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エッジコンピューティング

エッジコンピューティングとは

エッジコンピューティングとは、ユーザーやデータソースに物理的に近い場所で演算処理を行うコンピューティングのことです。コンピューティング・サービスが物理的に近くにあるため、ユーザーにはサービスが高速化して信頼性が高まるというメリットが、企業にはハイブリッドクラウド・コンピューティングの柔軟性を活用できるというメリットがあります。汎用のリソースプールを多数のロケーションに分散させて使用するのであれば、エッジコンピューティングはその方策の 1 つとなります。


エッジコンピューティングの重要性

エッジコンピューティングが実際に活躍している例の 1 つが、仮想現実 (VR) や拡張現実 (AR) です。VR や AR にとって帯域幅の不足や高いレイテンシーは大敵です。ユーザーの気分が悪くなったり端末の処理能力不足によりラグが発生したりして没入型の体験が台無しになってしまうことは珍しくありませんが、エッジコンピューティングではレンダリング・パイプラインのうち処理負荷の高い部分をクラウドで処理し、そうした問題の発生を抑制できます。同じようなことは、スマートカーなどの IoT (モノのインターネット) にも当てはまります。自分の乗っているスマートカーが経路情報を処理しているときに大きなレイテンシーが発生したら、どうなるでしょうか。スマートカー (またはその他の IoT デバイス) は、可能な限りリアルタイムに近い速度でデータを処理して状況を判断しなければなりません。

エッジコンピューティングのメリットには他にも、オンサイトでの大規模なデータ分析と集約が可能になることが挙げられます。リアルタイムに近い状況判断を行うには、この能力が必要です。また、エッジコンピューティングではコンピューティング・パワーがすべてローカルにあるため、機密データ漏洩の危険性を低減できます。それにより、企業は情報 (企業秘密など) の不必要な拡散を抑え、規制ポリシー (GDPR など) に準拠できます。

また、エンタープライズ規模の企業にとっては、エッジコンピューティングがもたらすレジリエンシー (回復力) やコスト削減効果というメリットもあります。コンピューティング・パワーがローカルにあるため、各地域サイトはコアサイトから独立した運用が可能になり、たとえコアサイトが何らかの原因で停止しても、それに引きずられることはありません。また、コアサイトと地域サイト間でのデータのやり取りで消費される帯域幅にかかるコストも、コンピューティング・パワーがデータソースの近くにあれば大幅に削減されます。


エッジコンピューティングのメリット

クラウドコンピューティングは従来、サービスを少数の大規模データセンターに一元化することを目指してきました。一元化により、制御性やセキュリティを犠牲にすることなく、リソースのスケーラビリティが大きく向上し、効率的に共有できるようになります。

しかし実際には、クラウドコンピューティングによるこのような一元化のアプローチでは十分に対応しきれないユースケースも存在します。多くはネットワーキングの要件やさまざまな制限事項によるものですが、エッジコンピューティングはそのようなユースケースに対応します。エッジコンピューティングでは複数の小規模コンピューティングサイトを使用し、ネットワークコストの削減、帯域幅不足の回避、転送における遅延の削減、サービス停止の減少、機密データの移動に関する制御の向上を図ります。ロード時間は 100 ミリ秒の単位で短縮され、オンラインサービスはユーザーの近くにデプロイされるので、動的キャッシングと静的キャッシングの両方を利用できます。

これにより、エンドユーザーはより高速で一貫性のあるユーザーエクスペリエンスが得られ、企業やサービスプロバイダーは低レイテンシーかつ高可用性のアプリケーションを提供してリアルタイムでモニタリングできます。


エッジコンピューティングの課題

エッジコンピューティングの課題は、高度な分散化に関するものが主となります。

  • 多数の小規模サイトへのスケールアウトは、同じ容量を 1 つのコアデータセンターに追加する場合よりも複雑になりやすく、多数の物理的ロケーションから生じるオーバーヘッドの増加は中小規模の企業にとっては対応しきれなくなる場合があります。
  • エッジコンピューティング・サイトは通常リモートの場所にあり、常駐の技術スタッフはいないか、いても少数です。オンサイトで何らかの問題が発生した場合に備え、技術的知識の乏しいローカルスタッフでも簡単に修理できるインフラストラクチャを用意し、さらに、別の場所で勤務する少数の専門スタッフが一元的に管理できるようにする必要があります。
  • 管理を単純化し、トラブルシューティングをしやすくし、実装されたソフトウェアの設定がサイトごとに微妙に異なってしまうこと (設定ドリフト) を防ぐため、サイト管理のオペレーションはすべてのエッジコンピューティング・サイトで再現性に優れているものでなくてはなりません。
  • エッジコンピューティングではデータの地理的な移動が少なくなるため、情報の流れの制御性は高まります。しかし、各サイトの物理的なセキュリティはそれほど充実していないことが少なくありません。それにより、悪意を伴った行為や偶発的な事故 (ケーブルに足を引っかけるなど) により問題が引き起こされるリスクが高まります。

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