Red Hat Enterprise Linux インフラストラクチャのアップグレード

Red Hat® Enterprise Linux® の新しいバージョンへのアップグレードは、ストレスや混乱を引き起こすことなく行うことが可能です。Red Hat では、組織のシステムを稼動させ続け、Red Hat Enterprise Linux が提供する最新のメリットに対応するために必要なリソース、ツール、コンサルティングをご用意しています。

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Red Hat Enterprise Linux をアップグレードする方法

アップグレードの手順とスケジュールは、実行している Red Hat Enterprise Linux のバージョンによって異なります。アップグレードの計画を立て、現在お使いのバージョンを選択して適切な手順をご確認ください。

アップグレードの利点

Red Hat Enterprise Linux の最新リリースバージョンへのアップグレードは当然の選択のように思えるかもしれませんが、Red Hat では複数のバージョンのオペレーティングシステム (OS) を同時にサポートしています。ライフサイクルの管理方法によっては、最新より前のバージョンにアップデートする方が理にかなっている場合もあります。選択するバージョンがどれであっても、最新のアップデートを適用することで、システムのサポートと安定性を維持し、Red Hat Enterprise Linux の最新機能とメリットを利用できます。

エンタープライズレベルのセキュリティ

システムをアップグレードすることで、最新のセキュリティ更新プログラムに中断なくアクセスでき、継続的なセキュリティコンプライアンスを実現します。システム全体の暗号化ポリシーと Linux カーネルライブパッチにより、企業は追加の保守作業や予定外のダウンタイムを発生させることなく、セキュリティとコンプライアンスの義務に対処し、問題を修正することができます。

タスクの自動化

OS 内での一貫した反復可能な設定を確保することで、物理環境、仮想環境、プライベートクラウド環境、パブリッククラウド環境、エッジのフットプリント全体で技術的な負担を軽減し、手動タスクを最小限に抑えることができます。

その他のメリット

インテリジェントな分析

Red Hat Insights は、予測分析を使用して環境を評価し、運用リスクとセキュリティリスクを特定して優先順位を付け、運用を単純化します。Insights はまた、ハイブリッドクラウド・デプロイメント全体のサブスクリプション追跡を強化します。

ライフサイクル・プランニングの強化

予測可能なリリースサイクルと 10 年間のメジャーリリースサポートにより、組織は長期的な成功に向けて計画できます。Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションでは、柔軟で安定したセキュリティ重視のライフサイクルオプションが提供されるため、企業はサポート対象の複数のバージョンから選択してシステム機能を維持できます。

コンテナ対応の可搬性

Red Hat Enterprise Linux に含まれるコンテナツールは、企業が一貫性を維持し、進化する変革とイノベーションの目標を達成する上で役立ちます。Red Hat Enterprise Linux には、エンタープライズ・ライフサイクルで Linux コンテナを作成し、実行し、管理するためのコンテナツールが含まれています。

イノベーションの加速化

アプリケーション・ストリームにより、Red Hat Enterprise Linux 上で使用する一般的なアプリケーションと言語ランタイムのバージョンを選択し続けることができます。

最新ニュース

Red Hat Enterprise Linux 7 のメンテナンス終了

Red Hat Enterprise Linux 7 は、2024 年 6 月 30 日に メンテナンスサポート 2 フェーズの終了を迎えました。 

Red Hat Enterprise Linux の最新バージョンにアップグレードして、オペレーティングシステムの最新機能と性能を引き続き活用しましょう。 

アップグレードする準備ができていない場合 :Red Hat Enterprise Linux 7 の延長ライフサイクルサポート (ELS) によって、メンテナンスサポートを 2028 年 6 月 30 日まで、最大 4 年間追加できます。この期間は、Red Hat Enterprise Linux 7 の最後のマイナーリリース (7.9) に対して、重大な影響を与えるセキュリティ修正、緊急優先度の高いバグ修正、およびトラブルシューティングが提供されます。

ニュース

CentOS Linux からの移行

CentOS Linux 7 が 2024 年 6 月 30 日にサポート終了 (EOL) となりました。CentOS Linux を使い続けると、脆弱性にパッチが適用されず、セキュリティ侵害の可能性もあり、組織がリスクにさらされます。 

