企業は、組織全体でより戦略的に自動化を活用する道を歩んでおり、IT 機能の自動化はこの目標を達成するための重要なステップとなります。戦略としての自動化の事例として、Discover Financial Services 社は、Extreme Automation 戦略を掲げ、すべての業務に自動化を導入しています。他の企業も同様の戦略を追求しています。

Red Hat のアプローチは、あらゆるところに自動化を取り入れることであり、Red Hat Ansible Automation Platform により、重要なプロセスを自動化することができます。そのアーキテクチャにより、チームの一体化、コミュニケーションの向上、アプリケーションのデプロイメントなどの複雑なプロセスの完了を迅速化することができます。

IT 自動化戦略は、イベント駆動型の自動化へと進化しています。イベント駆動型の自動化は、エンドツーエンドの自動化に向けたさらなる積み重ねであると言えます。必要なのは、環境に対するインテリジェンス/アナリティクスとサービスリクエストを自動化されたアクションに結びつけ、アクティビティを一気通貫で行えるようにすることです。たとえば、ある大企業では、仮想マシン (VM) の問題解決に多額の費用がかかっていることが判明しました。この企業は、イベント駆動形のアプローチを採用し、頻繁に繰り返される問題解決プロセスを自動化することで、数百万ドルのコスト削減を実現しました。これにより、IT 担当者は他のより有用な作業に集中できるようになりました。

イベント駆動型自動化のユースケース

問題は、「このようなイベントツーアクションの手法がどこに適用できるのか」というものへと変わりました。多くの可能性はありますが、いくつかのユースケースが考えられます。

自動修復

場合によっては、問題に対する解決策は一連の手順となります。問題があることを伝えるアナリティクスやチケットを、その問題を解決するための一連の自動化されたステップにつなげることはできますか?このようなソリューションは、割り込み主導の仕事スタイルから、低レベルの反復作業ではなく、重要な優先事項、興味深いエンジニアリングの課題、イノベーション活動に、IT スタッフが集中できるようにするのに役立ちます。これには、チケットの自動修復や、既知のシステム動作パターンを基にした問題のプロアクティブな修復が含まれます。また、容量やスケーラビリティの追加など、モニタリングのイベント (アラート) への対応なども含まれます。

プロビジョニングの自動化

新しい仮想マシンのプロビジョニングやクラウドコンテナの立ち上げなど、何らかのソリューションをプロビジョニングするためのチケットを受け取る頻度はどの程度でしょうか。どのような場合でも、仕様に沿った形で提供されていると確信していますか?それとも、このプロセスでは時にドリフトが発生するのでしょうか?リクエストを受け、自動化ジョブをキックオフすることで、お客様の仕様に沿ったソリューションが毎回同じように実装されます。早急なプロビジョニングというプレッシャーに押されていませんか?イベント駆動型の自動化は、開発環境とテスト環境を迅速に構築し、イノベーションのスピードアップを支援します。

IT 耐障害性、リスク軽減策、および安定性

イベント駆動型の自動化により、よくある障害に迅速に対応できるとしたらどうでしょう。あるいは、この障害につながる兆候を積極的に監視し、障害の発生を未然に防ぐのはどうでしょうか。もし、それがセキュリティリスクで、環境に悪影響が出る前に即座に対処できるとしたらどうでしょうか。信頼性と回復力は、IT リーダーにとってしばしば重要な関心事です。イベント駆動型ソリューションは、リスクに先手を打つのに役立ちます。

チケットのエンリッチメント

チケット管理でよくある問題は、チケットでは十分な情報が得られず、効果的な RCA (根本原因分析) が行えないということです。イベント駆動型の自動化パターンを活用することで、関連するシステムに働きかけ、対応するチケットを詳細にわたって更新し、より良い RCA を提供することができます。

イベント駆動型自動化の実現

さて、ここまででいくつかのユースケースとメリットをご紹介しました。次は、それを実現するためにどのようなテクノロジーが必要なのかを考えてみましょう。最上位レベルでは、ルール (つまり何らかの意思決定機能) と、ワークフロー実行ツールが必要です。

ルールは、特定の条件が満たされた特定の状況を探し、意思決定システムが必要なアクションを特定したイベントに対処するために、Ansible Playbook をキックオフするものです。

例えば、監視ツールは、アプリケーションや IT の問題を示唆するような仮想マシンの問題を特定することがあります。この「イベント」には、マシン情報などの特定の情報が含まれます。意思決定エンジンは、監視ツールによって生成されたイベントのタイプを動作またはワークフローにマッピングするルールを含めることができます。

この例では、VMware バージョン番号、仮想マシン IP アドレス、およびサーバー IP アドレスを使用して、Ansible Playbook を開始し、その仮想マシンのヘルスチェックの検証を完了します。ヘルスチェックが何か正しくないことを発見したと仮定してみましょう。この情報は、この問題を修正するための 2 番目の検証ワークフローに使用されます。さらに、修復が完了し正しいことを確認し、チケットを解決済み (resolved) に自動的に更新する別のワークフロー・コンポーネントがあるかもしれません。

Ansible Automation Platform は、人間主導のアクションからシステム主導のアクションに移行する際に、自動化を環境全体の管理ツールの大規模なエコシステムに結び付けます。管理ツールや意思決定アプリケーションから必要な作業を指示されると、Ansible Automation Platform は自動的に作業を完了させることができます。

イベント駆動型自動化アーキテクチャの概要

このタイプのアーキテクチャの設定要素には、少なくともイベントバス、ルールエンジン、自動化ワークフローツール、ルールデータベース、ルールエンジンが決定した計画を実行するサービスなどが含まれます。このタイプのアーキテクチャに使用される可能性のある一般的な技術には、ストリーミング用の Kafka や Red Hat AMQ、イベントバス、およびイベント駆動型エコシステムの標準である clouddevents.io などのオープンイベント形式の標準に準拠したソリューションが含まれます。

IT 自動化を戦略として使用

IT 自動化に意思決定システム、ルール、ワークフローサポートを組み合わせることで、自動化はより高度になり、組織へのインパクトも大きくなります。コスト削減以上に、IT 部門がイノベーションと重要なエンジニアリングの課題に集中できるよう変革するためのツールを手に入れ、何百、何千という、やらなければならないが重要な優先事項から逸脱する低レベルのタスクを排除することができます。自動化によって、ありふれた、しかし必要なアクションを制御することができた場合に、IT が提供できる価値を想像してみてください。

Ansible Automation Platform で自動化を一元化し、イベント駆動型の自動化ソリューションを導入すれば、すべてのシステムの観測性を高め、何が起きているか、何が変化しているかをいつでも圧倒的なレベルで可視化できるようになります。

イベント駆動型自動化の旅を始めるにあたり、以下のリソースを参考にしてください。


About the author

Richard Henshall is Senior Manager of Ansible Product Management at Red Hat and responsible for the Ansible Automation Platform strategy. With more than 16 years of experience in Financial Services IT across a range or operational, design and Architecture roles. As well as being an Ansible customer before joining the Red Hat team, he brings a customer focused viewpoint to compliment the strong engineering capabilities of one of the most popular open source projects.

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