Marco Bill, Senior Vice President and Chief Information Officer, Red Hat

現在、IT リーダーは多くの課題に直面していますが、その中でもとくに困難なのは、既存の IT インフラストラクチャがすでに非常に複雑である場合に、変化のペースにどのように対応するかという課題です。多くの企業にとって、その複雑さの主な原因は、オンプレミスのデータセンターから複数のパブリッククラウドに至る多様な環境にまたがって、コンテナ化されたアプリケーションを大規模に管理することが容易ではない点にあります。断片化した状態は、一貫性のない運用やベンダーロックインにつながり、アジリティとイノベーションの妨げとなります。AI の時代にあって、IT リーダーは、チームがより価値の高い業務に集中できるように、複雑な IT インフラストラクチャを管理するための統一された、予測可能な方法を必要としています。

この課題に関連して、私は自身の経験を通して 2 つの視点から問題を見てきました。以前に顧客対応チームを率いていたときには、お客様が Red Hat OpenShift を活用して、ハイブリッドクラウドのエクスペリエンスを最適化し、運用の複雑さを軽減するなど、極めて複雑な課題に取り組む様子を直接見てきました。お客様が Red Hat のプラットフォームを使って現状を打破しておられる様子を見ることは、非常にやりがいのあることでした。

現在は、Red Hat の CIO として、社内顧客に視点をシフトしています。Red Hat 内で OpenShift を使用して当社のビジネスを運営しているため、私は個人としても、これまで以上に OpenShift の多大な価値をより明確に理解しています。Red Hat は自らを「カスタマーゼロ」としています。それは、リーダーシップチームがそれを義務付けているからではなく、Red Hat の製品が私たちにとって役立つためです。Red Hat の経験は、Red Hat のプラットフォームには、ハイブリッドクラウド環境全体に一貫性をもたらす力があることを示すものであり、これは当社のグローバル事業の管理に欠かせません。当社のチームは、コードからプロダクションまでのサイクルタイムの短縮やアプリケーション・アーキテクチャの標準化の向上など、大幅な改善を実現してきました。OpenShift を使用することで、アプリケーションのクラウドのアジリティが向上し、また基盤となるインフラストラクチャを気にすることなく、ハイブリッドクラウド環境内でアプリケーションを移動することが可能になりました。これこそアジャイルな変革の核心であると考えています。

そのため、Red Hat が 2025 Gartner® Magic Quadrant™ for Cloud-Native Application Platforms のリーダーに 2 年連続で選出されたことは、個人的にも非常に嬉しく思っています。Gartner によると、リーダーは現在のビジョンに対して適切に実行し、将来に向けて適切な体制を整えます。Red Hat のお客様と仕事をした経験を通し、Red Hat の戦略的な実行とビジョンは、IT チームが現在実際に直面している課題を理解することから始まると考えています。 

さらに、私は Red Hat の IT 部門を率いてきた経験を通して、ハイブリッドクラウド環境ですべてに一貫性をもたせることはできないことを学びました。しかし、アプリケーションの所有者と開発者に適切なプラットフォーム、ツール、パターンを提供すれば、イノベーションを妨げることなく、適切に設計されたソリューションを促進できます。Red Hat が OpenShift を使用して社内で構築したソリューションは、アプリケーションの所有者がアプリケーションについての最適な選択を行うことを支援できるように設計されています。このソリューションは、他の IT テクノロジーやサービスと統合して、Red Hat の開発者によるセルフサービスを可能にし、ボトルネックを取り除き、サポートの負担を軽減します。セルフサービス機能は、現在のエンタープライズ・アプリケーションに求められるセキュリティ、信頼性、コスト、パフォーマンスの要件を満たすように構築されているため、チームはアプリケーションを責任を持って管理できます。 

また、OpenShift を使用することで、コンテナ、仮想化、AI を含むすべてのワークロードを 1 つのプラットフォームに集約することができるため、将来に備えることもできます。Red Hat では、Red Hat Virtualization と OpenStack から Red Hat OpenShift Virtualization への仮想化ワークロードの移行を行っており、AI ワークロードには Red Hat OpenShift AI を使用しています。これにより、コンテナで実現されるメリットをすべてのワークロードに拡大し、効率を向上させることができ、とくに Red Hat では組織全体で AI を統合しているので、チームの能力をさらに強化できます。 

先頃の Gartner からの評価を受け、オープンソースウェイ、すなわちオープン性、信頼性、有益性、大胆さに対する当社のコミットメントが、イノベーションを起こし、お客様に真の価値を提供するための最善の方法であるという確信が強められました。Red Hat はこの評価を非常に誇りに思っており、今後もオープンソース・テクノロジーによる可能性をさらに広げていきます。お客様が OpenShift を基盤として、新しいイノベーションを展開されていかれることを楽しみにしています。 

クラウドネイティブのアプリケーション・プラットフォーム向けの Red Hat OpenShift についての詳細

クラウドネイティブのアプリケーション・プラットフォームに関する Gartner Magic Quadrant の全文は、「Red Hat a Leader in 2025 Gartner® Magic Quadrant™ for Cloud-Native Application Platforms (Red Hat が 2025 Gartner® Magic Quadrant™ for Cloud-Native Application Platforms のリーダーに選出される)」でダウンロードできます。

他の技術的な課題に関するガイダンス

The Executive’s Collection で専門的な視点をさらに詳しくご覧ください。ここでは Red Hat のリーダーと業界アナリストが、お客様がよりスマートな意思決定を行い、破壊的な革新の一歩先を進み続けるためのサポートを提供しています。


Gartner の免責事項:

Gartner は、Gartner の調査発表に掲載された特定のベンダー、製品またはサービスを推奨するものではありません。また​、最高評価その他の指定を受けたベンダーのみを選択するように助言するものではありません。Gartner の調査発表は、Gartner の調査機関の見解を示したものであり、事実を記載したものではありません。Gartner は、明示または黙示を問わず、商品の適格性や特定の目的への適合性に関する保証を含め、本調査に関する一切の保証責任を負いません。 

Gartner は Gartner の登録商標およびサービスマークであり、Magic Quadrant は米国および世界における Gartner, Inc. および/またはその関連会社の登録商標で、本書では許可を得て使用されています。All rights reserved.  

製品トライアル

Red Hat OpenShift Container Platform | 製品トライアル

コンテナ化アプリケーションの構築とスケーリングに適した、一貫性のあるハイブリッドクラウド基盤です。

執筆者紹介

Marco Bill is Senior Vice President and Chief Information Officer at Red Hat. Throughout his career at Red Hat, Marco’s mission has been to improve productivity, business outcomes and create capacity for the company’s growth through the modernization of business processes and technology.

His current role includes leading all IT functions, and Information Security & Risk.

Marco has more than 30 years of experience in the IT and support delivery fields. During his time at Red Hat, he has led Application Transformation, Customer Success & Services, and Customer Experience teams, challenging the standard industry definition of support, with a strategic focus on innovation that better serves customers and delivers more customer value.

Prior to joining Red Hat, he held various engineering and support roles at Hewlett-Packard, Compaq, and Digital Equipment Corp. in the United States, Europe, and Asia.

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