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変化のペースが速い IT の世界では、イベントに迅速かつ効率的に対応する能力は単なる利点でなく、なくてはならないものです。Event-Driven Ansible の登場により、自動化の活用方法が大きく変化し、静的な Playbook から動的なイベント対応の自動化戦略へと移行しました。本日は、この分野の発展について説明します。ServiceNow と Event-Driven Ansible の統合することにより、自動化された応答とアクションのシームレスなループが形成されるようになりました。これは IT サービスの管理のあり方を再定義するものとなっています。

Event-Driven Ansible とは

新しい統合について詳しく説明する前に、Event-Driven Ansible とは何かを簡単に確認しましょう。事前定義された一連のタスクを順番に実行する従来の Ansible Playbook とは異なり、Event-Driven Ansible では「ルールブック」の概念が導入されています。ルールブックは常に特定のイベントをリッスンし、イベントを検出すると、対応する自動タスクをトリガーします。このアプローチによってシステムイベントへのリアルタイムの応答が可能になり、IT 自動化がより動的でコンテキストに対応したものになります。

ServiceNow との統合の概要

この新たな統合により、業界有数の IT サービス管理プラットフォームである ServiceNow が、Event-Driven Ansible の一連のイベントソースに組み込まれることになります。ServiceNow ストアで専用に開発され、利用可能なアプリケーションにより、ServiceNow は Event-Driven Ansible の強力なイベントソースとして機能します。このアプリケーションはアウトバウンドの Webhook 通知チャネルとして機能し、サービスカタログ、サービスカタログの承認、インシデントや問題などのイベントを ServiceNow の主要なテーブルから Ansible 環境に直接ブロードキャストします。

仕組み

この統合により、ServiceNow の IT サービス管理機能の堅牢性と Red Hat Ansible Automation Platform の強力な機能を活用できます。新しいインシデントの作成やサービスリクエストの承認など、ServiceNow テーブルで特定の変更や更新が発生すると、これらのイベントがキャプチャされ、通知として Event-Driven Ansible システムに送信されます。次に、Ansible Automation Platform がこれらのイベントを処理し、シンプルな通知から複雑な修復タスクまで、適切な自動応答をトリガーします。

クローズドループの自動化

この統合を革新的なものにしているのは、クローズドループの自動化システムが構築される点です。ServiceNow が自動化されたタスクのトリガーと受け取り側者の両方として機能することで、組織はこれまでにないレベルの効率性と応答性を実現できます。たとえば、ServiceNow で報告されたインシデントは、Ansible Automation Platform の診断 Playbook を自動的にトリガーし、結果は ServiceNow にフィードバックされ、インシデントは関連する調査結果と実行されるアクションの情報で更新されます。

利点とユースケース

この統合は、組織が IT サービスを処理し、イベントに対応する方法を変革するきっかけとなっています。これには、次のような魅力的なメリットがあります。

  • 応答性の向上:インシデント、承認、サービス要求へのリアルタイムの応答を自動化します。
  • 効率の向上: ルーチンタスクと診断を自動化することで、手動による介入を減らします。
  • サービス品質の向上:イベント駆動型の自動化をサービス管理に統合することで、問題解決と更新を迅速化します。

ユースケースは、頻繁に発生するインシデントを人手を介さずに自動修復することから、サービス要求の承認時にリソースを自動的にデプロイすることまで多岐にわたります。これにより、IT サービスは単にリアクティブであるだけではなく、プロアクティブで予測可能なものとなります。

まとめ

ServiceNow と Event-Driven Ansible の統合は、IT 自動化とサービス管理における飛躍的な進歩を意味します。イベント管理と自動化の間のギャップを埋めることにより、この統合は両方のプラットフォームの機能を強化するだけでなく、IT サービスの提供におけるイノベーションのための新たな道を開きます。この組み合わせが持つ潜在能力を最大限に引き出すことにより、IT 運用を強化する機会が無限に開かれます。特定のユースケース、成功事例、実践ガイドについては、今後の投稿で詳しく紹介します。IT プロフェッショナルと IT 組織の皆様におかれましては、この統合の詳細をご確認いただき、イベント駆動型の自動化を IT 環境で最大限に活用していただくことをお勧めします。

利点をすぐに活用することを希望されている皆様に、「Event-Driven Ansible Notification Service」アプリケーションが ServiceNow ストアで無料で入手可能になったことをお伝えできることを嬉しく思います。このオファーを活用し、その効果を実際に体験してみてください。より実践的なアプローチをご希望の場合は、 セルフガイドラボのページでプロセスを確認していただくことができます。ご自分のペースで学習し、実践してみることができます。IT 自動化の応答性と効率性をさらに高める取り組みを今すぐ始めましょう


執筆者紹介

Colin McNaughton is a Principal Technical Marketing Manager for Ansible Automation. Colin has been with Red Hat for 7 years and, prior to this position, served as a Solution Architect in the southeast helping organizations grow their automation strategy. He has lived in NC for the past decade with his wife and two kids.

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