概要
既存のサブスクリプションをアップグレードする場合も、まったく異なる Linux ディストリビューションやオペレーティングシステム (OS) から移行する場合も、Red Hat® Enterprise Linux® の最新バージョンへの移行は 3 つの異なる Red Hat ソリューションでサポートされています。
- 既存の Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションをアップグレードするソフトウェアツール
- CentOS や Oracle Linux ディストリビューションを移行するソフトウェアツール
- Unix や Linux 以外のシステムなど、Linux 以外の OS からの移行を支援する実践的なプログラム
こういった移行ツールやプログラムは、サブスクリプションのアップグレードや他の Linux ディストリビューションからの移行に関連する多くのインベントリーや修正手順を自動化します。Red Hat のコンサルタンティング & サービスチームが認定パートナーとチームを組み、Linux 以外の OS からの移行を可能にしています。
移行についての要約
- Red Hat Enterprise Linux 7 サブスクリプションをアップグレードする準備ができていない場合は、延長ライフサイクルサポート (ELS) を利用して、2028 年 6 月 30 日まで最大 4 年間のメンテナンスサポートを受ける。
- Red Hat Enterprise Linux 7 から Red Hat Enterprise Linux 8 へのアップグレードには、Leapp コマンドライン・ユーティリティを使用。
- CentOS Linux や Oracle Linux から Red Hat Enterprise Linux 8 への移行には、Convert2RHEL コマンドライン・ユーティリティを使用。
- Linux 以外のディストリビューションから Red Hat Enterprise Linux へのリファクタリングを行う場合は、ディスカバリー・セッションをリクエスト。
Red Hat Enterprise Linux 8 へのアップグレード
Red Hat Enterprise Linux 7 は、2024 年 6 月30 日にメンテナンス終了を迎えました。Red Hat Enterprise Linux 8 に今すぐアップグレードして、最新のセキュリティ、自動化、パフォーマンス、クラウド、エッジ機能のすべてをフル活用してください。
Red Hat は Leapp コマンドライン・ユーティリティを開発しました。これは、Red Hat Enterprise Linux 7 から 8 へのアップグレードに伴うリスクを軽減し、アップグレードプロセスの最初と最後におけるシステム管理者の作業範囲を減らすことを意図して作られています。このツールを使うことで、ヒューマンエラーが減少し、これまでのメジャーな OS アップグレードと比べて OS のバージョン管理に伴うストレスが軽減します。
Leapp により潜在的な非互換性が自動的にハイライトされるため、システム管理者がワークロード、構成、アプリケーションのすべてを対象に互換性の問題がないかどうかをチェックする手間が省けます。Leapp はさらに、アプリをどのように再構成するべきか、あるいはどのハードウェアドライバーをインストールすべきかなど、修正方法も提案します。実際のアップグレードはダウンタイムやレイテンシーもほとんどなくインプレースで行われます。構成、カスタマイズ、および環境設定は保存されます。
Leapp はオープンソースの理念に基づいたセルフサービスのユーティリティです。Leapp をダウンロードしてご自身で実行していただくことも可能ですが、移行の準備、実行、確認の作業については、Red Hat のコンサルタントのサポートをご利用いただくこともできます。Red Hat Enterprise Linux 6、またはそれ以前のバージョンからアップグレードする場合は、まずこちらの手順を実行して OS を Leapp ユーティリティに対応させてください。
他の Linux ディストリビューションからの変換
CentOS Linux または Oracle Linux から Red Hat Enterprise Linux への移行を支援するために、ダウンロード可能な Convert2RHEL コマンドライン・ユーティリティを構築しました。このユーティリティは、Linux カーネルなどの元の Linux ディストリビューションの RPM パッケージを自動的に識別し、Red Hat Enterprise Linux の同等のパッケージに置き換えます。Salesforce もインフラストラクチャ全体を CentOS Linux から Red Hat Enterprise Linux に変換しています。
システムを Red Hat Enterprise Linux 環境で再起動すると、変更されていないカスタムパッケージやサードパーティパッケージ (Red Hat Enterprise Linux に同等のものがないもの) のリストを作成し、新しく変換されたシステム上で検証することができます。
他の移行ユーティリティと同様に、Convert2RHEL は自分でダウンロードして実行することも、Red Hat コンサルティングのサポートを受けて実行することも可能です。
CentOS Linux 移行評価では移行パスをより包括的に理解できるよう支援し、個別のガイダンスを提供しています。ぜひご利用ください。
Linux 以外の OS からのリファクタリング
Unix から Linux への移行など、Linux 以外のシステムからの移行や、レガシーバージョンの Red Hat Enterprise Linux (バージョン 6 以前) からの移行は、調査と実践に基づいています。Red Hat コンサルティング、Red Hat パートナー、Red Hat トレーニングと認定が、調査と問題解決に基づいた OS リファクタリングプログラムの基盤を形成します。
- Red Hat コンサルティングは既存のパッケージ、モジュール、アプリケーション、サードパーティ製ソフトウェアやカスタムソフトウェアのリストをコンパイルする手助けをします。Java などの形式言語、bash などのシェルスクリプト、Python などのスクリプト言語で書かれたものを見つけ出し、Red Hat Enterprise Linux がネイティブにサポートしているものや修正が必要なワークロードを判断します。
- Red Hat パートナーは、お客様の移行に認定済みのハードウェア、ソフトウェア、クラウド、サービスを取り入れることで、Unix システムに接続されたレガシーハードウェアの更新と、より柔軟性の高い最新のハイブリッド・クラウド・インフラストラクチャの構築を支援します。これにより、SAP、Microsoft SQL、および多くの IBM 製品など、Red Hat Enterprise Linux 用の無数の認定済みハードウェアとソフトウェア・ソリューションをシステムアーキテクトに提供します。
- Red Hat トレーニングと認定は、Linux コマンドラインとカーネルプロセスを最大限に活用する方法についてのチュートリアルを提供します。システム管理者や開発者は、すべてのソースコードにアクセスできることの利点や、アップストリームのオープンソース・コミュニティにどのように貢献できるかを理解できるようになります。