Red Hat Enterprise Linux for Third Party Linux Migration with ELS は、お求めやすい価格のサブスクリプションとシンプルな変換プロセスにより、CentOS Linux ユーザーにとって Red Hat Enterprise Linux をより利用しやすいものにします。EOL 期日後もさらに時間が必要な組織向けに、このオファリングでは最大 4 年間のセキュリティパッチと Red Hat Enterprise Linux 7 のアップデートも提供されます。

アップグレードを計画する

  • 自社に最適なアップグレード方法を選択しましょう  
    • Leapp によるインプレース・アップグレードなら、既存のインフラストラクチャ環境と構成設定を保持することができます。また、アップグレード前の分析レポートを実行し、アップグレードを大規模に実行するための自動化を検討できる修復アドバイスを受け取ることもできます。これは Red Hat が推奨するアップグレード方法です。 
    • 新規インストールでは、Red Hat Enterprise Linux の新規デプロイメントを起動し、ワークロードを手動で設定します。 
  • アップグレードのプロジェクトは社内リソースだけで行いますか?それとも Red Hat の支援を利用しますか?
  • 現在の Red Hat Enterprise Linux ソフトウェアが EOM ライフサイクルの期限に近づいている場合、期限までにアップグレードのプロジェクトを完了できますか?  

バージョン別のアップグレード

現在お使いの Red Hat Enterprise Linux のバージョンを選択すると、重要なアップグレードのマイルストーンを追跡したり、バージョン固有の手順を確認したりできます。また、お使いのバージョンと次のステップに関するリソースにもアクセスできます。

アップグレード

Red Hat Enterprise Linux 7

Red Hat Enterprise Linux 7 は、2024 年 6 月 30 日にメンテナンスサポート 2 フェーズの終了 (EOM) を迎えました。新しいバージョンの Red Hat Enterprise Linux にアップグレードするには、方法がいくつかあります。

自社で行う場合、Red Hat Enterprise Linux のサブスクリプションの一部として提供される、手順付きのガイダンスと成功に役立つツールが役立ちます。

Leapp は、 システムの再インストールを必要としない、Red Hat Enterprise Linux 7 から 8 へのインプレース・システム・アップグレードの実行に使用されるサポート対象ツールです。Leapp はサブスクリプションに含まれており、Red Hat Enterprise Linux の次のメジャーバージョンにアップグレードするための自動化可能な単一パスを提供することにより、従来の再デプロイメント・プロジェクトよりも少ない時間と労力でアップグレードを単純化します。システムの構成、サブスクリプション、アプリケーションを保持し、Leapp のアップグレード前分析レポートを実行してアップグレード可能性の問題を特定します。可能な場合は修復を自動化することで、手動による介入を減らします。

Red Hat Enterprise Linux 7 から直接 Red Hat Enterprise Linux 9 へのインプレース・アップグレードを実行することはできません。しかし、Red Hat Enterprise Linux 7 から Red Hat Enterprise Linux 8 へのインプレース・アップグレードを実行し、その後適切なタイミングを見て Red Hat Enterprise Linux 9 への 2 回目のインプレース・アップグレードを実行することができます。

Red Hat Enterprise Linux 7 の延長ライフサイクルサポート (ELS) は、EOM の日付を過ぎてもアップグレードの準備ができていない場合に最適なオプションです。これにより、2028 年 6 月 30 日まで 4 年間のメンテナンスサポートが提供されます。 

また、Red Hat のエキスパートによるコンサルティング・サービスを利用して、アップグレード・プロセスを完全に自動化することもできます。 

計画用リソース

実装向けリソース

トラブルシューティング向けリソース


 

アップグレード

Red Hat Enterprise Linux 6

Red Hat Enterprise Linux 6 の延長ライフサイクルサポート (ELS) は、2024 年 6 月 30 日に終了しました。

Red Hat Enterprise Linux 6 で ELS アドオンをご利用のお客様には、Red Hat が定義する一部の重要なセキュリティ更新プログラム、緊急で優先度の高いバグ修正、最後のマイナーリリース (6.9) のトラブルシューティングが提供されなくなります。まだ Red Hat Enterprise Linux 6 を実行しているお客様は、すべての機能とサポートをご利用いただくために、新しいバージョンにアップグレードする必要があります。

