CentOS Linux 7 が 2024 年 6 月 30 日にサポート終了 (EOL) を迎えようとしている現在、多くの組織が選択肢を模索し、以下のようなよくある質問への回答を調査しています。
- CentOS Linux 7 は 2024 年にサポート終了となりますが、どうすればよいですか?
- これらのデバイスを Red Hat Enterprise Linux (RHEL) に移行できますか?
- 使用している環境にデプロイ済みの CentOS Linux 7 システムの移行について、リスクと不確実性をどのように評価すればよいですか?
Red Hat では、これらの問いに対応してきました。Red Hat は、規模にかかわらずシステムのデプロイメントを管理し、維持するために役立つ複数のソリューションを提供できることを嬉しく思います。これらのソリューションは定期的に更新され、セキュリティとリスクのレベルを把握するためのレポートツールも利用できます。
CentOS Linux のスプロールに対処するための選択肢
Red Hat は、Convert2RHEL ツールを強化し、3 つの異なるユースケースシナリオに統合しました。このブログでは 3 つ目の Red Hat Insights を使用する方法について取り上げます。
1.Convert2RHEL コマンドラインツール
Convert2RHEL ツールは 2021 年からサポートされており、通信や金融セクターの多くを含む多数の大企業で使用され、移行の成功に貢献しています。新たに導入された機能強化では変換前の分析フェーズが追加され、すべてのユースケースで利用できるようになりました。
2.Red Hat Satellite と Convert2RHEL ユーティリティの統合
この機能は、Convert2RHEL ツールのエクスペリエンスを拡張し、Satellite とジョブテンプレートを使用してオンプレミスでコンテンツを同期することで、多くのシステムを大規模に変換するのに役立ちます。
3. 新規!システム分析と変換のための Red Hat Insights タスク
この新しいガイド付きエクスペリエンスは、CentOS Linux 7 システムの分析と RHEL への変換を支援します。Insights はサービスとして提供されるため、インストールにあたりインフラストラクチャのオーバーヘッドは発生しません。このガイド付きエクスペリエンスにより、RHEL への転換の複雑さ、リスク、時間が軽減されます。
Insights を使用すると、次のことができます。
- CentOS Linux 7 システムを Red Hat Insights に接続する
- Insights のインベントリーで CentOS Linux 7 システムと RHEL システムを確認する
- 多くのシステムを一度に移行するためのプランニングガイドとして、Insights タスクを開始して変換前分析を実施する。これにより、変換の進め方に関するガイダンスを取得できます
- Insights タスクを開始し、変換の準備ができているシステムを変換する
実際に試す
1.開始するには、Red Hat Insights にログインします。まだアカウントを持っていない場合は、まず作成する必要があります。
2.アカウントに少なくとも 1 つの RHEL サブスクリプションがあることを確認します。分析と変換のために RHEL コンテンツにアクセスするには、システム用のサブスクリプションが必要です。また、これにより新しく変換するシステムがアンロックされ、RHEL と Insights のすべての機能とメリットが有効になります。サブスクリプションをまだ取得していない場合は、次のいずれかの方法で取得できます。
a. Developer サブスクリプション (個人用) は、RHEL を個人で使用する場合に無料で利用できます (組織で使用することはできません)。
b. 組織内で開発プロジェクトに取り組んでいる場合は、無料の Developer サブスクリプション (チーム用) を利用できる可能性があります。
c.プロダクション環境で RHEL を使用する場合は、RHEL for Third Party Linux Migration に記載されているオプションをご確認ください。お求めやすい価格のサブスクリプションで、ELS も付属します。
3.次に、アクティベーションキーを作成し、組織 ID をメモします。これらは次の手順で必要になります。詳細については、Hybrid Cloud Console のアクティベーションキーのスタートガイドを参照してください。
4.アカウントで Simple Content Access (SCA) を有効にします。これは、システムでサブスクリプションを自動的に有効にする最もシンプルな方法です。アカウントを新規に作成する場合、SCA はデフォルトで有効になります。既存のアカウントで、このオプションが有効になっていない場合、SCA を有効にするには Red Hat アカウントについての会社の組織管理者に連絡することが必要になる場合があります。これで、完全な変換を実行するために必要なものがすべて揃いました。
5.CentOS Linux 7 システムにログインし、Insights に接続します。新たなエクスペリエンスが始まります。
a. 最初に、システムが最新の CentOS Linux 7.9 パッケージに完全に更新されていることを確認します。Red Hat のテストとサポートは、最新のパッケージセットに対してのみ提供されます。システムを再起動して、最新のカーネルで実行されていることを確認します。
# sudo yum update -y
# sudo reboot
b. 次に、Red Hat クライアントツールをインストールして、システムを Insights に接続し、インベントリーに表示します。これらの各ファイルの詳細については、第 4 章 Insights を使用した RHEL 変換の準備を参照してください。
