最新版の実運用対応可能なOpenStack Platformで、Linuxコンテナへの対応とともにITの柔軟性を改善し複雑さを軽減

Red Hat OpenStack Platform 12でサービスをコンテナ化し、プラットフォーム全体のセキュリティを改善

東京 -

[シドニー – OPENSTACK SUMMIT - 2017年11月6日(現地時間)発表] オーストラリア報道発表資料抄訳

オープンソースソリューションのプロバイダーとして世界をリードするRed Hat, Inc.(NYSE: RHT、以下Red Hat)は本日、スケーラブルでアジャイルなクラウドInfrastructure-as-a-Service(IaaS)の最新版である、Red Hat OpenStack Platform 12を発表しました。OpenStack「Pike」のリリースをベースとするRed Hat OpenStack Platform 12では、サービスをコンテナ化し柔軟性を改善すると同時に、複雑さを解消してアプリケーション開発の高速化を図っています。Red Hat OpenStack Platform 12は、DCI(Distributed Continuous Integration)をアップグレード、データのコンプライアンス維持やリスク管理に役立つセキュリティ改善など、新たな拡張機能を数多く実現しています。

BBVAケンブリッジ大学FICOMassachusetts Open CloudTurkcellIAGオークリッジ国立研究所(ORNL)Paddy Power BetfairProdubanUKCloudVerizonなどの何百ものお客様が、Red Hat OpenStack Platformを使って様々なミッションクリティカルデプロイメントのためのハイブリッド/プライベートクラウドを実現しています。さらに、Red Hat OpenStack Platformは、エンタープライズビジネス分野では、CiscoDell EMCIntelLenovoRackspaceNetApp、およびEricssonNokiaNECHuaweiCisco、その他の通信産業の企業などの、強固なエコシステムパートナーに支えられています。

Red Hat OpenStack Platform 12は、プライベートクラウドまたはパブリッククラウドのインフラ向けに設計されており、エンタープライズクラスのバックボーンRed Hat Enterprise Linuxを基盤に構築されています。Red Hat OpenStack Platform 12は、OpenStackのテストおよび認証済みでフルサポート対象のバージョンであり、可用性、性能、ITセキュリティといった要件を損なうことなく、拡張性と顧客の要求に迅速に対応できる俊敏性を備えています。Red Hat OpenStack Platformでは、Red Hatのマルチクラウド管理プラットフォームであるRed Hat CloudFormsも利用でき、Red Hat OpenStack Platformインフラや作業負荷全体の運用の可視化と、ポリシーに基づく管理を可能にします。またRed Hat OpenStack Platform 12は、スケールアウトクラウド向けの、高度にスケーラブルなブロック、オブジェクト、ファイルストレージソリューション、Red Hat CephStorageとの緊密なインテグレーションを維持しています。

OpenStackサービスのコンテナ化
Red Hat OpenStack Platform 12では、新たにOpenStackサービスのコンテナ化が導入されました。Red HatはすでにOpenStackでリーダーですが、企業へのコンテナ導入、コンテナ革新を推進するオープンソースプロジェクトへの貢献においてもリーダーとなっています。新たな製品の提供までの期間を短縮するために、今日の組織はより迅速に、効率的に、大規模にリソースを割り当てられるクラウドインフラを必要としています。Linuxコンテナを用いたOpenStackサービスの運用がこれを実現します。アップグレード、ロールバック、サービス管理の柔軟性を高めると同時に、オペレーター側のクラウド管理の複雑さを軽減します。さらに、Linuxコンテナの利用により、OpenStackサービスの迅速なスケール変更が容易になり、顧客は最も有利な時期に、高まるユーザー要求に対応できるようになります。

新たな実装を配備する場合も、ディレクターツールから自動アップグレードを実施する場合も、Red Hat OpenStack Platform 12は、OpenStackサービスの大半をコンテナ化する一方で、コンテナ化されたネットワーキングとストレージについては、Technology Previewとして提供します。このため、当社の戦略的なエコシステムパートナーは、この新しい配備モデルのドライバとプラグインを認証する機会を手にでき、最終的に顧客向けのサービスは、全く中断なく、あるいは最低限の中断で提供されます。

セキュリティの強化
自動インフラ登録サービスなどのRed Hat OpenStack Platform 12の新しい機能は、組織のセキュリティ向上と、セキュリティ証明時のライフサイクル管理の自動化を通じた効率性の改善を支援します。OpenStack Block Storage(Cinder)やBare Metal Provisioning(Ironic)などの他のコンポーネントも、それぞれボリューム暗号化とディスクパーティショニング拡張がアップデートされました。Red Hadは、世界的な様々なリスク管理イニシアチブにおいて、より強固な位置付けを目指し努力しており、Red Hat OpenStack Platform顧客は、新しいRed Hat security guideにアクセスできるようになります。このRed Hatカスタマーポータルで提供されるサービスは、基本的なセキュリティコントロールに合わせてよりセキュアなOpenStack配備を促すための、セキュリティ機能、実装、ガイダンスを概説しています。

コンポーザブルなインフラによる柔軟性の向上
コンポーザブルなロールが最初に導入されたのは、Red Hat OpenStack Platform 10です。オペレーターは、個々のニーズに合わせてカスタマイズされた、個別サービスとプロセスのプロファイルを作成できます。Red Hat OpenStack Platform 11は、コンポーザブルなロールに対応して機能を拡張し、適応性と一貫性を高めたRed Hat OpenStack Platformの配備とアップグレードを実現します。今回の Red Hat OpenStack Platform 12では、コンポーザブルなネットワークにより、コンポーサビリティがさらに前進しています。過去のバージョンでは、あらかじめ定義されたネットワークトポロジーを選ぶしかありませんでした。しかし新しいコンポーザブルなネットワークの導入により、必要なネットワークトポロジーを、これまでより少ない制約で定義する選択肢が与えられます。また、オペレーターは一般的なL3のスパインおよびリーフトポロジーなど、必要に応じた数のネットワークを作成でき、ネットワークの数が制限されません。このような拡張機能により、企業はOpenStackの配備を社内のニーズに合わせて、任意のスケールで手軽にカスタマイズできます。

