2014年10月に提供開始したオープンかつソフトウェアディファインドストレージソリューションのRed Hat Gluster Storage 3の4度目のアップデートにて、新たな機能セットが追加されました。
本日の発表は、Red Hat Ceph Storage (旧Inktank Ceph Enterprise)とRed Hat Gluster Storage (旧Red Hat Storage Server)を統合したオープンなソフトウェアディファインドストレージポートフォリオの発表に続くものです。
これらの新機能は、多くのワークロードにおいて優れたパフォーマンスを提供するのと同時に、多くのユーザーから要望の多かったデプロイとレプリケーションにおける柔軟性を向上させることを目的に設計されています。
一般的なファイルワークロードでは、処理するファイルのサイズは大きく異なるため、ファイルサービスは、小、中、大を問わずあらゆる種類のファイルのワークロードに対して高い性能を発揮する必要があります。Red Hat Gluster Storageではサイズの小さなファイルのパフォーマンスを強化しており、サイズの小さなファイルや大きなファイル上の小さなI/O転送の処理を行うワークロードの性能を向上します。
リジリエンシー、RAIDあり/ RAIDなし
現在のユーザーの多くはRed Hat Gluster Storageを、パブリッククラウドのような、ボリュームの標準2wayレプリケーションではリジリエンシーが不十分な環境にデプロイしています。同時に、多くのユーザーはRAIDの使用を避けることで複雑さを軽減し、可用性を向上させることを好みます。Red Hat Gluster Storageの最新のリリースでは、新しい代替手法として、JBOD (Just a Bunch Of Disks)のサポートにより3wayレプリケーションを提供します。
3wayで同期レプリケートされたRed Hat Gluster Storageボリュームは、すべてのファイルのコピーを3つ保存することで、ビジネスの継続性のための高いデータ可用性とローカル復元機能を提供します。これらのボリュームは、クォータ、非同期ジオレプリケーション、スナップショットなど他のデータサービスと併用できます。2wayレプリケートボリュームでは、RAIDが推奨されますが、新しい3wayレプリケートボリュームでは、ハードウェア/ソフトウェアRAIDを必要としません。
弊社のラボテストでは、読み取り偏重かつマルチスレッドのシーケンシャルなI/Oワークロードにおいて、3wayレプリケートボリュームの利用において利点が最もあることを示しています。これは読み取り元のレプリカが増えるためです。さらに、これらの新しいボリュームには、ノードが一時的に停止したときに自己修復する機能があり、アクセスが可能になったときにデータが自動的に再同期します。パブリッククラウドにおいて、Red Hat Gluster Storageの新しい3wayレプリケーションは、最大2つのアベイラビリティゾーンの障害に対して保護することが可能です。
JBOD のサポートにより、サーバにおいて、高度なRAID保護によるパフォーマンスオーバーヘッドなしに、最大24ディスクベイを使用できます。新しく導入された3wayレプリケーションは、JBODとともに使用するように設計されており、推奨およびサポートされるレプリケーション構成です。
小さなファイルのパフォーマンス強化
今回のリリースでは、サイズの小さいファイルのパフォーマンス強化の第一弾が含まれています。テスト結果から言えば、お客様の現状を大きく変える革新的技術です。小さなファイルの書き込み作成、読み取り、リストパフォーマンスが最大で次のように向上しています。
-
Glusterネイティブクライアントで130%
-
NFSで120%
-
SMBで200%
つい最近、「マルチスレッドepoll機能」と呼ばれる機能によって、小さなファイルのパフォーマンスの激的な向上が実現しました。サーバ側では、マルチスレッドepollは、クライアントからのネットワーク要求を並列して処理する追加スレッドを作成することで飽和を解消します。これによりストレージノードでは、1スレッドの場合より迅速にディスクサブシステム要求を処理できるようになります。
クライアント側では、マルチスレッドepollによって、ストレージノードからの応答が並列的に処理されるようになります。その結果、アプリケーション要求の待ち時間が大幅に短縮し、スループットが高くなります。
この強化によって、マルチコアシステムでは効率的にコアを利用できるようになります。弊社のテストでは、クライアント側の改善によって、ほぼすべてのマルチクライアント、マルチスレッドワークロード、さらに一部のシングルスレッドのワークロードにも全面的なパフォーマンスの向上が見られました。SSDによる高IOPS (1 秒あたりの入出力操作回数)を必要とするアプリケーションにもメリットがあります。
これはサイズの小さいファイルのパフォーマンス強化は第一弾に過ぎず、次回のRed Hat Gluster Storageリリースでもサイズの小さなファイルのワークロードのパフォーマンスを向上する機能を提供する予定です。
今回のリリースはローリングアップグレードに対応しているため、お客様にはぜひともこれらの強化を活用していただきたいと思います。
次の図は、2014月9月のGA以来のRed Hat Gluster Storage 3リリースの機能追加を時系列に沿ってまとめたものです。
弊社ではこれらの新機能をお客様に提供できることを大変うれしく思っています。Red Hat Gluster Storageの詳細については、http://www.redhat.com/en/technologies/storage/glusterをご覧ください。Red Hat Storageポートフォリオの詳細については、http://www.redhat.com/en/technologies/storageをご覧ください。
執筆者紹介
チャンネル別に見る
自動化
テクノロジー、チームおよび環境に関する IT 自動化の最新情報
AI (人工知能)
お客様が AI ワークロードをどこでも自由に実行することを可能にするプラットフォームについてのアップデート
オープン・ハイブリッドクラウド
ハイブリッドクラウドで柔軟に未来を築く方法をご確認ください。
セキュリティ
環境やテクノロジー全体に及ぶリスクを軽減する方法に関する最新情報
エッジコンピューティング
エッジでの運用を単純化するプラットフォームのアップデート
インフラストラクチャ
世界有数のエンタープライズ向け Linux プラットフォームの最新情報
アプリケーション
アプリケーションの最も困難な課題に対する Red Hat ソリューションの詳細
仮想化
オンプレミスまたは複数クラウドでのワークロードに対応するエンタープライズ仮想化の将来についてご覧ください