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レガシーバンキングシステムのモダナイズを加速する方法

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レガシーバンキングシステムのモダナイズは、銀行業界のあらゆるセグメントのほとんどの組織が直面している課題です。

安定したレガシーシステムは、想定されている処理は行いますが、現在の市場で求められている種類のデジタルおよびデータの要求に対応するように作られていません。

とはいえ、レガシーシステムから先進的なクラウド・プラットフォームへの移行は困難なプロセスであり、大きなコストとリスクもかかってきます。慎重な移行の試みには、リスクをできるだけ小さく抑える努力が伴います。

この記事では、リスクを抑えながらこのプロセスを加速させる戦略について説明します。

システム全体を一気にまとめてモダナイズしようとするなら、リスクとコストは大きく跳ね上がります。経年に伴いプログラムのスプロール化は起こりますし、投資対効果 (ROI) を得られるのはかなり先のように感じられます。場合によっては、一度にすべてを行おうとして十分な計画やテストを行わないままアップデートを進めてしまい、古いシステムに逆戻りを余儀なくされて多額の費用が無駄になることもあり得ます。

そのため、銀行システムをモダナイズして先進的なコネクテッドバンキングに移行する際には、ストラングラーパターンのアプローチが重要になってきます。

ストラングラーパターンとは

ストラングラーパターンまたはストラングラーフィグ・パターンのプロセスでは、中間的なファサードを作ってその後ろにレガシーシステムを配置します。

そして、ファサードの反対側に、レガシーシステムを置き換えるサービスを徐々に追加していきます。ほとんどの場合、古いシステムのすべての機能が先進的なシステムで置き換えられ、最終的にファサードが取り除かれます。必要に応じて、レガシーシステムの要素の一部を残すこともできます。

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ストラングラーパターンの利点は、新しい先進的なシステムを少しずつビジネスに実装していけることです。これにより全体のプロセスを早く開始できるだけでなく、先進的なシステムの利点によって投資対効果 (ROI) も早くから得ることができます。

レガシーバンキングシステムのモダナイズに対する抵抗で最大のものの 1 つが、移行の複雑性とコストです。しかし複雑な処理を小さな部分に分けて進めていくことで移行のリスクを全体的に抑えることができ、その期間を活用して新しいシステムに関するスキル教育をスタッフに実施することもできます。

ただし、ストラングラーパターンの効果を最大限に発揮させるためには、導入するテクノロジーはクラウドネイティブで、かつハイブリッドクラウド環境向けに設計されたものでなければなりません。 

先進的なクラウド・プラットフォームでサポートされる

マイクロサービスコンテナは、いくつかの重要な点でレガシーシステムのモダナイズに役立ちます。

  • 漸進的な置き換え:コンテナを使うと、新しいコンポーネントを実行する独立した環境を提供できるので、レガシーシステムの機能を徐々に新しいコンポーネントで置き換えていくことができます。これにより、システムの他の部分に影響を与えることなく、レガシーシステムを部分的に少しずつ置き換える作業を、より簡単に進められます。
  • 相互運用性:レガシーシステムは時代遅れとなったテクノロジーを必要とすることが多く、そのため他のシステムとの統合にコストや時間がかかってしまいます。クラウド・プラットフォームを使うことで、先進的なフレームワークやランタイムへのアクセスが可能になり、サービス同士をつなぐ際のコストを抑えることができます。
  • テスティングの向上:コンテナを使うと、プロダクション環境に近いテスティング環境を簡単に作成できます。これによりテスティングの質が向上し、デプロイ時に問題が発生するリスクを下げることができます。
  • デプロイの柔軟性:コンテナはオンプレミスやオフプレミスのデータセンターなど、多様なインフラストラクチャにデプロイできます。この柔軟性によりデプロイのアジリティが向上し、変化するビジネスニーズに対応しやすくなります。
  • スケーラビリティ:レガシーシステムは処理量や要求の増加に対応しきれない場合があります。クラウド・プラットフォームを使うと、要求量の変動に対応できるスケーラブルな環境が得られ、高い可用性や応答性を維持しやすくなります。

このように、素早くモダナイズするためには、開発を加速して運用のコストも下げるクラウド・プラットフォームを使用して、漸進的に進めていく必要があります。

Red Hat が提供する先進的なクラウド・プラットフォームでは、レガシーバンキングシステムを小さいコンポーネントに分割することで、漸進的にモダナイズを進めていく際のコストと複雑性を低減できます。

また、Red Hat はマイクロサービスの開発を高速化するクラウド・テクノロジーと、それらのマイクロサービスを保護して、メインフレームをはじめとするあらゆるインフラストラクチャで効率的に運用できるようにするツールも提供しています。そのため、もしモダナイゼーションの取り組みでワークロードをオンプレミスにとどめておく必要があるなら、Red Hat を使うことでその状況に合わせてモダナイズでき、さらに、将来的にワークロードを移行する必要が生じた場合にそうするための道筋を作ることができます。

モダナイズの取り組みにどこから手を付ければいいのかわからない場合は、Red Hat® コンサルティングが選択肢について詳しく説明し、お客様にあったロードマップを作成する支援をします。

銀行のモダナイゼーションに関する課題の解決を Red Hat が支援

Red Hat を利用してモダナイズを行うと、次のような主な課題の解決に役立ちます。

  • 組織内で使用されるテクノロジーの種類を単純化して、より一貫した運用エクスペリエンスを実現する
  • レガシーシステムからクラウド・テクノロジーへの移行を支援するツールを提供する
  • マイクロサービスの開発と提供を加速する統一的なアプローチを取る
  • 完全に統合されたセキュリティ手法を、使用しているテクノロジー全体にわたって適用するのを支援する
  • チームが先進的な環境で効果的に働くことができるようになるための広範なトレーニングパスを提供する

銀行がレガシーバンキングシステムをモダナイズするのに役立つ Red Hat ソリューションには以下のようなものがあります。

統合されたクラウド・プラットフォームの価値

開発と提供のための包括的な統合プラットフォームを通じて得られる潜在的な価値を、サードパーティ企業と協力して評価しました。

システムのモダナイゼーションに対する各社のアプローチ

モダナイゼーションの優先事項、課題、計画、成功の定義について、テクノロジーの意思決定者に聞きました。

コアバンキングパートナーの選択

Red Hat は Thought Machine、Temenos、Infosys Finacle、Finastra など、Red Hat を使用してクラウド対応のコアバンキングサービスを提供している幅広いパートナーと協業しています。

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