さらに、Red Hat OpenStack Platform 12は、Distributed Management Task Force(DMTF)の、コンポーザブルインフラに関するRedfishオープンAPIにも対応しています。この新しい業界仕様に向けた対応により、バージョン12は、Intel® Rack Scale Design(Intel® RSD)などのRedfish APIを利用する業界ソリューションとの相互運用が可能になります。

ネットワーク自動化のためのOpenDaylight
バージョン12は、ソフトウェアデファインドネットワークのカスタマイズおよび自動化のための、モジュール式オープンソースプラットフォーム、OpenDaylightをTechnology Previewとして提供します。OpenStack向けOpenDaylightを通じたネットワーク機能仮想化(NFV)サポートの進化は、顧客側の速度とスループットの改善を支援する目的を持ち、Red Hatにとっては従来どおりの重要な戦略です。OpenDaylight統合による拡張は、Data Plane Developer Kit(DPDK)の実装方式の改善以外に、SDN機能によるパフォーマンス向上も目的としています。

Distributed Continuous Integration
5リリース前のRed HatのDistributed Continuous Integration(DCI)は、顧客とパートナーがRed Hat OpenStack Platformと相互作用する新しい方式を導入しました。DCIの主な目的は、Red Hatが業界で最高品質のOpenStackソフトウェアを出荷するのを支えることです。このために、プレおよびポストプロダクトのリリース時に、顧客とパートナー側での配備、試験、フィードバックのループが自動化されました。これにより、Red Hatは、実世界のユースケースをテストし、顧客とパートナー側による設定で各ケースの妥当性を検証できます。今日、DCIはRed Hatの品質エンジニアリングチームにアクショナブルログを自動的に送信するため、修正の特定やパッチ、コミュニティに返送する時間を省きます。

提供開始時期
Red Hat OpenStack Platform 12は、Red Hat Cloud InfrastructureおよびRed Hat Cloud Suiteソリューションのコンポーネントとして、Red Hatカスタマーポータルから近日中に公開される予定です。

 

サポートコメント

Red Hat OpenStack担当ゼネラルマネージャー Radhesh Balakrishnan
「デジタルトランスフォーメーションによる恩恵を得るために、企業は、社内のインフラをアップデートし、複数のハードウェアアーキテクチャやLinuxコンテナ技術、そしてクラウドコンピューティングを活用する次世代のアプリケーションのサポートを改善することが求められています。Red Hat OpenStack Platform 12は、組織がこの要求を、より安全でコンシューマブルかつ予測可能な方法で達成すると同時に、ベンダーロックインを減らす指針となるものです。OpenStackサービスのコンテナ化は、よく知られたRed Hatのオープンソースのセキュリティと安定性の強化と連動することで、組織が社内のIT業務の敏捷性を強化するための、実運用対応のインフラを実現します。」

Dell EMC サービスプロバイダーソリューション担当バイスプレジデント Kevin Shatzkamer
「クラウドおよび仮想化ソリューション分野での、4年間の共同エンジニアリングとコラボレーションを通じて、Red Hat OpenStack Platform 12の機能改善、機能強化、堅牢性向上に参加できたことはDell EMCの誇りです。Dell EMCの最先端のインフラとRed Hat OpenStack Platformの敏捷性の統合は、お客様のIT環境の管理を改善すると同時に、次世代アプリケーション開発を後押しするプラットフォームの創出に役立っています。」

Intel Intel Rack Scale Design担当ゼネラルマネージャー Figen Ulgen
「Intel® Rack Scale Designは、Red Hatを始めとする当社のエコシステムパートナーとの緊密なコラボレーションが欠かせない、業界標準のアーキテクチャです。このようなマイルストーンに、当社が協力できたことに満足しています。今回のRed Hat OpenStack Platformでは、DMTFのRedfishのオープンスタンダードAPIがサポートされています。Intel RSDベースのハードウェアにRed Hat OpenStack Platformが実装されることで、新型のスケーラブルなデータセンターの需要に応える、新たなレベルの敏捷性を顧客に提供できると考えています。」

Nokia CloudBand担当バイスプレジデント Guy Shemesh
「Red Hat OpenStack Platformは、クラウドへのネットワーク機能の配備に必要な、商業的に実証された信頼性、自動化、堅牢なセキュリティを備えたオープンソリューション、Nokia CloudBand Infrastructure Softwareの、スケーラブルで柔軟性のある基盤となります。顧客が新しいサービスで収益を短期的に実現するために、実質的な選択肢としてCloudBandを選択しているのは、両社のコラボレーションに依るところもあります。CloudBandはまた、ネットワーク業務の無駄を省く自動化と最適化も実現し、同時に顧客が迅速なオープンソースイノベーションを採用しやすく、またベンダーロックインを回避しやすくします。2011年以降のRed Hatとの提携が、今後も継続されることを希望しています。結果的にキャリアグレードのOpenStackインフラが推進され、特にLinuxコンテナなどの新しいイノベーションが内包するまでに、技術進化が起こることを希望しています。」

 

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本件に関するお問い合わせ

  • レッドハット株式会社 広報担当 pr-jp@redhat.com TEL:03-5798-8550
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