Red Hat による Joint Warfighting Cloud Capability

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Joint Warfighting Cloud Capability (JWCC) は、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google、Oracle などの複数のクラウドサービスベンダーとの間で締結された一連の米国政府防衛契約です。

JWCC は数量未確定 (IDIQ) 契約であり、これは一定期間中、納期、数量ともに未確定の供給またはサービスを取得できることを意味します。つまり、米国の戦闘員は国防総省 (DoD) の取得プロセスを利用し、単一の JWCC マーケットプレイスを通じて、複数のベンダーからあらゆる分類レベルの商用クラウドサービスとクラウド・アプリケーションを取得することができます。

JWCC により、Red Hat を含む多数のソフトウェア・プロバイダーのアプリケーションとサービスからなるマーケットプレイスを、複数の異なるハイパースケーラーのクラウドサービスを介して利用することができます。

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国家安全保障を保護し、戦闘員の有効性を高めるために、アメリカ国防総省はアジリティを向上すると同時に、インフラストラクチャ全体にワークロードとデータをより安全に分散できるよう取り組んでいます。これは、戦力差を埋めて敵の能力を超えるために必要なアプリケーションやデータを戦場に持ち込まなくてはならないことを意味します。

米国最大の連邦政府部門として、国防総省は、その使命に不可欠な IT システムのセキュリティを損なうことなく、レガシー・インフラストラクチャと旧式のプロセスをモダナイズすることで競争力を高めることができます。

JWCC マーケットプレイスは、単一の契約で、この移行を支援するツールを戦闘員が複数のベンダーから取得できるようにすることを目的として作成されました。具体的には、JWCC は国防総省の請負業者に以下を提供することを目指しています。

  • グローバルなアクセシビリティ
  • 可用性と回復力のあるサービス
  • 使いやすさ
  • 商業的同等性
  • 弾力性に優れたコンピューティング、ストレージ、ネットワーク・インフラストラクチャ
  • 高度なデータ分析
  • 強化されたセキュリティ 
  • 戦術的なエッジデバイス 

国防総省は、すべての戦闘領域にまたがるグローバルで回復力のあるセキュアな情報環境を提供するために、デジタル・トランスフォーメーションの道筋としてこれらの目標の達成を目指しています。注目すべきは JWCC が、単一のハイパースケーラーのみを使用してマーケットプレイスを立ち上げていたであろう Joint Enterprise Defense Infrastructure (JEDI) 契約など、以前に提案された契約に取って代わることです。

 

Red Hat のリソース

JWCC のユニークな価値は、戦闘員が 1 つの取得プロセスを使用して複数のクラウドサービス・プロバイダー・ベンダーのオファリングを取得できることです。

しかし、このアプローチには課題もあります。多くのベンダーのオファリングが相互に連携することのみを目的として作成されている場合、ベンダー間で最適に機能することはありません。JWCC を通じてパートナーやサービスを探す場合、戦闘員は複数のベンダー間で機能しつつ、分類レベル全体のデータサポートやゼロトラスト・セキュリティ・ソリューションを実現する能力など、そのツールに必要なあらゆるものを提供する選択肢を必要とします。

JWCC のもう 1 つの利点は、単一の契約の下でハイブリッドクラウド・インフラストラクチャ全体にツールを提供できることです。これは、戦術エッジ、商用データセンター、または一元化された運用基盤のベアメタルでの動作に特化したツールを取得できることを意味します。この点における課題は、取得したツールとソリューションがすべて、任務が絶え間なく変化する環境で確実に連携して機能するようにすることです。

Red Hat は、国防総省が独自の課題に直面しており、マルチドメイン作戦 (MDO) 戦略を実施して、陸、海、空、宇宙、サイバースペースで指揮統制を同時に統合および調整する必要があることを理解しています。

コンテナとクラウド・テクノロジーは、戦闘員向けのこれらの MDO において重要な役割を果たします。しかし、連邦機関がこのようなテクノロジーのパワーを実感するには、それらが安全な環境内で動作していることを保証する、厳格なセキュリティ認定が必要です。Red Hat® ソリューションは、マルチベンダー環境での動作に特に適しているだけでなく、国防総省が必要とする要件も維持します。

Red Hat JWCC オファリングは現代の戦闘員にとって有益です。それには主に次の 3 つの理由があります。

1.複数のクラウドとベンダーにまたがる柔軟でオープンなサポート

Red Hat のコア製品である Red Hat® Enterprise Linux®、Red Hat® OpenShift®、Red Hat® Ansible® Automation Platform は、AWS、Microsoft Azure、Google Cloud、Oracle Cloud のいずれでホストされているかにかかわらず、同様に機能します。また、それらは共に現代の戦闘員の課題に対処するツールを提供します。