# sudo curl -o /etc/yum.repos.d/client-tools-for-rhel-7-server.repo https://ftp.redhat.com/redhat/client-tools/client-tools-for-rhel-7-server.repo
# sudo curl -o /etc/pki/rpm-gpg/RPM-GPG-KEY-redhat-release https://www.redhat.com/security/data/fd431d51.txt
# sudo yum install -y subscription-manager insights-client rhc rhc-worker-script
# sudo rhc connect --organization ORG_ID --activation-key ACT_KEY
6.これで、システムが接続され、Insights のインベントリーに表示されます。
7.次に、左側のサイドバーから Automation Toolkit を展開し、Tasks を選択します。ここに、RHEL への変換前分析のタスクを実行するオプションがあります。指示に従って、対象のシステムで分析を開始します。分析対象のシステムの速度に応じて、完了までに 5 分から 20 分程度かかります。
8.変換前分析タスクが完了したら、提供される情報フィードバックを確認できます。これには情報のみが含まれる場合もあれば、発見された阻害要因が赤文字で示され、問題を修復するためのガイダンスとともに提供される場合があります。
9.変換前分析を確認して懸念事項を解決したら、Insights のタスクでシステムを RHEL に変換します。
10.完了時に、情報の概要と成功ステータスが表示されます。
今後の予定
CentOS Linux 7 のワークロードを RHEL にこれまで以上に容易に変換できるよう、Red Hat Insights の変換エクスペリエンスを引き続き改善していきます。改善を予定している点は次のとおりです。
- パフォーマンスの向上による分析時間の短縮
- 変換前の分析で提案されたアドバイスを基に作成された Playbook 使用して CentOS システムを修復
- 互換性のあるその他の Linux ディストリビューションの検討 (必要に応じて)
フィードバックの提供
ご意見をお聞かせください。ツールを使用する際は、右下にある紫色の Feedback ボタンをクリックして、コメントの送信、バグの報告、機能リクエストの送信を行うことができます。
さらに詳しい情報
以下に、変換の選択肢とメジャーリリースのアップグレードに関する追加の手順とガイダンスのリンクを紹介します。
変換
新規! Red Hat Insights を使用した RPM ベースの Linux ディストリビューションから RHEL への変換
Red Hat Enterprise Linux への移行に役立つその他のリソースやオファーについては、https://red.ht/centos をご覧ください。
メジャーリリースのアップグレード
変換が完了したら、RHEL アップグレードページ (https://red.ht/upgraderhel) で、RHEL の新しいリリースの準備とアップグレードに役立つ追加のリソースを確認してください。
まとめ
2024 年 6 月にサポート終了を迎える CentOS Linux 7 システムへの対処について悩んでいる組織は少なくありません。Red Hat は、技術的な実装を支援するコンサルティングサービスや、お客様のニーズに応じて低コストまたは無料のサブスクリプション・オプションを提供しています。これには、RHEL for Third Party Linux Migration が含まれます。これは、Convert2RHEL ツールへのアクセスを提供する極めて低コストの RHEL サブスクリプションであり、CentOS Linux 7 の EOL 期日以降最長 4 年間の延長ライフサイクルサポートが含まれます。
また、導入の完了以後も、RHEL サブスクリプションから得られる価値を実感していただければ幸いです。Red Hat は、RHEL システムについて優れた管理エクスペリエンスを提供することに尽力しています。また、RHEL 7 からより新しいリリースへのワークロードの移行を計画する際に活用できる Extended Life Cycle Support などのライフサイクルオプションも提供しています。
執筆者紹介
Terry Bowling has been designing and working with customers on UNIX and GNU/Linux environments since 1999. He brings this experience to the RHEL Product Management team to provide the best experience to assembling and deploying RHEL for customers. This includes the RHEL installer, image builder and related build services for RHEL being developed at Console.RedHat.com.
Bob Handlin has helped build and promote products in various parts of the tech industry for more than 20 years. He currently focuses on RHEL migrations and upgrades, but also assists with storage technologies and live patching.
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