2025 年の今、人工知能 (AI) に関する話題を避けることなど不可能です。チャットボットはカスタマーサービスのリクエストに対応し、マーケティングチームは AI を使用してキャンペーンを大規模にパーソナライズし、セキュリティアナリストは機械学習を活用して不正行為が発生する前に検知できるようにしています。AI には多くの期待が寄せられている一方で、多くの企業は依然として、AI をビジネスで実際に活用するにはどうすればよいのかという根本的な質問に対する問いかけをしています。

実のところ、Red Hat での私の役割においても、Linux オペレーティングシステムとインフラストラクチャ (Red Hat Enterprise Linux (RHEL) から、AI ワークロードの実行とスケーリングのために明示的に構築されたプラットフォーム (RHEL AI および Red Hat OpenShift AI) へとフォーカスが移行しましたが、当初はこれが何を意味するのかを理解していませんでした。AI を活用した開発者アシスタントによるコーディング作業の迅速化や、AI 主導のロジスティクスによるサプライチェーンの最適化、ナレッジベース検索ツールによる従業員の社内情報へのアクセス方法の変革など、AI には可能性があると考えていましたが、企業はどこから始めたらよいのかという問い、すなわち全体像に立ち返る必要がたびたびありました。最も大きなビジネス価値を実現するのはどの AI ユースケースか。また、レガシーソフトウェア、スキルギャップ、予算など、現実世界の課題にどのように対処し、実験から実装にどのように移行できるのか、などの問いに対する答えを見つける必要があります。

AI のユースケース:AI は組織をどのように支援するかが明確でない場合は、ここから始めてください

私と同様の疑問を持っておられる方は他にもおられることでしょう。AI をエンタープライズに取り入れる真の意味を理解し、実用的で影響力の高い AI アプリケーションを開発する方法を確認しましょう。

AI の登場

誰もが ChatGPT のような大規模言語モデル (LLM) を試したことがあり、その高コストについて耳にしたことがあるでしょう。これらのモデルのトレーニングと実行にかかる費用は、推定で数百万ドルに上ります。アプリケーションで使用するモデルを大規模にトレーニングして実行するために必要な膨大なデータセットと高性能ハードウェアを利用できるのは、一握りの企業 (Meta、Google、Microsoft など) だけです。ほとんどの企業にとって、このような参入障壁は乗り越えられないもののように感じられます。

しかし、ここで注目すべきなのは、オープンソースソフトウェア・コミュニティとそのコントリビューター、テクノロジーパートナー、企業からなる広範なエコシステムが、AI が注目されるようになるずっと前から、このような課題に取り組んできたことです。AI の課題は、どの組織も単独で解決することはできません。基盤的なツールを構築するオープンソース開発者、スケーラブルなインフラストラクチャを提供するクラウドプロバイダー、現実世界での AI アプリケーションを形成する企業に至るまで、業界を超えたコラボレーションが必要です。

法外なコストをかけず、ベンダーロックインなしに AI を実装したいのであれば、その鍵となるのはオープンソースです。

AI の未来にとってオープンソースはなぜ重要か

オープンソースソフトウェアは、単にコードを共有するだけではありません。業界や組織を越えたコラボレーションを通じて問題を解決することを目指しています。Red Hat では、オープンソースを単なる開発モデルではなく、考え、学び、共にイノベーションを実現するためのフレームワークであると考えています。インターネットの黎明期から、オープンソースのプロジェクトはテクノロジーへのアクセスを民主化し、イノベーションへの障壁を取り除くための助けとなってきました。 AI も例外ではありません。

オープンソースのアプローチは、柔軟性、相互運用性、およびグローバルなイノベーションコミュニティへのアクセスが可能であることを意味します。ハイパースケーラーから AI のスタートアップまで、Red Hat のエコシステムパートナーは、ベンダーに依存せずに共創、共有、コラボレーションを可能にするオープンソース開発モデルのメリットを享受しています。

