Red Hat OpenShift Data Foundation:Red Hat OpenShift 向けの永続ストレージとクラスタデータ管理
Red Hat® OpenShift® Data Foundation1 は、Red Hat OpenShift と統合され、Red Hat OpenShift 向けに最適化されている永続ストレージおよびクラスタデータ管理のソリューションです。OpenShift Data Foundation は、分散型のスケーラブルなソフトウェア・デファインド・ストレージ・プラットフォームに加えて、高度なエンタープライズ・クラスタ・データ管理サービスも提供し、アプリケーションがシンプルで一貫性のあるスケーラブルな方法でデータを処理できるようにします。マルチクラウド・データ管理機能により、複数のインフラストラクチャにわたるデータの拡張とフェデレーションが可能です。
先進的なプロダクション・ワークロードおよびアプリケーションのためのデータ基盤
OpenShift Data Foundation は、Red Hat OpenShift が実行される、オンプレミス、パブリッククラウドまたはプライベートクラウド環境、エッジのどこでも実行できます。一般的なプロトコル (ファイル、ブロック、オブジェクト) を使用してアジャイルかつ柔軟なデータアクセスを提供し、幅広いワークロードとアプリケーションをサポートします。このプラットフォームは、組織が必要とする高度なクラスタデータ管理サービスを提供するとともに、基盤となるさまざまなストレージ・インフラストラクチャ間の詳細や不整合を抽象化します。
OpenShift Data Foundation はコンテナベースの環境向けに作成されましたが、Red Hat OpenShift Virtualization もサポートしています。サポートされている Red Hat OpenShift Operator により、クラウドネイティブなコンテナの管理、スケジューリング、オーケストレーションなど、コンテナベースのアプリケーションのライフサイクルの一部として簡単にインストールし、管理することができます。このレベルの統合によって次のようなメリットがもたらされます。
- 信頼できるエンタープライズクラスの Kubernetes 向けストレージ:OpenShift Data Foundation は多様なワークロード、マルチクラウド・オブジェクト・ゲートウェイ機能2、Red Hat OpenShift で実行されるワークロードのビジネス継続性をサポートします。
- Red Hat OpenShift のデータ保護とレジリエンシー:レプリケーションなどの重要な機能をサポートし、データをさまざまなアベイラビリティゾーンに配置できます。また、名前空間に関連するデータ、カスタムリソース、状態を含め、Kubernetes アプリケーションのバックアップとリストアサービスのサポートが含まれます。
- クラウド同様のエクスペリエンスをどこでも実現:OpenShift Data Foundation が提供するソフトウェア・デファインド・ストレージを活用することで、組織はアプリケーションとストレージをビジネスニーズに応じてデプロイし、状況の変化に応じて適応させていくことができます。
- 開発者の生産性向上:OpenShift Data Foundation はすべてのハイブリッドクラウド・プラットフォームにわたって一貫した機能とユーザーエクスペリエンスを提供することで、開発者とユーザーの作業を単純化します。
- アプリケーションとデータのモダナイゼーション:Red Hat OpenShift Virtualization をサポートしているため、クラウドネイティブ・アプリケーション開発と並行して既存のアプリケーションをすべて単一のプラットフォーム上で実行し続けることができます。
技術仕様
OpenShift Data Foundation には Essentials エディションと Advanced エディションがあります (表 1)。OpenShift Data Foundation Essentials エディションは Red Hat OpenShift Platform Plus に含まれており、Red Hat OpenShift Container Platform と以下のコンポーネントを提供します。
Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes
Red Hat Advanced Cluster Security for Kubernetes
Red Hat Quay (セキュリティ重視のグローバル・コンテナ・プライベート・レジストリ・プラットフォーム)
