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自動化は、テクノロジー業界の世代交代を可能にし、かつ世代交代を推し進める力となってきました。自動化により、以前は考えられなかったほどのスピードで変化していく、より信頼性の高い動的なシステムが実現しました。

同時に、そのような変化のスピードは、資産と状態の追跡に新たな課題をもたらしています。多くの組織には、明確な監査義務と職務の分離に関する要件があります。そのため、これらの要件を満たすために一元化されたワークフローと資産追跡システムを導入することは理にかなっています。

自動化システムとこのような一元化された記録システムを統合することには、計り知れないメリットがあります。そこで、Red Hat Ansible Automation Platform と ServiceNow ITSM を統合し、これらのシステムを共に使用するプロセスを単純化しました。このブログでは、これらの統合がどのように連携するかについて説明するとともに、最近の機能強化に関する最新情報を紹介します。

Ansible Automation Platform は、ServiceNow ITSM 用に 3 種類の統合を提供します。

Ansible Automation Platform と ServiceNow の統合の活用方法

ユーザーとして Ansible Automation Platform と ServiceNow の統合を使用する場合、いくつかの選択肢があります。これらの選択肢は排他的ではありません。ニーズに合わせて機能をいくつでも使用できます。

データソースとしての ServiceNow (読み取り専用)

servicenow.itsm コレクションには、ServiceNow を Ansible インベントリーソースとして使用できるインベントリープラグインが含まれています。これにより、Ansible ワークフローは、ServiceNow に直接保存されているファクトを使用して、サーバー、サーバーのグループ、エンドポイントをターゲットにすることができます。このプラグインは、10,000 以上のインベントリー項目にスケーリングするようにテストされています。最近、インベントリープラグインにキャッシュ機能が追加されました。これにより、インベントリーの同期が高速になり、とりわけ大規模なインベントリーにおいて効果を発揮します。さらに、重複したレコードを返す可能性のあるクエリのパフォーマンスが向上し、大規模なフリートでのインベントリーのエクスペリエンスが改善されました。

インベントリー設定の例:

---
plugin: servicenow.itsm.now
table: cmdb_ci_ec2_instance
strict: false
cache: True
cache_plugin: ansible.builtin.jsonfile
cache_timeout: 3600
cache_connection: /tmp/cache
cache_prefix: now
columns:
  - sys_id
  - name
  - fqdn
sysparm_query: nameSTARTSWITHmy-vm-

他のサービスモジュールを使用して、ServiceNow オブジェクト (問題、インシデント、サービスリクエストなど) を照会することもできます。これを実行する場合、ServiceNow への書き込み権限は必要ありません。

Ansible Automation Platform が ServiceNow ワークフローに参加 (読み取り/書き込み)

Ansible Automation Platform と ServiceNow を併用するもう 1 つの方法は、ServiceNow ITSM レコードを作成、更新、削除することです。servicenow.itsm コレクションでは、次のオブジェクトタイプが明示的にサポートされています。

  • 変更要求 (変更要求タスクを含む)
  • 設定項目 (関係を含む)
  • インシデント
  • 問題 (問題タスクを含む)
  • サービスカタログ
  • 添付ファイル

Problem API の変更に伴い、Red Hat Ansible Certified Content Collection アプリケーション用の API を開発しました。Problem API を完全にサポートするためには、ServiceNow インスタンスにこの API をインストールする必要があります。

また、バージョン 2.5.0 以降では、「汎用」サポートが追加されました。つまり、servicenow.itsm は REST がサポートするあらゆるオブジェクトで使用できます。

これらのオブジェクトのいずれも、コレクションを通じて読み取り、作成、更新、削除が可能です。そのため、インシデントを確認し、インシデントが参照する設定項目に対して何らかの検出を行い、その情報をインシデントに記録する Ansible ワークフローを構築できます。

Ikea はその良い例です。AnsibleFest 2024 で、Ikea は Ansible Automation Platform と ServiceNow の統合についてプレゼンテーションを行いました。

Ansible Automation Platform が Event-Driven Ansible で ServiceNow イベントに対応

Ansible Automation Platform 2.4 に Event-Driven Ansible が導入され、ServiceNow を設定して直接または「中間」サーバー経由で、Webhook を使用して Ansible Automation Platform にイベントを送信できるようになりました。

Event-Driven Ansible 通知サービスアプリケーションは現在、次のテーブルとイベントタイプをサポートしています。

Event-Driven Ansible notification

Ansible Automation Platform のイベントルールブックは、 servicenow.itsm コレクションとその他のコンテンツを使用して、これらのイベントに適切に対応できます。

最近、Nestle はプレゼンテーションを行い、Event-Driven Ansible を使用することで人的介入なしに Ansible クラスタのフェイルオーバーを計測する方法を公開しました。

ServiceNow の強化

Red Hat は、Event-Driven Ansible 通知サービスと Red Hat Ansible Certified Content Collection 向け API の両方を、ServiceNow のリリースコード (コード名:Utah、Vancouver、Washinton DC) 向けに認定しました。Red Hat は、これらのアプリケーションと servicenow.itsm コレクションの認定を、ServiceNow の新しいリリースが一般提供されるまで引き続き行っていきます。

キーポイント

Ansible Automation Platform と ServiceNow の統合により、両方のシステムがより使いやすくなっています。その目標は、Ansible Automation Platform で ServiceNow インベントリーを使用すること、Ansible ワークフローが提供できる情報を ServiceNow レコードに付加すること、ServiceNow によって生成されたイベントに Ansible Automation Platform が対応できるようにすることです。Red Hat は ServiceNow の統合に継続的に投資しており、ユーザーとお客様のためにこれらの機能の維持とサポートに取り組んでいます。

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