本日、Red Hat OpenShift Virtualization 4.16 が一般提供されたことをお知らせします。
OpenShift Virtualization を使用すると、既存の仮想マシン (VM) ベースのワークロードを Red Hat OpenShift に移行して、運用をモダナイズできます。これまで仮想化に投資した内容を確保しながら、包括的な最新アプリケーション・プラットフォームから得られるスピードとシンプルさを活用できます。OpenShift Virtualization 4.16 リリースの新機能の一部をご紹介します。
要求の厳しいワークロードにも対応できる拡張性と柔軟性
より複雑な仮想マシンのワークロードを OpenShift に移行するユーザーが増えるにつれ、Red Hat は一連のケイパビリティを新たに有効にし、最も厳しい要件にも対応しています。これには以下が含まれます。
- CPU ホットプラグを使用して仮想マシンワークロードを垂直にスケーリングし、中断することのできないワークロードのバーストや季節的な増加を動的に処理できるようになりました。
- 仮想マシンの実行中にノードとアフィニティ・ルールを指定できるようになり、ワークロードの配置をより細かく制御できるようになりました。
- パフォーマンスを予測してレイテンシを抑えるといった特殊なワークロードを、リアルタム仮想マシンで実行できるようになりました。
- Microsoft Windows 10 仮想マシンは、TPM を備えた UEFI を使用して起動するようになりました。
- ヘッドレスサービスを使用して、安定したネットワークエンドポイントにある仮想マシンにアクセスできるようになりました。
さらに、最も依頼の多いプラットフォーム機能の 1 つとして、メモリーなどの仮想リソースをオーバー・サブスクライブする機能が挙げられます。このリリースには、Kubernetes ワーカーノードのスワップを有効にする、安全なメモリー・オーバーコミットの テクニカルプレビュー機能 が含まれています。実稼働環境以外のワークロードで試してみてください。気に入っていただけると思います。また、フィードバックにご協力ください。
Red Hat OpenShift Data Foundation でのビジネスクリティカルなワークロードの保護
経験豊富な管理者であれば、停電、ネットワーク障害、天候関連の大災害などの緊急事態に備えて計画を立てておく必要があることを理解しています。どのような組織でも、業務の中断やデータ損失を最小限に抑えて継続できるように、障害復旧 (DR) 計画を策定する必要があります。OpenShift Data Foundation と Metro-DR 向けの Red Hat Advanced Cluster Management for Kubernetes (全仮想マシンワークロード・タイプ向けに一般提供) を使用すると、データ損失ゼロ (RPO) とリカバリー時間 (RTO) の最小化を実現できます。
ビジネス継続性の要件がそれほど厳しくない場合は、OpenShift Data Foundation と Red Hat Advanced Cluster Management を使用した Regional Disastor Recovery も利用できます。これは、GitOps を使用してデプロイおよび管理された仮想マシン向けに、テクノロジープレビューとして提供されています。実稼働環境以外のワークロードで試してみてください。また、フィードバックの提供にご協力ください。
規模の大きいワークロードの管理
Red Hat Advanced Cluster Management Observability の新しいダッシュボードは、OpenShift Virtualization Operator がインストールされている各クラスタの分析情報を包括的に提供します。ダッシュボードには、アクティブな OpenShift Virtualization アラートと Operator の健全性により決まる Operator の状態が表示されます。さらに、実行中の仮想マシンの数と各クラスタの Operator のバージョンも表示されます。ダッシュボードには、Operator の健全性に影響を与えるアラートもリスト表示されます。また、Operator の健全性に影響を与えないアラートも含め、すべての OpenShift Virtualization アラートが別途表示されます。ダッシュボードは、クラスタ名、Operator の健全性アラート、健全性へのアラートの影響、アラートの重大度でフィルタリングできます。
グローバルハブでは ACM-Hub クラスタ全体でグローバル検索機能を使用できるので、さらに規模の大きい環境でスケーリングできます。最後に、検索から CSV データをエクスポートして、Red Hat Advanced Cluster Management の外部でさらなる処理を行うことも可能です。
MTV 2.6 で移行にかかる時間を短縮
できるだけインフラストラクチャの最新化を簡素化するために、使いやすい付属の仮想マシン移行ツールキットユーティリティを使用して、VMware vSphere、Red Hat Virtualization、Red Hat OpenStack Platform から実稼働環境のワークロードを移行できます。Migration Toolkit for Virtualization 2.6 (MTV) の主要機能は次のとおりです。
- スタンドアロン ESXi からの直接移行 - VMware vCenter を使用せずに仮想マシンワークロードを移行できるようになりました。
- 安全な接続を介した移行 - vSphere プロバイダーの指定の SDK エンドポイントに応じて、vCenter または ESXi を実行するサーバー認証に使用する CA 署名付き証明書を指定できるようになりました。
Migration Toolkit for Virtualization の使用方法については、このデモをご覧ください。
専門家からのアドバイス
さまざまなインフラストラクチャ・アーキテクチャを利用するお客様とミーティングを重ね、仮想マシンをデプロイする場合の OpenShift の設定に関する意見、提案を吸い上げ、推奨プラクティスを確立しました。当社の専門家が OpenShift Virtualization リファレンス実装ガイド を作成しました。小規模、中規模、大規模のデプロイメント向けの独自のガイダンスとして考えてください。