Red Hat Enterprise Linux のより新しいメジャーバージョンにシステムをアップグレードする方法として、Red Hat ではインプレース・アップグレードを推奨しています。Red Hat Enterprise Linux 6 と Red Hat Enterprise Linux 7 の主な変更点をすべて把握しておけるように、インプレース・アップグレードのプロセスを開始する前に移行計画ガイドをご覧ください。お使いのシステムがインプレース・アップグレードに対応しているかどうかは、Preupgrade Assistant を実行して確認することもできます。Preupgrade Assistant は、システムに変更を加える前に、アップグレードを妨害または阻害する可能性のある潜在的な問題がないかどうかを評価します。 

できるだけ早く Red Hat Enterprise Linux 6 からアップグレードすることが重要です。サポートが必要な場合は、Red Hat コンサルティングのエキスパートが、ご担当者様やお客様のチームと協力し、アップグレードのプロセスを加速するために必要なプラクティスとツールの開発、および文化の醸成をサポートします。


 

アップグレード

Red Hat Enterprise Linux 8

Red Hat Enterprise Linux の最新機能によるメリットをお求めの場合、つまり、ハイブリッドクラウドのイノベーションをサポートするためのより柔軟で安定した基盤や、物理、仮想、プライベート、パブリッククラウド、エッジデプロイメントでアプリケーションと重要なワークロードをデプロイするためのより高速で一貫したエクスペリエンスをお求めの場合は、Red Hat Enterprise Linux 9 をおすすめします。

Red Hat Enterprise Linux では、サポートされるアップグレード管理ツールとして Leapp が一緒に提供されており、Red Hat Enterprise Linux の次のメジャーバージョンにアップグレードするための自動化可能な単一パスを提供します。システムの構成、サブスクリプション、アプリケーションを保持し、Leapp のアップグレード前分析レポートを実行してアップグレード可能性の問題を特定します。可能な場合は修復を自動化することで、手動による介入を減らします。

Red Hat Satellite をお使いの場合、Leapp のプラグインを使ってシステムを大規模にアップグレードできます。


 

クラウドで Red Hat Enterprise Linux をアップグレード

インプレース・アップグレードは、Red Hat Update Infrastructure (RHUI) を使用した、Amazon Web Services (AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform 上の従量課金制オンデマンド・インスタンスでサポートされています。ご利用のクラウドプロバイダーに応じて、アップグレードの手順とリソースをご覧ください。

AWS 上の Red Hat Enterprise Linux

必要な RHUI リポジトリを有効にし、必要な RHUI パッケージをインストールして、システムがアップグレードに対応できるようにします。

Azure 上の Red Hat Enterprise Linux

Red Hat Enterprise Linux を Microsoft Azure 上でインプレース・アップグレードする方法を、バージョンと環境に応じてご紹介します。

Google Cloud Platform 上の Red Hat Enterprise Linux

ナレッジベース記事「Google Cloud Platform (GCP) 向け Leapp RHUI パッケージ」をご覧ください。

Red Hat Enterprise Linux Extended Life Cycle Support Add-On

コンピュータのインフラストラクチャを描いたイラスト

Extended Life Cycle Support (ELS) Add-On は、Red Hat が定義する一部の重要なセキュリティ更新プログラム、緊急で優先度の高いバグ修正、特定のバージョンの Red Hat Enterprise Linux の最後のマイナーリリースのトラブルシューティングを提供します。

Red Hat は、2028 年 6 月 30 日まで、Red Hat Enterprise Linux 7 に対して最大 4 年間の延長サポートを提供しています。これは、2024 年 6 月 30 日の Red Hat Enterprise Linux EOM 期日以降も、アップグレードを完了するための時間が必要な場合に役立つオプションです。ELS により、重要なワークロードを保護するために必要なサポートを引き続き受けながら、スケジュールに合わせて移行計画を修正して実行することができます。

より新しいバージョンの Red Hat Enterprise Linux をインストールする

インプレース・アップグレードを検討していない場合

必要に応じて、Red Hat Enterprise Linux 8 または Red Hat Enterprise Linux 9 を新規インストールして、ワークロードを手動でインストール、設定、テストすることができます。ただし、この方法では現在の構成とセキュリティ設定を再作成してテストしなければならないため、リスクが高くなる可能性があります。

Red Hat コンサルティング

サポートが必要な場合

Red Hat コンサルティング・サービスは、多くのお客様の Red Hat Enterprise Linux アップグレードプロジェクトを支援してきました。サポートをお求めの場合は、Red Hat コンサルティング・サービスにお問い合わせください。専門知識とガイダンスをお客様と共有し、その実現だけでなく、プロセスにかかる時間とコストの節約を支援します。