概要
IT スタック内のあらゆるテクノロジーは互いに連携でき、ワークロードは、ベアメタルサーバー、仮想マシン、コンテナ、プライベートクラウドおよびパブリッククラウドをまたいで移動およびスケーリングできる必要があります。そのためには、先進的なセキュリティ指向のオペレーティングシステム (OS) が必要です。それが、Red Hat® Enterprise Linux® です。
標準 OS をワークロードの基盤にすると、ビジネスにとって有用になるようにワークロードを環境間で簡単に移動させることができます。Red Hat Enterprise Linux は、ハイブリッドクラウド・デプロイメントに対する一貫性のある安定した高性能プラットフォームとなり、管理性と、Red Hat の多岐にわたる管理および自動化ポートフォリオとの統合機能が内蔵されています。
Red Hat はフォーチュン 500 の企業の 90% 以上にパートナーとして信頼されており、その 1 社である Salesforce はインフラストラクチャ全体を CentOS Linux から Red Hat Enterprise Linux に移行しました。 Red Hat Enterprise Linux は、イノベーションを支える基盤として、安定性に優れた最新の開発ツール、コンテナ・テクノロジー、ハードウェア、および先進的なクラウド技術を提供します。Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションを利用すると、オープンソース・コミュニティに直接アクセスしてサポートを受けられます。また、数千ものクラウド、ソフトウェア、およびハードウェアの認定プロバイダーと統合されています。
クラウドで認められた OS
クラウド環境はどれひとつとして同じではありません。つまり、柔軟でありながら安定した OS が必要なのです。Red Hat Enterprise Linux はオープンソースコードの柔軟性と、オープンソース・コミュニティのイノベーションを兼ね備え、数百ものパブリッククラウド・プロバイダーおよびサービスプロバイダーから認定を受けています。さらに、コンテナプラットフォームである Red Hat OpenShift は、クラウドネイティブ・アプリケーションをパブリッククラウドでビルド、デプロイ、スケーリングできるように設計されており、お客様はビジネスに役立つクラウド戦略を自信を持って実施できます。
お客様が保有するインフラストラクチャと、新しいコンポーネント、さらには今後のコンポーネントをより柔軟に使用できるようにすることを目標に、Red Hat は AWS、Microsoft Azure、Google Cloud、Oracle Cloud Infrastructure (OCI)、IBM Cloud などと協力し、お客様に最適に機能する構成で、Red Hat Enterprise Linux のクラウド運用を標準化するオプションをユーザーに提供します。
Red Hat のリソース
セキュリティとコンプライアンス
データセンターのセキュリティは OS から始まります。Red Hat Enterprise Linux には Security-Enhanced Linux (SELinux) や強制アクセス制御 (MAC) などのセキュリティ機能が組み込まれており、これらの機能が侵入の防止と法令へのコンプライアンス準拠を支援します。Red Hat Enterprise Linux はコモンクライテリア認証と FIPS 140-2 認証を取得しており、v7.1 はコモンクライテリア認証を有する初の Linux コンテナ・フレームワーク・サポートです。
Red Hat Enterprise Linux に代表される、サポート付きのエンタープライズ向けオープンソース・オペレーティングシステムは、何千人もの開発者が Linux カーネルで数百万行ものコードを監視しています。つまり、脆弱性への攻撃が問題となる前に欠陥が発見され、修正プログラムが作成されます。さらに Linux カーネルライブパッチにより、ダウンタイムを発生させることなくセキュリティパッチを適用できます。エキスパートで構成される Red Hat の専任チームは、バグ修正プログラムを検証し、アプリケーションを中断させずにパッチをデプロイしています。数年前には、メルトダウンとスペクターへの対処にも貢献しています。
業界が認めるプラットフォームであり、実際 Red Hat は自社製品のセキュリティ認定を取得するために多大な努力を払っています。Red Hat がアップストリームで行った作業を顧客のセキュリティ担当者に示すことができるため、アプリケーションのプロダクションへの導入は非常に容易になります。
先進的なオープンソース・テクノロジーへのサポート
Red Hat Enterprise Linux は単なる OS ではありません。それを使うことで Red Hat の広範なハードウェア、ソフトウェア、およびクラウドパートナーのエコシステムも利用可能になり、24 時間年中無休のサポートも付帯します。
Red Hat Enterprise Linux の各バージョンは、あらゆるエンタープライズ向けに設計され、将来実現する機能の基盤となります。コンテナから自動化、さらには人工知能まで、Red Hat Enterprise Linux はイノベーターのために作られ、開発者のために設計され、運用のために工夫されています。
最新の Linux リリースである Red Hat Enterprise Linux 9 は、柔軟な共通基盤を使用してイノベーションをサポートし、市場投入時間を短縮することで、長期的な IT の成功を支援します。
最適化された移行プロセス
Red Hat は他の主要なクラウドプロバイダーとコラボレーションを行っています。つまり、Red Hat Enterprise Linux は Microsoft Azure や Oracle Cloud Infrastructure (OCI) などのサービスで使用できる優れたプラットフォームであり、お客様はレガシーシステムを利用しながら、新しいテクノロジーを導入できます。これに伴う移行プロセスは手間がかかると思われがちですが、Red Hat はこのプロセスをできる限り容易に進められるよう支援します。
Red Hat Enterprise Linux のインストール、移行、アップグレードといった最初のステップから最終的に複数のクラウドにデプロイする段階まで、Red Hat は役立つツールを提供しています。
現在 CentOS Linux を使用している場合、または Ubuntu、Debian、Fedora など、別の Linux ディストリビューションを使用している場合は、移行ツールを使用して簡単に開始できます。たとえば、Convert2RHEL コマンドライン・ユーティリティを使用して、CentOS Linux® または Oracle Linux ディストリビューションから、Red Hat Enterprise Linux 7 または Red Hat Enterprise Linux 8 に変換することができます。Convert2RHEL は、元の Linux ディストリビューションの OS パッケージを自動的に識別して Red Hat Enterprise Linux の同等のパッケージに置き換えます。Convert2RHEL は公式にサポートされているので、変換のバリエーションに起因する問題のトラブルシューティングを利用できます。
