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Linux 

Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 8.7 および 9.1 ベータ版の提供が開始されました。RHEL が提供する柔軟で安定した基盤は、ハイブリッドクラウド・イノベーションの促進だけでなく、物理、仮想、プライベート/パブリッククラウド、エッジデプロイメントにおける高速かつ一貫したアプリケーションおよび重要なワークロードの展開を実現します。

新機能

RHEL 8.7 および 9.1 ベータ版では、オープン・ハイブリッドクラウドの基盤で一貫性の向上およびセキュリティ体制の強化を実現する新機能および拡張機能が導入されており、これまでのように時間や労力をかけることなく、さまざまな環境にワークロード、アプリケーション、サービスを提供できます。

主な特長および利点

ここでは、RHEL 8.7 および 9.1 ベータ版に含まれる機能をいくつか紹介します。

セキュリティリソースとツール

Red Hat Enterprise Linux にはセキュリティ機能とプロファイルが組み込まれており、組織はリスク軽減やコンプライアンス準拠の改善を単純化された方法で実施できます。セキュリティ標準認定および信頼できるソフトウェア・サプライチェーンがあるため、組織は Red Hat Enterprise Linux をあらゆるユースケースでこれまで以上に確信を持って使用できます。新機能は次のとおりです。

  • RHEL で Identity Management を使用している組織は、新しい Ansible® ツールを使用して、トポロジー全体でスマートカード認証を設定できるようになりました。

  • 組織は、外部ソース (Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud Platform など) に保存されている ID を使用して RHEL システムにアクセスできるようになりました。

  • 機密機関や ISV は、情報セキュリティ分類のニーズに合わせたマルチレベルセキュリティ (MLS) の実装が可能となり、文書関連の改善も見込めます。この機能は RHEL 9.1 ベータ版向けであることに注意してください。

  • セキュリティ管理者は、Measured Boot の新しい認証を活用して、リモートでオペレーティングシステムの起動環境の整合性を検証できます。この機能は RHEL 9.1 ベータ版向けであることに注意してください。

開発者が使いやすい設計および機能

RHEL では、実稼働環境の安定性と開発者のアジリティの両立が可能です。これには、インストール、コーディング、ツールの選択と設定、コンテナツールなど、アプリケーション開発を促進する機能だけでなく、Application Streams 経由で提供される複数のランタイム言語、コンパイラー、オープンソースデータベース、Web およびキャッシュサーバーが含まれます。新機能は以下のとおりです。

  • gcc-toolset 12 および Red Hat Enterprise Linux 8 に対して GCC 12 コンパイラーが導入されました。

  • Rust-toolset、LLVM-toolset、および Go-toolset に対する更新が追加されました。

  • Ruby 3.1 には、新規 JIT コンパイラー、新規デバッガー、IRB の改良、エラーメッセージの改善、新規ハッシュ構文、およびその他多くの改善が導入されています。

  • Maven 3.8 は、プロジェクト (主に Java™) のビルド、公開、デプロイおよび管理に使用されるビルド自動化ツールの新しいバージョンです。

  • .NET 7 では、起動時および定常時のパフォーマンスが大幅に改善され、OpenTelemetry もサポートされています。

  • Node.js 18 には、V8 JavaScript エンジンの更新、デフォルトで有効になっているグローバルフェッチ、およびコアテストランナーモジュールが含まれます。

  • PHP 8.1 では、PHP 言語が大幅に更新されました。このバージョンには、列挙、読み取り専用プロパティ、ファーストクラスの呼び出し可能な構文、ファイバーチャネル、交差タイプ、パフォーマンスの向上など、多くの新機能が含まれています。この機能は RHEL 9.1 ベータ版向けであることに注意してください。

  • Mercurial 6.2 は、Mercurial 分散ソースコントロール管理ツールの最も新しい更新です。この機能は RHEL 8.7 ベータ版向けであることに注意してください。

自動化および管理

RHEL 8.7 および 9.1 ベータ版の自動化および管理機能は、お客様による手作業の自動化、大規模なデプロイメントの標準化、日常的なシステム管理の簡素化を、継続的に支援します。新しい機能拡張は、以下のとおりです。

システムロール

RHEL でサポートされているワークフローのコレクションを使用することで、組織は、同じ自動化 Playbook を使用して、さまざまな RHEL バージョンを素早く、一貫性をもたせて設定できます。