Red Hatが長年にわたって蓄積してきた仮想化に関する知識と経験、そしてプラットフォームイノベーションを組み合わせることで、独自のスケーラブルなインフラストラクチャを設計および構築するための理想的な出発点を提供します。
Red Hat パフォーマンスおよびスケールチームがハードウェアを最大限に活用する方法については、新しい学習パス How to create and scale 6,000 virtual machines in 7 hours with Red Hat OpenShift Virtualization を参照してください。
エコシステム・パートナーとの良好なコラボレーション
Red Hat のエコシステム・パートナーは現在、OpenShift Virtualization のサポートを追加し、Red Hat はパートナーと共に、引き続き大きな成功を収めています。 OpenShift で厳格な仮想マシンのテストを行う Red Hat のパートナーに関する 詳細はこちらを参照 してください。
さらに、当社は Kasten by Veeam、Trilio、Storware、Portworx など、データ保護パートナーと、エンジニアリングの面で緊密な協力関係を築いています。他のストレージ・プロバイダーからの後押しが必要な場合は、ストレージ・パートナーが CSI オペレーターの検証に使用するものと同じ KubeVirt storage checkup を使用して仮想マシンのストレージ・デプロイメントを検証できます。
お近くのイベントで OpenShift Virtualization についてチェック
Red Hat は、Red Hat OpenShift Virtualization を取り上げたイベントを多数、世界中で開催しています。以下のリンクを使用して、お住まいの都市で開催されるイベントに登録してください。また、Red Hat は AWS と提携し、弊社のマネージド・サービスである Red Hat OpenShift Service on AWS に OpenShift Virtualization も搭載されています。
- Red Hat Summit Connects
- Red Hat ユーザーグループ (RHUG) ミートアップ
- Red Hat OpenShift Virtualization ロードショー
- AWS Summit Connects
まとめ
OpenShift Virtualization 4.16 では引き続き、ワークロードと管理の両方の観点からスケーラビリティを提供するだけでなく、運用の柔軟性を実現し、ビジネスクリティカルなワークロードを保護します。Migration Toolkit for Virtualization の機能強化と専門家からのガイダンスを組み合わせることで、これまで以上に簡単に仮想マシンワークロードを OpenShift Virtualization に移行することができます。Red Hat では今後も包括的なパートナーエコシステムを構築していきます。お近くの都市で開催されるイベントでお会いできることを楽しみにしています。
認定スペシャリストになる
Red Hat Enterprise Linux (RHEL) や OpenShift などの他の Red Hat プラットフォームと同様に、インフラストラクチャと運用をモダナイズするスキルは、貴社にとっても、ご自身のキャリアにとっても価値があります。トレーニング を継続することで、OpenShift Virtualization の Red Hat 認定スペシャリスト になることができます。
詳細情報
- OpenShift Virtualization: Why Bring Your Virtual Machines to Kubernetes?
- OpenShift Virtualization ブログ
- demo.openshift.com の OpenShift Virtualization デモ
- OpenShift ライブストリーム
- 録画された OpenShift ビデオとストリームの OpenShift TV ライブラリー
アップストリームプロジェクトとコミュニティ
Red Hat は、KubeVirt を開始し、今でも主なコントリビューターとなっています。KubeVirt とは、ユーザーとベンダーが Kubernetes で仮想マシンを統合するために採用しているアップストリームの CNCF プロジェクトです。また、実績のある主要テクノロジーとして KubeVirt を選択する企業も増えています。
KubeVirt 2024 Summit でアップストリームのイノベーションをチェックしてみてください。
執筆者紹介
Peter is a product manager in Cloud Platforms, focused on virtualization. He has been in high tech for storage, virtualization, databases, and hyperconverged solutions for longer than he cares to admit.
Courtney started at Red Hat in 2021 on the OpenShift team. With degrees in Marketing and Economics and certificates through AWS and Microsoft she is passionate about cloud computing and product marketing.
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エンタープライズ・オープンソース・ソリューションのプロバイダーとして世界をリードする Red Hat は、Linux、クラウド、コンテナ、Kubernetes などのテクノロジーを提供しています。Red Hat は強化されたソリューションを提供し、コアデータセンターからネットワークエッジまで、企業が複数のプラットフォームおよび環境間で容易に運用できるようにしています。
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