAQ)
「Automation controller」という名前の由来は何ですか?なぜ「Ansible Tower」から変更したのですか?
Ansible Automation Platform が進化を続けており、以前は Ansible Tower として知られていたものから一部の機能が切り離されました。今後もこの状態が継続する予定です。
以前の Ansible Tower では、webUI と API (コントロールプレーン) と実行プレーン (コマンドライン Ansible) がすべてのノードに含まれていました。冗長性のために複数のノードを持つクラスタを作るとリソースを浪費してしまうため、これはあまりスケーラブルではありません。実行能力を増やしたいだけなら、5 つの webUI を実行する必要はありません。
これを解決するために、Red Hat はコントロールプレーンと実行プレーンを分離し、仮想マシンやサーバーのように、コントロール (webUI) と実行 (Playbook の実行) のいずれかに特化した複数のノードを持つことができるようにしました。これにより、Red Hat Openshift® のような Kubernetes 環境でもよりシームレスに動作するようになりました。
これらの機能拡張を反映させ、Ansible Automation Platform 内での位置づけをより適切なものにするために、名称を変更することは理にかなっていました。
Automation controller を使用するには Red Hat Openshift が必要ですか?
いいえ。Automation controller は、スタンドアローンの Red Hat Enterprise Linux® サーバーの物理環境と仮想環境にインストールして実行できます。
Automation controller はどこでダウンロードできますか?
Automation controller は Red Hat Ansible Automation Platform サブスクリプションの一部として含まれており、https://access.redhat.com/downloads/ からダウンロードできます。トライアル・サブスクリプションをご希望の方は、こちらのリンクをご覧ください。学習用やホームラボで使用するための開発者ライセンスをお探しの場合は、こちらのページをご覧ください。
関連情報
トレーニングコース
Ansible Basics: Automation Technical Overview
無料のオンデマンドコースを受講して、Ansible Automation Platform で Automation controller を使用して基本的なタスクを実行する方法を学ぶことができます。
ドキュメント
Automation controller クイックセットアップガイド
Automation controller を使用し、最初の Playbook を実行するための基本的な手順を説明した技術ドキュメントをご覧ください。
技術ブログ
The Inside Playbook
Automation controller の最新動向と、Ansible Automation Platform での使用方法について、技術エキスパートから知見を得ることができます。