2.ベアメタルからエッジに至るまで機能するツール

現代の戦闘員は、同じレベルの敵に対抗できるツールを必要としています。つまり、データセンターから機能し、戦場で戦術的なクラウド・コンピューティングを使用し、運用エッジで動作するシステムが必要です。Red Hat ソリューションは、ハイブリッドクラウド全体で相互に連携し通信できるように設計されています。

3.任務遂行に必要なセキュリティの強化に役立つツール

複数の戦域を含む地球規模の任務に対応する環境は本質的に複雑です。任務のセキュリティ要件を維持しながら、これらの環境全体でソリューションの編成とオーケストレーションを行うには、自動化が必要です。Red Hat は、これらの任務のタスクを遂行するためのツールをオペレーターに与える自動化ソリューションを提供します。

 

JWCC を介して Red Hat Enterprise Linux を使用する理由

Red Hat Enterprise Linux は、ハイブリッドクラウド・インフラストラクチャをエッジまで、つまり世界中の数百、さらには数十万のノードにまで拡張します。エッジ向けに最適化した OS イメージの作成、OS の更新に伴うワークロード処理中断の最小化、システム更新ファイルの転送の効率化、自動ヘルスチェックおよびロールバックの信頼性強化が可能です。

JWCC を介して Red Hat OpenShift を使用する理由

Red Hat OpenShift は、連邦情報処理標準 (FIPS) に準拠し、FIPS 140-2 検証済み暗号およびコモンクライテリア認定プラットフォームを含め、連邦が認定するセキュリティ強化のための複数のレイヤーを備えた唯一のエンタープライズ・コンテナ・プラットフォームです。また、Red Hat ソリューションは、ワークフロー、ツール、サービスを自動化してスケーリングを行うことに重点を置くイニシアチブである DoD Enterprise DevSecOps Reference Design (DEDSORD) と、パフォーマンス測定機能などの戦闘員にとって重要な基準と連携しています。

Red Hat の DEDSORD へのアプローチは、セキュリティ、コンプライアンス、プライバシー、透明性、そして信頼に関する機関の基準を満たすために、DevSecOps 向けの包括的なプラットフォーム・ソリューションを提供します。また、国防総省の組織が技術的な詳細ではなく、アプリケーションの提供に集中するために必要な生産的な抽象化を提供します。パブリッククラウドサービス・プロバイダー、オンプレミス・データセンター、エッジ環境やエアギャップ環境など、Red Hat OpenShift Container Platform がデプロイされていれば、どこにでも実装できます。

JWCC を介して Red Hat Ansible Automation Platform を使用する理由

現代の戦闘員には、高度なセキュリティを維持しながら、ベンダー間で連携し、ベアメタルからクラウド全体、そしてネットワークのエッジに至るまで機能するように標準化されたソリューションが必要です。複雑な環境を安全に保つためには、自動化が必要です。

Ansible Automation Platform は、システムのデプロイ先に関係なく、システムを毎回適切に設定できるようにするためのツールを提供します。これは、システムが安全であるとはどういうことかを定義することから始まります。Ansible Roles は、セキュアなシステム向けの DISA STIG 標準を適用し、セキュアなマシンプロファイルの共通ベースラインを定義します。その後、それらのシステムのコンプライアンスやセキュリティ基準からの逸脱を監視し、必要に応じて自動的に修復します。

そして、Ansible Automation Platform の強力なロールベースのアクセス制御 (RBAC) エンジンにより、Playbook、ロール、インベントリーへのアクセスを安全に委任するとともに、ユーザーがシステム内で行うすべてのアクションの記録を保持し、完全かつ大幅に単純化された監査証跡を確保することができます。

まとめ

Red Hat のデジタル・トランスフォーメーションに対する包括的なアプローチは、国防総省がモダナイゼーションの取り組みを迅速に開始するだけでなく、プロセス全体を通じて信頼できるパートナーとして機能するのに役立ちます。また、より迅速に、より少ないリスクで任務遂行能力に移行するためのテクノロジーを求める国防総省は、どのクラウドサービスプロバイダーがデプロイされているかに関係なく、エッジ・コンピューティングから情報を受け取るオープン・ハイブリッドクラウド・アプローチと包括的なソリューションによって MDO を実装し、すべての軍種や機関で軍事作戦を効果的に実施できます。Red Hat は、JWCC マーケットプレイス向けの新しい機能とソリューションの開発を続けています。

 

 

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