ハイライト
アクセスを単純化して完全かつ一貫性のある Red Hat OpenShift のデータ・プラットフォーム・エクスペリエンスを提供
データがどこにあるかに関係なく一貫したユーザーエクスペリエンスを実現し、クラウド環境全体での一貫性とチーム間の信頼を促進
ビジネスクリティカルなレジリエンシー (回復力) とピーク時のパフォーマンスで、数ペタバイトのスケーラビリティをサポート
データセンター、パブリッククラウドまたはプライベートクラウド環境、エッジでのデプロイメントに対応する、高度なデータ管理機能とビジネス継続性機能
表 1. OpenShift Data Foundation のエディション
Essentials エディションで提供されるもの | Advanced エディションで追加されるもの |
|
|
表 2 に OpenShift Data Foundation の特長と機能の概要を示します。
表 2. 特長と機能
ビジネス継続性および障害復旧 | |
OpenShift APIs for Data Protection | クラスタ対応のバックアップおよびデータ・リカバリー・インタフェースには、個々のワークロード、アプリケーション、およびクラスタサービスの名前空間のバックアップとリカバリーが含まれます。 |
リージョナル障害復旧 (DR) | データセンターの障害に対する非同期 DR は、ワイドエリアネットワーク (WAN) を介して地域または大陸全体に拡張でき、リージョン障害からの保護を提供します。 |
メトロ DR | クラスタの障害に対する同期 DR は、低遅延ネットワークが利用可能なキャンパスまたはメトロ内で、システム障害に対する保護と損失のないリカバリーを提供します。 |
エッジでのデータサービス | |
3 ノードのコンパクトクラスタ | 3 つのプロダクションノードで Red Hat OpenShift および OpenShift Data Foundation をサポートします。 |
シングルノードの OpenShift のサポート | OpenShift Data Foundation のシングルノード構成は、小規模のインフラストラクチャ・フットプリント内のエッジロケーションのシンプロビジョニング、スナップショット、バックアップをサポートします。 |
シングルノードのシンプロビジョニング | シンプロビジョニングにより、ユーザーの要求に応じて経時的にリソースを増やすことができます。 |
マルチクラスタのモニタリング | |
マルチクラスタ・ダッシュボード | マルチクラスタ・ダッシュボードが Red Hat Advanced Cluster Management と統合されており、マルチクラスタの健全性と最適化を単一のビューで監視して、分散ワークロードに影響を与える問題を特定、分離、解決することができます。 |
マルチクラウド・ゲートウェイ | |
オブジェクトバケット | オブジェクトバケットは、ミラーリング、拡散、暗号化、および複数のサポートされている階層化アプローチを使用してデータストレージを提供します。 |
名前空間バケット | 名前空間バケットは、データセットをコピーすることなくさまざまなデータリソースを整理、構成、管理するデータフェデレーション機能に使用できます。 |
オブジェクト・バケット・クレーム | オブジェクト・バケット・クレームを使用すると、永続ボリュームクレームのワークフローに合わせて、開発者ワークフロー用のオブジェクトバケットを動的に作成できます。 |
強化されたデータセキュリティ | |
エンドツーエンドの暗号化 | クラスタとクライアントの間のエンドツーエンドの暗号化により、クラスタ全体のデータセキュリティが強化されます。 |
永続的なボリュームレベルの暗号化 | キー管理サービスを使用して永続ボリュームレベルでデータを暗号化し、ユーザー独自のキーを使用できるようにします。 |
キー管理サービス (KMS) の統合 | キー管理相互運用性プロトコル (KMIP) のサポートにより、暗号化と顧客提供のキーが統合されます。 |
ネットワークファイルシステム (NFS) のサポート | |
NFS のサポート | 内部または外部アプリケーション向けの NFS サービスは、レガシーアプリケーションとのインタラクション、アプリケーションのモダナイゼーション、将来的な Red Hat OpenShift 環境への移行をサポートします。 |
「OpenShift Data Foundation の概要」、Red Hat、2022 年 11 月 4 日。
「マルチクラウド・オブジェクト・ゲートウェイ名前空間バケットのレプリケーション」、Red Hat、2022 年 7 月 1 日。