Red Hat Enterprise Linux 7 for Third Party Linux Migration は、CentOS Linux 7 のユーザーがサポート終了 (EOL) 期日後も事業継続性を維持できるようにするための支援を目的とした新製品です。価格競争力のあるこの製品には、Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションのほか、CentOS Linux 7 のインプレースインスタンスを Red Hat Enterprise Linux 7 に変換するためのツールが含まれています。EOL 期日後もさらに時間が必要な場合は、Red Hat Enterprise Linux 7 のライフサイクルサポートを最大 4 年間延長することも可能なので、新しいバージョンにアップグレードする準備ができるまで環境の一貫性を維持できます。
ハイブリッドクラウド環境向けの最新のコンテンツとセキュリティアップデートを使用することで、カスタマイズされた Red Hat Enterprise Linux オペレーティングシステム・イメージをアセンブルするプロセスを単純化および最適化できます。クラウドにデプロイする準備ができたらその詳細を処理できる Red Hat Enterprise Linux イメージビルダーを使用して、最適化されたオペレーティングシステム・イメージを作成できます。
長期にわたるライフサイクルサポート
Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションを利用すると、重要なアプリケーションを保守できます。ライフサイクルは 10 年間で、サポート付きメジャーバージョンからデプロイ対象を選択でき、各マイナーアップデートでアプリケーションの安定性を確実に維持できます。Red Hat は、Red Hat Enterprise Linux の新しいバージョンが利用可能になると、新しいバージョンへのアップグレードに必要なリソース、ツール、コンサルティングを提供します。
Red Hat Enterprise Linux 7 を EOM 期日後 (2024 年 6 月 30 日以降) も運用し続ける場合、最新の機能を利用できず、また、重要なワークロードを保護するために必要なサポートと安定性も得られません。Red Hat Enterprise Linux 7 の延長ライフサイクルサポート (ELS) を利用すれば、メンテナンスサポートを 2028 年 6 月 30 日まで、最大 4 年間追加できます。この期間は、Red Hat Enterprise Linux 7 の最後のマイナーリリース (7.9) を対象に、重大な影響を与えるセキュリティ修正、緊急優先度の高いバグ修正、およびトラブルシューティングが提供されます。
受賞歴のある Red Hat カスタマーポータル、Red Hat のエキスパート・サポート・チーム、およびグローバルなオープンソース・コミュニティを通じて、支援やイノベーションに引き続きアクセスできます。
Red Hat とオープンソース
Red Hat は、大規模なオープンソース・コミュニティにおいて、Linux カーネルと関連テクノロジーの有力な貢献者として当初からその役割を果たしています。これは、プロプライエタリーで変更が難しい従来のオペレーティングシステム (Unix、Microsoft Windows、MacOS) とは大きく異なります。Red Hat のエンジニアは、機能、信頼性、セキュリティの強化を行うことで、ユーザーのユースケースやワークロードを問わず、インフラストラクチャの安定したパフォーマンスの実現を支援します。
Red Hat では Red Hat 製品を社内で使用して、イノベーションの迅速化と、アジャイルで応答性に優れた運用環境を達成しています。
Red Hat なら、コミュニティ主導のアップストリーム・イノベーションをはじめとするエンタープライズ向けオープンソースのメリットを享受し、オープンソース・テクノロジーを安全に使用できるように組織を支援するエンタープライズクラスのサポートを受けることができます。
Red Hat Enterprise Linux などのオープンソース・テクノロジーを採用すると、このようなテクノロジーの構築を支援する Red Hat のオープンソース開発モデルと原則を利用できるようになります。
統合された分析および管理機能
Red Hat Enterprise Linux 環境が最適な動作を続けられるように、サブスクリプションには Red Hat Insights (access.redhat.com でアクセスできるエンドツーエンドの Management-as-a-Service オファリング) が含まれています。Insights は、環境 (基盤となるサーバーと SAP や Microsoft SQL Server (MSSQL) などのアプリケーションを含む) を分析し、セキュリティ、コンプライアンス、可用性、安定性に影響を与える可能性のあるセキュリティの脅威、パフォーマンスのボトルネック、および構成ミスを IT チームがプロアクティブに特定して修正するのを助けます。サブスクリプションは、Red Hat Satellite や Red Hat Ansible® Automation Platform などのアドオンをサポートしています。
柔軟性と可搬性を備えたサブスクリプションモデル
今日の複雑なインフラストラクチャ環境は、物理、仮想、クラウドのデプロイメントが組み合わされて構築されているため、柔軟に選択できる購入モデルが必要です。Red Hat Enterprise Linux Server サブスクリプション・モデルでは、購入の基盤となるサブスクリプションの選択、購入を効率化するためのサブスクリプションのスタッキング、変化する要件に対応するための物理から仮想やクラウド、またはその逆方向へのサブスクリプションの移行が可能です。
サブスクリプションの可搬性により、別の観点での柔軟性が増します。Red Hat に連絡して利用条件を調整しなくても、2 ソケットの物理サブスクリプションを、仮想インスタンス 2 つのサブスクリプションに転用できます。物理と仮想のデプロイメント間でサブスクリプションを移行する機能は、Red Hat Enterprise Linux Server とそのアドオンに適用されます。
Red Hat 公式ブログ
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