オープンソースの活用

オープンソースの力を示す代表例として InstructLab を挙げることができます。これは最初に Red Hat と IBM が開発したコミュニティ主導の AI プロジェクトです。InstructLab は、データサイエンティストだけでなく、それぞれの分野の専門家も AI モデルの微調整をより簡単に行えるようにすることで、AI モデルの微調整を単純化します。組織は、機械学習の深い専門知識や大規模なインフラストラクチャを必要とせず、自社のデータとドメイン知識を使用して、より小規模な専用の AI モデルを構築できます。

誰もが無料で利用できるコミュニティ版の InstructLab を使用し、実験できます。また、エンタープライズグレードの安定性を必要とする組織向けには、RHEL AI に統合されたサポート付きのバージョンが用意されています。 

InstructLab は、オープンソースがこれほど強力なものである理由を体現しています。InstructLab は、AI をよりアクセスしやすく、柔軟で、協調的なものにし、企業が AI について語るだけでなく AI を実際に使えるようにします。

Red Hat パートナーの力

適切なツールを使用しても、多くの組織は AI の大規模な実装に苦労しています。少しの調査により、多くの企業では、AI ソリューションを開発、デプロイ、管理するための社内の専門知識が不足していることが実装を難しくしている原因であることが明らかになりました。オープンソースプロジェクトが技術的な障壁を低くしたとしても、ビジネス戦略における AI の位置付けの理解から、現実世界のアプリケーション向けのモデルの微調整に至るまで、企業は依然として実装の課題に直面しています。

イノベーションは 1 人では起こすことはできません。オープンソースはコラボレーションによって成長し、エンタープライズ AI は、テクノロジー、専門知識、サポートを結びつける強力なパートナーエコシステムによってその潜在能力を最大限に発揮します。Red Hat のパートナーエコシステムは、主要なハードウェアベンダー、クラウドプロバイダー、システムインテグレーターを結び付け、AI のシームレスな導入を可能にします。GPU を活用して AI パフォーマンスを最適化する場合や、AI 高速化ツールと統合する場合、またハイブリッドクラウド環境に AI ワークロードをデプロイする場合などのいずれの場合でも、Red Hat のパートナーは、プロプライエタリー・プラットフォームのロックインを回避しながら、ニーズに合う方法で企業が AI を実装できるよう支援します。

テクノロジー以外にも、Red Hat はパートナーと協業して広範な コンサルティングおよび トレーニングサービスを提供し、チームが自信を持って AI アプリケーションの開発、デプロイ、管理、スケーリング、トラブルシューティングを行えるよう支援します。

Red Hat AI サービス:Red Hat による AI 導入のサポート

終わりに

AI は急速に進化していますが、未来は単独では構築できないという点は明白です。最も変革的なイノベーションは、現実世界の問題を共に解決するオープンソースコミュニティ、テクノロジーパートナー、企業間のコラボレーションから生まれます。

Red Hat は、AI をより利用しやすく、スケーラブルで、エンタープライズ対応にすることに全力を注いでいます。これは、サイロ化した作業ではなく、オープンソース基盤の上に構築されたパートナーエコシステムを強化することで実現します。イノベーションは 1 人では起こすことはできません。

AI の取り組みを開始したばかりでも、この取り組みをさらに拡張する場合でも、単独で行う必要はありません。Red Hat Partner Ecosystem Catalog では、お客様が自信を持って前進するための助けとなる、ツール、専門知識、コラボレーターを紹介しています。次のステップに進み、適切なパートナーと協業することで何が可能になるのかをご確認ください。

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執筆者紹介

Abigail Sisson is an AI Portfolio Product Marketing Manager at Red Hat, where she helps organizations navigate emerging technology through the lens of open source. Since joining Red Hat in 2020, she has worked across services and partner marketing to spotlight real-world customer stories and show how collaboration drives innovation. Today, she focuses on making AI more approachable by connecting big ideas to practical paths forward across platforms, partners, and people.
 
Based in the DC area, she loves traveling, building LEGOs, hanging with her pets and her people, and organizing community events for causes close to her heart.
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