CentOS とは
CentOS は、CentOS Stream と CentOS Linux という 2 種類の Linux® ディストリビューションをリリースしているオープンソース・プロジェクトです。
CentOS Project は、2021 年から 2024 年までの間に CentOS Linux® のアップデートとリリースを打ち切る予定です。つまり、現在 CentOS Linux を使用している場合は、以下の期限までに移行する必要があります。
CentOS Linux 8:2021 年 12 月 31 日
CentOS Linux 7:2024 年 6 月 30 日
CentOS 関連の名前について
CentOS は、Community ENTerprise Linux Operating System の略です。これは、オープンソース・コミュニティ、複数のワーキンググループ、および 2 つの Linux ディストリビューションの名前に使用されている頭字語です。
CentOS
CentOS それ自体はプロジェクトであり、それに参加する人々のコミュニティであり、CentOS プロジェクトの活動に取り組むことを可能にするあらゆるものを指します。Red Hat、Almalinux、CloudLinux、AWS はすべて、このコミュニティに貢献しています。
CentOS SIG
CentOS SIG (CentOS スペシャル・インタレスト・グループ) は、CentOS プロジェクト内の小さなグループで、Linux ディストリビューション内の特定のコンポーネント (またはその使用) を管理します。CentOS SIG は、ストレージ、仮想化、クラウド・コンピューティングなどに焦点を当てています。
CentOS Stream
今後の Red Hat® Enterprise Linux 製品リリースのアップストリーム開発プラットフォームとして機能する Linux ディストリビューションです。
CentOS Linux
Red Hat によってリリースされたソースコードから派生した Linux ディストリビューションです。CentOS Project は、2021 年から 2024 年までの間に CentOS Linux のアップデートとリリースを打ち切る予定です。
CentOS Stream とCentOS Linux
どちらもオープンソースの Linux ディストリビューションであり、CentOS のバージョンであり、エンタープライズ Linux エコシステム全体の一部です。CentOS Stream は、今後リリースされる Red Hat Enterprise Linux のオープンソース開発プラットフォームとして機能します。CentOS Stream は未来の Red Hat Enterprise Linux になるものですが、CentOS Linux は Red Hat がリリースしたソースコードから派生したものです。これまで、CentOS Linux の各バージョンは、Red Hat Enterprise Linux のメジャーバージョンを反映していました。どちらも RPM パッケージ管理システムを使用し、同様の機能、互換性、バグ修正を維持していました。
CentOS Stream は、Red Hat Enterprise Linux リリースに先行して、Red Hat Enterprise Linux のマイナーリリースとなるソースコードとして継続的に提供されます。CentOS Stream によって Red Hat Enterprise Linux の開発用ソースコードが利用できるようになるため、コミュニティメンバーは、Red Hat Enterprise Linux のエンジニアと協力してコードに貢献したり、コードをテストしたりすることができます。そのコミュニティメンバーは、Red Hat パートナーおよびエコシステム開発者とともに、パッチをダウンロード、適合、送信し、変更を提案できます。その変更が Red Hat Enterprise Linux の次のマイナーリリースに含まれる可能性もあります。
CentOS Linux は、Red Hat Enterprise Linux のダウンストリームで (ほとんどの場合、開発とデプロイメントに使用される)、コントリビューションモデルはありません。CentOS Linux のアップデートは、2021 年から 2024 年までの間に打ち切られます。
Fedora プロジェクトを含め、Red Hat Enterprise Linux のオープンソース開発サイクルは次のとおりです。
- Fedora:将来の Red Hat Enterprise Linux メジャーリリースのベースとなるアップストリーム・プロジェクト。
- CentOS Stream:今後の Red Hat Enterprise Linux マイナーバージョンのプレビュー。
- Red Hat Enterprise Linux:強化され、完全にサポートされた公式のエンタープライズ向けオペレーティングシステム製品。
- CentOS Linux:Red Hat がリリースしたソースコードから派生し、コミュニティがサポートおよび作成する Linux ディストリビューション。2021 年から 2024 年までの間に廃止予定。
CentOS とRed Hat Enterprise Linux
CentOS はオープンソース・プロジェクトです。Red Hat Enterprise Linux は、エンタープライズ向けのオープンソース製品です。
CentOS Stream、CentOS Linux、および Red Hat Enterprise Linux はすべて異なる Linux ディストリビューションであり、それらの間には多くの技術、サポート、および開発上の違いがあります。
- バイナリー実行パスの相違など、技術的な違いは数千に及びます。
- サポート構造が異なります。CentOS Stream と CentOS Linux のサポートは、他のユーザーやコントリビューターの善意によって提供されます。Red Hat Enterprise Linux は、専任のエンジニアとスタッフによってサポートされています。