  • HA cluster システムロールでは、マルチリンククラスタ、Corosync 追加の設定オプション、STONITH ブロックデバイス (SBD) の設定、バンドルされたリソースの設定をサポートするようになりました。

  • Web コンソールのシステムロールでは、(デフォルトの 9090 ポートではなく) Web コンソールのカスタムポートを使用するようにシステムを設定できるようになりました。

  • Microsoft SQL システムロールでは、RHEL High Availability アドオンを使用した Always On 可用性グループのサポートが導入されました。このロールは、同期クラスタ (SQL Server 2019 では最大 5 ノード) を設定して読み取りパフォーマンスをスケーリングできます。また、このロールにはクラスタのライセンスコストの削減に使用できる設定専用レプリカのサポートも含まれます。

  • storage システムロールでは、シンプロビジョニングされたボリューム、ストレージプールからのディスクの追加と削除、既存ボリュームに対するキャッシュボリュームの作成とアタッチ機能をサポートするようになりました。

  • firewall システムロールでは、必要に応じてファイアウォール設定をシステムデフォルトにリセットし、設定に一貫性をもたせることができます。また、Ansible 変数としてエクスポートされるファイアウォールファクトを収集し、PCI デバイス ID を指定してインタフェースをゾーンに追加できるようになりました。

  • network システムロールでは、NMState API を使用したネットワーク設定、ポリシーベースのルーティングの設定、Infiniband 接続経由の IP 設定がサポートされるようになりました。

Web コンソール

Web ベースのツールの新しい機能拡張は、直感的に使用できるブラウザーインタフェースを使用して標準的な設定と管理タスクを簡単に実行できるように設計されました。新機能には、以下の機能が含まれます。

  • システム全体の暗号化ポリシーを表示および管理して一貫性をもたせ、既存の攻撃や今後発生する可能性のある攻撃のリスクを軽減します。

  • Web コンソールで生成された sosreport で特定のデータにラベルを付け、オプションで暗号化および難読化します。ユーザーは、以前のレポートの一覧も表示できるようになりました。

  • Web コンソールにおけるカーネルライブパッチ機能のワークフローを改善した kpatch 更新のみをインストールします。

  • Web コンソール内に新しい仮想マシンを作成する場合は、RHEL インストールメディアをダウンロードします。

  • ポート番号の変更/追加や説明の更新など、カスタムのファイアウォールサービスを編集します。

  • サービスをピニングし、ただちにステータスを検索して確認し、必要に応じてアクションを実行します。

  • Podman コンテナのヘルスチェックを実行して、コンテナの重要性と可用性を監視します。

  • 使用率が最も高い CPU に関する情報を確認し、ハードウェアリソースの制限を特定します。Web コンソールでは、CPU とメモリーコンシューマーの上位一覧に、CPU の温度に加えて Podman コンテナも表示されるようになりました。

RHEL for SQL

Microsoft SQL Server システムロールが強化されたことで、お客様はシングルノードの SQL Server 環境と SQL Server Always On アベイラビリティグループの両方をインストール、設定、チューニングできます。Red Hat Enterprise Linux High Availability Add-On の機能拡張により、自動化を使用することでタスクアプリケーションに一貫性を持たせ、運用を効率化できます。

RHEL for Workstations

RHEL for Workstations 9.1 ベータ版は、Gnome Wayland セッションで Firefox をネイティブにサポートするようになり、ユーザーはより多くのネイティブツールを使用できるようになりました。XWayland/X11 Gtk+ バックエンドは Firefox-x11 の追加パッケージで引き続き使用できます。この機能は RHEL 9.1 ベータ版向けであることに注意してください。

コンテナ

組織内や組織間のコンテナイメージの信頼性を高めるために、Sigstore の技術をコンテナツールに組み込みました。Podman および Skopeo では、テクノロジプレビューとして、ローカルキーで 署名と Sigstore 署名の検証を実行できます。

参考情報


執筆者紹介

Gil Cattelain is Principal Product Marketing Manager for Red Hat Enterprise Linux. Cattelain has more than 20 years’ experience as a leader in high-tech software product marketing with a proven track record of managing major product releases and go-to-market strategies. Prior to Red Hat, Cattelain held product marketing leadership roles at Micro Focus, Novell, and Genesys, focusing on the endpoint management and DevOps/agile solutions, including digital marketing for the contact center market.

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