- ソースコードの変更の提案、テスト、コミットの方法が異なります。Red Hat Enterprise Linux への貢献は、CentOS Stream を通じて提供されます。CentOS Stream への貢献は誰でも提案できますが、貢献を受け入れ、コミットするのは Red Hat エンジニアのみです。CentOS Linux にはコントリビューションモデルはありません。
CentOS はなくなってしまうのでしょうか
CentOS Project は、2021 年から 2024 年までの間に CentOS Linux® のアップデートとリリースを打ち切る予定です。つまり、現在 CentOS Linux を使用している場合は、以下の期限までに移行する必要があります。
CentOS Linux 8:2021 年 12 月 31 日
CentOS Linux 7:2024 年 6 月 30 日
しかし、CentOS コミュニティはなくなりません。コミュニティのコントリビューターは、CentOS Stream プロジェクトの一環としてオープンソースの Linux ディストリビューションで引き続き協力することができます。これは、Red Hat Enterprise Linux 開発プロセスの重要な部分であり続けます。
CentOS SIG は、各グループのメンバーやリーダーによって運営され、コミュニティ内で活動を継続します。CentOS 運営委員会の承認を求めて新しい SIG を開始することは、誰にでも可能です。
CentOS Stream は、今後も Red Hat Enterprise Linux マイナーリリースのオープンソース開発プラットフォームであり、主要な開発パイプラインです。
- CentOS Stream 8 は Red Hat Enterprise Linux 8 開発プロセスの一環であり、更新は Red Hat Enterprise Linux 8 のライフサイクルを通じた完全なサポートによって継続されます。
- CentOS Stream 9 は、Red Hat Enterprise Linux 9 開発プロセスの一環として 2021 年にリリースされました。更新サイクルは CentOS Stream 8 と同様です。
CentOS Linux のソースコードは引き続き git.centos.org で公開されますが、CentOS Linux 8 のビルドは 2021 年 12 月に終了します。Rocky Linux、Amazon Linux 2、Docker、AlmaLinux など、CentOS Linux と同種のオペレーティングシステムについては、Red Hat と CentOS は関与していないため、このような OS を提供している組織やコミュニティに直接相談してください。CentOS の共同創設者である Gregory Kurtzer 氏によって設立された Rocky Linux も、CentOS Linux と同種のディストリビューションを引き続き作成します。CentOS 運営委員会は、次のスケジュールで CentOS Linux の保守を終了することを決定しています。
- CentOS Linux 7:Red Hat Enterprise Linux 7 のサポートが終了する 2024 年 6 月まで更新を継続
- CentOS Linux 8:2021 年 12 月 31 日まで更新を継続
- CentOS Linux 9:リリースされない
Red Hat Enterprise Linux は無料で使えるのでしょうか
はい。
対象となる個人および組織は、Red Hat Enterprise Linux サブスクリプションを無料で提供するプログラムを利用できます (一部条件によって異なります)。 移行をサポートする Red Hat ツールが利用可能で完全にサポートされており、デプロイメントも同様です。
- 個人の開発者は、無料の Red Hat Developer サブスクリプションにサインアップできます。
- Red Hat のお客様は、チーム向けの無料の Red Hat Developer サブスクリプションの対象となる場合があります。
- オープンソース・プロジェクト、オープンソース・コミュニティ、およびオープンソースに従事するその他の非営利ソフトウェアグループは、無料の Red Hat オープンソース・インフラストラクチャ・プログラムの対象となる場合があります。
- 学術機関および非営利研究機関は、Red Hat Academic Program を通じて Red Hat Enterprise Linux を割引料金で利用できる場合があります。
CentOS Stream の使用を開始する
CentOS Stream は、Red Hat Enterprise Linux に先行して継続的に提供されるディストリビューションを開発およびテストし、貢献できる、アップストリーム・オープンソース開発プラットフォームです。
Fedora と Red Hat Enterprise Linux の中間に位置する CentOS Stream によって、ユーザーは Red Hat Enterprise Linux の次のバージョンの開発に貢献し、サポートされているソフトウェアとハードウェアのテストをそのリリース前に行うことができます。
CentOS Stream は、カーネルとすべてのユーザー・スペース・コンポーネントが含まれており、ここで最初の RHEL + 1 開発が行われます。これにより、ISV、IHV、OEM、および Red Hat のレイヤード製品の市場へのルートが短縮されます。
CentOS Stream の使用を開始するには、主に 2 つの方法があります。
移行:次のコマンドを使用して、CentOS Linux 8 から CentOS Stream 8 に移行する
[root@centos ~]# dnf swap centos-linux-repos centos-stream-repos [root@centos ~]# dnf distro-sync
ダウンロード:CentOS Stream をこちらからダウンロードする